次の夢へ
「まずはここをこうして……、ここにコレを置いて……」
「レジーナ様、何を書いているんですか?」
「あぁ、これ? 新たな事業を始めよう、と思っていてその設計図よ」
「何をやるのですか?」
「カフェをやりたい、と思っているの。 身分関係無く誰でも気楽に入れるカフェをね」
「カフェ、ですか。 それは良いアイデアですね。 でも、そうなると店舗とか色々かかりますね」
「店舗はこの家を改装するわ。 元々其の為にこの家を貰ったんだから」
「なるほど、レジーナ様お一人で住むには広すぎる、と思っていたんですが」
私だってまさか同居人が来るとは思わなかったのだ。
カフェをやりたい、というのは私の小さな夢だったりする。
学園時代、学園から自宅への帰り道、同世代の女の子達が街のカフェで仲良くお喋りしながらお茶やお菓子を食べているのを眺めて羨ましく思っていた。
貴族時代にはお茶会はあったけど腹の探り合いで気の休まる事なんてこれっぽっちも無くお茶の味なんてわかりもしなかった。
やっぱり環境て大事だなぁ、とつくづく思った。
だから、私は身分とか関係無い出来る場所を作りたい、と思って王都に雑貨屋を作った。
平民でも貴族でも女の子は可愛い物が好きなのだ。
そこをとっかかりにして仲良くできるんじゃないか、と思った。
おかげさまで評判が良いので私の思った通りだ。
で、次のカフェへと繋いでいる。
一階を店舗にして二階を自宅にするつもりで、食材とかは既に業者に頼んである。
で、今は内装をどうするか、と思案中だ。
「料理人はどうされるのですか?」
「勿論、雇うつもりよ。 私もキッチンには立つけど」
「……え?」
……何故、絶句した?




