タクトとルカ〜異世界を繋ぐ二人と指輪〜

「ルカ、異世界にはさ！ただのお茶を薬と偽って飲ませて勝ち目のないモンスターと100回も戦わせる化け物がいるんだって！」ーーー「なんじゃと！？その化け物はまさか、ただのお茶を飲ませたうえに、モンスターと戦って疲れ切った女に解毒剤などと言って得体の知れない液体を飲ませるのじゃ？」ーーー「そうそう！よく知ってるね！異世界って怖いよねー！」さて反応は？「⋯⋯終わったか？いいから修行を始めるぞ」ーーー「普通、そこは謝るだろ！」ーーー俺達は今、ダンジョンの世界で、なし崩し的に修行を受けている。ここに来るまでは本当に大変だった。偶然出会って一目惚れをした相手が魔王だったり、世界を分断する壁を見つけたり、天界で神様に⋯⋯まぁ色々あって元堕天使に追われることになったり。どこにでもいる普通の子供だった俺が、どうしてこんな大冒険をしているのか。それは今から四年前、俺が12歳の時。偶然、虹色に光る指輪を手にした日。そしてルカに出会ったあの日から始まった。