カフェへの道
カフェをオープンする、という夢を叶える為に私は行動を開始した。
まずは食材探し、出来れば現地の物を使いたいので近所の農家に声をかけた。
「……という訳でそちらの小麦粉を使いたい、と思っています」
「そりゃあ大歓迎ですよ! レジーナ様の為ならいくらでも出しますよ!」
交渉した結果、どの農家さんも快く協力してくれる事になった。
普段は市場に行って商人と交渉しているけど足元を見られて安く買われているらしい。
一々商人を介するよりも直接お店と契約した方が農家さんの収入になるそうだ。
という訳で食材の方は確保出来た。
次はリフォームだがこれも近所の大工さんに頼む事にした。
「うーん、家はこんなおしゃれな物を作った事は無いんだがなぁ……」
「外装とか壁紙はこちらでやらせてもらいます」
「まぁ、それだったら問題無いよ、レジーナ様にはお世話になっているからね」
「ありがとうございます!」
本来ならば貴族専門の建築士とかに頼めばいいのだけど、彼等は注文以外の余計な事をしてしまうので苦手なのだ。
どうも我が強いというか、自己主張が強いというか……。
それもよし!という貴族もいるんだろうけど私はシンプルなデザインの方が好きだ。
それに豪華な装飾なんて普通の人は入りづらいだろう。
という訳でリフォームの話も解決、次はメニューの考案なのだが……。
「とりあえずケーキ類は必要よね」
「甘いお菓子が苦手という人もいるのを考えないといけませんね」
「糖分控えめだけど、満足出来る様な……。やっぱりプロを雇った方がいいかもしれないわね」
「そうですね、私に料理の腕があったら……」
「料理の腕はあるわよ、ただ客商売となると……」
「難しいですよね」
そう、自分達が美味しい、と思っていても他人には合わない、という事もある。
ここが1番の壁である。




