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公爵令嬢は現実主義  作者: こうじ
1/13

全てはわかっています

新年最初の小説です、暇つぶしにどうぞ。

「レジーナ、悪いがお前を愛する事はない!」


 新婚初夜、旦那様からいきなりこんな事を言われた私、レジーナ・コンシュランドはケイランス王国の公爵令嬢である。


 まぁ、本日結婚式をあげ旦那様、レベット・クワイアンス公爵の元に嫁いだのでレジーナ・クワイアンスになったのだが。


「わかっております」


 旦那様の一言に私は冷静にそう返事したのだが、旦那様にとっては意外だったみたいだ。


「へ? わかって……」


「旦那様には他に好きな方がいらっしゃる事は承知しております」


「はぁっ!?」


「それがミッシェル・ロイアード男爵令嬢である事も知っております」


「な、何故……っ!?」


「婚約者ですから身辺調査をするのは当たり前じゃないですか」


「し、身辺調査……」


「旦那様はもう少し他人に見られている自覚をお持ちになった方がよろしいと思いますよ。 それに私の悪口も言っていた事も知っております」


「っ!?」


 旦那様、顔面蒼白になっております、今日が結婚初日とは思えない表情ですね。


 まぁ、追い込んでいるのは私なんですが。


「まぁ、合う合わないもありますし私達の意見がどうであれこの結婚は国が決めた政略結婚ですから」


「レ、レジーナ……、お前は不満はないのか?」


「不満ですか? そりゃありますよ。 でも言ってどうなりますか?」


 そう言うと旦那様は表情を無くしていた。


 多分、私がショックを受けて泣いて縋ってくる、と思ったんでしょう、ですが私は公爵令嬢、いくら旦那様でもみっともない姿を見せる訳にはいかないのです。


「なので、旦那様。 ここは1つ契約をしましょう」


「契約?」


「はい、要は『白い結婚』です。 子供が出来なければ親もこの結婚は失敗だった、と嫌でもわかるはずです。 世間では3年出来なければ嫁として失格と言われています。 ですから3年後には別れましょう。 勿論その間は夫人としての役割を果たさせていただきます」


「君はそれで良いのか……?」


「はい、構いません。 私は私でやりたい事がありますので」


 そう言って私はニッコリと笑った。


 こうして私の期間限定の公爵夫人としての生活が始まり……。


 3年後、21歳となった私は契約通り離婚届にサインをし無事に別れる事が出来た。



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