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この運命を天使《キミ》と共に  作者: 事故物件住まいの伽藍鳥
4章 激動の交武祭典篇
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78話 死香る夜

平和に終わるかと思いきやーー


 電灯が灯す交武祭典(アルージェフェート)の関係者が泊まるホテル近くの道。


 そこを蟹股で歩く一人の男。周りには誰の姿も無い。


 「あの潜水艇の騒動を仕組んだのは、あの長身の乗組員おっちゃんだな。彼奴が元学園長の協力者なのは間違いない。だとすると、海底楽園都市(ライシス)に奴がいると・・・・・・。もしや、これが狙いか」


と懐から悪事を思わす証拠データを出す。


 「この前―――元北武装守護の学園長(セロラン・リュード)を尾行して正解だった。まさか悪魔と契約を結んでは・・・・・・。でも、実際のところその裏には・・・・」


 最後まで言うよりも先に、狼の仮面を被った男が手に刀剣を握り締めて、気配なく近づくと。


 「あんたも元学園長、否、十悪率いる悪徳罪業団と組んでるんだな。全て警備員に言われたくないんだったら、取引をしよう」


と、言い出すことなど計算済みだったのだろう。


(レクト)はニヤリと笑い。


手に持つサーベルで彼を切り裂き―――。


「ぐはっ… なんてことをして……」

 

 「ターゲットを消せと言う指示だから、悪しからず」


 そう言った直後、鮮血に染まったサーベルで止めの一撃を心臓に放つ。


 悲鳴を上げるよりも先に、男の命は文字通り――消え失せて逝ってしまい。


その場にぐったりと倒れ込む。


「これは'あの人’の指示だからさ」


とだけ言い残し、'悪事を働いた証拠(データ)´を手に、その場を立ち去った。


 後に残ったのは、男の亡骸と、地面を真っ赤に染める、男の体から出きった大量の血痕だけだ。


昨夜の事件の事は、忽ち(たちまち)に都市中、更に関係者らの耳に広まり、警備隊や捜査隊が朝からバタバタと動き出す騒動になっていた。


 そんな中―――選手ホテルの内右側のホテルの二階。中央の方にあるヒョウガの部屋では、事件など知る由もないからか、まだ暢気(のんき)に眠っている。


すると、


 コンコンと、ドアをノックする音がするも、反応は勿論ながら返ってこない。


 その為、メイドは自ずと部屋へと入り込む。


 「ご主人様、朝です。起きて下さい!」


と、ロコが起きるように促すと。


 欠伸をしつつヒョウガが目を覚まし、すぐ隣で眠る全裸な幼女を起こす。


「おはよう」


「おはようなのじゃ」


 「おはようございます・・・・・・って、ツッコミたいことがあるのですが、どうしてこの子を裸にして、隣りで寝ているのでしょうか? まさかその子にふしだらな事を・・・・・・。もしかしてロリコンさん? と言う人ですか。となると、私の事もそう言う目で見ていたんですね」 


 何事も無いように普通に挨拶をしてくる二人に、流されそうになってしまう。


 ーーが自分にツッコミを入れて、当たり前な疑問と、勝手な結論付けをされてしまい自分も対象なのだとばかりに妄想をしてしまう。


 「そうなのじゃよ! でももう既成事実もあるのじゃじゃ。だから、妾だけの物なのじゃ」


  「ん・・・・・・!? 否、既成事実何て作った覚えは一度も無いぞ!?」


  「分かりました。警備隊を呼びましょう?」


「否否、本当に違うからな」


 リーフがでたらめを吹きかけ、ヒョウガの言うことを余所にし危うくなる。だから強く否定した所、渋々理解(アわ)かってもらえたようだ。


 「警備員さんで思い出したんですが、先程捜査隊の方が、大会の関係者に話を聞いていたんです。その理由は、昨夜運営委員会の方の一人が、関係者用ホテル近くで殺されたという事件があったそうです」


 「ん・・・・・・!? こんな楽園(パラダイス)でそんな恐ろしい事があったのか。大切な試合も始まってないのに・・・・・・犯人は絶対に許さないぞ!」」


 「ヒョウガの言う通りなのじゃ。妾も犯人を見つけたらコテンパンにしてやるのじゃじゃ」


 ふと、思い出したようにロコは、昨夜起きた事件について話す。


 それを聞いた二人は、思い思いの事を口にして。


 「それよりも、お嬢様! 浴衣を着て下さい」


「分かったのじゃ」


 と言うことで、リーフは脱ぎ棄てられた浴衣とパンツを拾い上げて、着替え始める。



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