表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この運命を天使《キミ》と共に  作者: 事故物件住まいの伽藍鳥
4章 激動の交武祭典篇
96/152

76話 打ち明け

のんびりと街中を歩くヒョウガ達はというと。


 「そう言えばさ、ここってどこで特訓で来るんだ?」


「言われてみれば、教えて貰って無かったね!」


「あ、あそこに地図? みたいな物があるわよ!」


 とアミリが指をさす方を見遣ると、確かにそこにそれらしきものが置かれており。


 「何々、ふむふむ。現在地がここだから・・・・・・向こうにそれらしきものがあるぞ!」


彼らは地図に従って向かう。


 ―――街を出て、更にコロシアムのある方まで行き、そこからすぐ右に行ったところに、目的地である建物に辿り着いて。


 そこの隙間からのぞき込むと、多くのチームが特訓をしており、諦めて引き返すことに。


そして選手専用ホテルへと戻ると。


「んじゃあ、後でな」


「またねなのじゃ」


 ヒョウガ達はリーフと別れると、部屋へ戻って行き―――。



「なあ、皆」


 と真剣なまなざしで見つめると、カナミたちは息を呑む。


 「今まで隠し続けて来た事を話そうって決めたんだ」


「え? 隠し続けて来たこと?」


「え? ヒョウガ君。何話そうとしてるの?」


 ヒョウガがそう切り出すと、カナミだけでなく、シナモンまで聞かされていなかったからか、戸惑う。


 「隠していたことそれは―――俺は率直に言えば天使使いなんだぞ」



 「天使使いって、あの昔の歴史書とか、童話に出て来るアレですの? ヒョウガがそんな冗談言うとは思わないですけど、本当だったとして何でですの?」


 自分は―――天使使いだと言い出す彼に、それを唯々呆然と聞いていた彼女たちだったが、アーティナだけ口を開けて、誰もが知る程度の事を話すも、半信半疑でそう問うと。


「覚えてるよな、始まりでもある、学園を襲って来たライディス基漆魔(シェイマ)の件」


 「と、突然何を言い出すのよ? 覚えてるに決まってるでしょ!」


 「あの時、俺にだけしか見えない少女が何故か現れて、契約をしたんだ!」


 突然に過去の事件の事を掘り返され、彼女が忘れる筈がないと言いたげな顔で言い放つ。


 すると彼は、自分以外の誰にも見えなかった実態を語り―――。


「契約ってどういうことでしょう?」


「簡単に言っちゃうと、キスだ」


「キ、キキキキス!? キスってあの??」


 ふと疑問に思った事を訊ねたミューフィへそう返す。  


 すると、それを聞いてたアミリは衝撃発言に動揺が隠せない様子。


「で、何処で思いついた話だー」


「そ、そうよね」


 「やっぱいうだけじゃ、言うだけじゃ貰えないか。それじゃあ、証明してやるぞ!」


「だから、契約者以外には見えないんだってば」


とシナモンが言った刹那―――。


 ヒョウガが謎の力により、天使の周りを光輝が包み込んで、間髪を容れずに文字通り―――彼女らの前で露になった。


「こ、こいつが天使!? ただの幼女じゃない」


「幼女言うなー。天使だもん。…て、あれ」


 アミリが本心からそう言うのを聞くや否、シナモンが思わずいつものセリフを言ってから。


「何で見えてるの?」


 「ん・・・・・・!? 天使なら天使の力を使えば、もしかすると見えるんじゃないかと思ったんだが、本当に見えるようになるとは思わなっかったぞ」


「こんなの不条理だもん」


と天使が不満を漏らす。


 「で、話に戻るぞ! 十悪率いる悪徳罪業団の幹部は残り八体いるみたいだぞ」


「そ、それって前の二体よりも強いわよね!」


 「そうなんだよ。これからもっと強い奴が来るんだもん」


 「んでもって、俺だけしか現在(いま)の天使使いはいないんだ」


 と彼が告げた直後、シナモンは「え? 現在は違うよ」と予想に反した事を言い出す。


 「実はここ二ヶ月で二人も天使使いが現れたんだ」


「ん・・・・・・!? そうのか!?」


 契約者に知らせてなかった情報に、ヒョウガは吃驚仰天していまう。


 「そう言えば、あの時運営委員会から盗まれたものって・・・・・・」


 「確か交武祭典(アルージェフェート)>」

の仮決定書だよな」


 「ソレだけじゃないもん。二人の天使使いの内の片方の天使から聞いたんだけど、どうやら、その交武祭典(アルージェフェート)の決定版と、全ての情報とデータが盗まれたんだって!」


 思い出しながら話し始めたアーティナだったが、先にヒョウガに言われてしまい。

 

 天使から聞いた事を皆に話す。


「それってヤバいんじゃないかー」


 「ああ、サラの言う通りだ! 二か所で〈交武祭典(ここ)〉の情報が盗まれている以上、何かが起きようとしているのは間違いないぞ!」


 「ヒョウガ先輩の言うことは否定できません。こうなった以上、何かが起きる前に止めなくてはいけません」


 慌てふためくサラと、嫌な予測をするヒョウガ。


 危惧するミューフィは、未然に防ごうと心に決める。


 「元学園長がどういう手段で来たのかは分からないが、何かの目的が有ると言うのは間違いないぞ! そこんところ知らないか? シナモン」


 「え~そんなこと知らないもん。でもね、何だか良くないことが起きようとしている気がする」


 と神妙な面持ちでそう言い切った。


その次の瞬間―――


 天使の力の効果が切れたのかの下、消えてしまっていた。


 それから色々と話すうちに、四、五十分が経過した頃。

とんとんと、ドアを誰かがノックする。


 そして入って来たのは、小さなメイド―――エーゼルではないか。


 「ご主人様、それにお嬢様。夕食のお時間でございます。祝宴場へ来てください」


「ああ、分かったぞ!」


 晩御飯のお呼びが掛かり、急いで会場へ向かう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ