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この運命を天使《キミ》と共に  作者: 事故物件住まいの伽藍鳥
4章 激動の交武祭典篇

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75話 密かに動く悪しき者達

時を同じくして、丘の上に佇む小屋の中では。


 現在ここには、紺色の清楚ロングウェーブヘアの少女―――ネチスィア。その弟で双子の兄―――オム。双子の弟―――マル。そして、祖父―――せロラン・リュードと、ルームメイトと別れてこっそりとやって来た最後の仲間。

彼の名は―――モリヤマ・レクト。ヒョウガの従兄妹だ。


因みにムフィードと、ヒアイは外で見張りをしている。


「少し遅くなったけど、お昼ご飯だからね♪」


「ほお、クリームシチューかのう」


「外は寒いと思ったんだ♪」


 ネチスィアがお昼ご飯を知らせた途端、真っ先に孫の作ったものを見て、そう言う。


 すると、その料理にした理由を伝え、それを聞いたリュードは「確かに冷えていたから丁度良いのう」と、嬉しそう伝える。


「それじゃあ、食べよう♪」


「戴こうかのう」


「「戴きます」」


「戴きます」


そう言って食べ始め。


パクッ、


「ん~ん。美味しいのう。久し振りの愛孫の手料理はやっぱ良いのう」


パクッ、


「ん~ん。初めて食べるけど、とても美味しい」


 祖父が孫の作ったシチューを美味いと褒めてから、レクトも美味いと表情一つ変えずに言うも。


「美味しそうに見えない」


「ご免。感情移入が苦手で、どうしてもこうなるんだ」


「それなら仕方ないよ」


弟のマルの指摘を受け、訳合いを話したことで理解してもらい。


 シチューが無くなり、ご飯も食べ、サラダを間食し、兄のオムが皿洗いをして、席に着き―――。


「では、本題に入ろうかのう」


そう切り出した彼は。


 「早速今晩にでも、ターゲットの一人を狙ってもらえるかのう」


 「しっかり発覚(バレ)ないようにしてくれれば、条件を出さなくても、良いさ!」


「それに関しては、大丈夫じゃよ」


 そう言って取り出したのは、暗黒色に包み込まれたマントと、本格的な狼の被り物とに、サーベル一つ。


「で? 誰を狙えばいいのさ?」


「それはじゃのう」


祖父は懐から一枚の写真を差し出す。


「了解」


こうして彼は仕事を受け取りーー


「お爺ちゃん。私たちは♪」


「今は無いのう」


「分かった」


「それなら、分かった」


「早くしたいね」



 張り切って聞いた姉だったが、リュードはその一言を言い放つと、ネチスィアはしょぼくれてしまうが、弟たちは冷静な声音で返事を返す。



 「そうだ♪ 私たちの出番の時は思いっ切りやろう♪」


「そうだね」


「思いっ切りって好いね」


ポジティブ思考な姉に、二人も頷く。



「では、頼むからのう。レクト」


「はい、リュードさん」


そう言った直後ーーー彼は小屋を後にする。


 交武祭典(アルージェフェート)の裏で悪しき者たちが、尚に動き出そうとしていることなど、誰として知り得ることなど無いのだろう。


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