13/13
元旦那様に頼みます
「カフェをやる?」
「えぇ、そうなんです」
「それで工事をやっているのか……、うちの建築士に頼めばいいのに」
「それはちょっと……」
言い淀む私にレベット様は言いたい事がわかった様で苦笑いをした。
様子を見に来たレベット様は工事をやっているのを見て驚いていた。
まぁ、何も言ってなかったので仕方がないのだけど。
「相変わらず君のやる行動は驚く事ばかりだな」
「今は平民ですからね、自由にやらせてもらっています」
「王都には建てないのか? 雑貨屋も評判が良いんだろ?」
「王都は賑やかすぎて私のイメージには合わないんです。 私は知る人ぞ知る、身分関係無く集まる店にしたいんです」
「なるほど……、君らしいな」
一緒に過ごした3年で私という人間を理解してくれたのは素直に嬉しい。
「で、今何か問題は無いか? 領主として協力したいんだが」
「それでしたら、誰か料理人を紹介してほしいんですが」
「料理人か……、わかった。 宛を探してみよう」
頼れるものはなんでも頼らないと。




