72話 メイドとの交流
「ま、まさかとは思うけど、このコーヒーに毒を入れてあるんじゃないわよね? 数減らしが狙いで」
そのような犯罪行為はないと思うが、アミリは疑心暗鬼になってしまう。
「どうかな?」
「もう意地悪は駄目ですよ。それじゃあ、信頼されなくなっちゃいますよ。安心してください! 中身は普通のコーヒーです。入ってるのは愛情だけなので安心して下さい」
その問いを、ややこしくしようとした一番背の高いメイドは、小さなメイドに叱られてしまい。
そしてそのメイドが、安全であることをアピールする。
「では、砂糖とミルクを貰うですの!」
「そうご主人様に言われますと嬉しい限りでございます。はい、お嬢様! どうぞ」
ヒョウガがコーヒーに舌鼓を打ち、バケットからクッキーを三つ程掴む。
そして口に頬張り、率直な感想を伝えた。
その様子に安心したアーティナは、前に置かれていたのがブラックコーヒーだったため、必要不可欠な二つをメイドに頼む。
すると上機嫌になった小さなメイドが、彼女の前に砂糖とミルクを置く。
アーティナは砂糖とミルクをほぼ全部入れ、コーヒーカップを口に運ぶ。
「ふうふう。ん~ん。凄く美味しいですの!」
ズズズ―ッ、
「どれどれ。ん~ん。美味しいね! こっちのクッキーは・・・・・・ん~ん。口の中でバターの甘みが引き立っていて美味しい」
「では、ワタシも戴きます。ふうふう。ん~ん。このカフェラテ、とても美味しいです。このクッキーも戴きます。ん~ん。こちらはプレーンです。甘くて美味しいです」
ズズズ―ッ、
「それじゃあ、ウチも飲むよー。ふうふう。ん~ん、ミューフィの言う通りだー。カフェラテ凄く美味しいよー。ウチもクッキー貰うよー。ん~ん。このココアの味のクッキーも美味しいよー」
「そ、そんなに美味しい訳ないでしょ! どうせ嘘に決まってるわよ。でも仕様が無いから飲み食いしてあげるわよ! ふうふう。ん~ん。皆が言っていた通りだったわ!? クッキーも貰ってあげる。ん~ん。このチョコクッキー、物凄く美味しいわね!」
残りの四人も、メイドからいただいたコーヒーに舌鼓を打ち、五種類のクッキーから、三、四枚とって口に運び、それれか味の感想を言う。
褒められた少女はトビっきりの笑顔を浮かべ。
「褒めて頂きありがとうございます」
とお礼を言う。
「なあ、君がメイド喫茶のチームのリーダーか?」
―――クスクス。
と笑う小さなメイドは失礼を詫びて。
「ご免なさい。ご主人様! 笑ってはいけませんでした。否、私はリーダーじゃありません。私がリーダーなんて勤まる訳有りませんから。彼方に居る先輩がリーダーです」
そう言って指したのは、テラス席から見て真中の席でコーヒーを注いでいる、紅色にロングストレートの少女。
「名前は、レゼリア。レゼリア・ヌーデル。高等課一年生にしてリーダーを務める凄い人なんです。ちなみに私の名前は―――ロコ・エーゼルと言います。気安くロコと呼んでください。中等課二年です」
ロコ・エーゼル
138.4cm
―――リーダーの名前を教え、彼らに紹介し、ついでに自己紹介を行う。
ロコと名乗る少女は、栗色の髪に、赤茶色の瞳を持つ。
そして背丈は、アーティナと少ししか変わらない。
「中、中等科二年にしては低いわね!」
「ま……まだこれから伸びるんです。多分」
アミリに痛い所を突かれたロコは、目を×にして訴えかけて。
「そうそう。これから大きくなるからね! きっと」
「ああ、二人の言う通りだ。気にするな」
などと、メイドを主人とお嬢様から可哀想に思われる始末に。
その光景を目の当たりにした一番背の高いメイドは、「次の所をやるんで」とだけ言い残すや否、二人を連れて別の所へと言ってしまい。
そしてしこへ―――
「ヒョウガ」
邪魔者はいなくなったと言わんばかりに、リーフがこちらへと歩み寄ってきて。
「妾以外の女との浮気なんて許さないのじゃ」
「別に浮気していた訳じゃ無いぞ! 本当だ」
「そ、そこじゃないでしょ!! ヒョウガ先輩はリーフの物じゃないに決まってるでしょ!」
「未来の婚約者を差し置いて、一体誰のモノなのじゃ?」
先程のアレを浮気と捉えてしまった幼女は、人差し指を立てて左右に揺らしながら叱り付け。言い訳にも捉えかねない言葉を言い放つ。
ーーーが、その言葉にアミリはツッコミを入れ、正しくも言葉足らずな言葉を発する。
自称未来の婚約者のリーフは、返し辛い質問を返す。
その時、タイミング良く南の港に到着し、潜水艇が止まる。
そして、南学園【アンティヌ】代表の二チームと先生、運営委員がまず乗り込み。次に南東学園【カシュル】代表の二チームと先生、運営委員。
その次に東南学園【エナズ】代表の二チームと先生、運営委員。南西学園【ラリサ】代表の二チームと先生、運営委員が乗り込んだ。
その次に西南学園【パトラ】代表の二チームと先生、運営員。西南西学園【ハニーア】代表二チームと先生、運営委員が乗り込む。最後に南西南学園【ラミア】代表の二チームと先生、運営委員が乗り込んだ。
それから少しして出発しようとしていた。




