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この運命を天使《キミ》と共に  作者: 事故物件住まいの伽藍鳥
3章 越えた先の結末
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69話 ギクシャクした心

部屋へそれぞれ帰って行く中、ヒョウガはリーフを呼び止め。


「リーフに話があるから先に帰ってくれ!」


 「そ、そう? ふーん、分かったわよ!」

 

 彼に言われ、アミリは何故となりつつ承諾し、他の四人と共に先に部屋へ戻って行く。


 リーフの方も、仲間に先に帰らせ、ヒョウガと二人で近くにあるベンチにあったため、そこに腰を下ろす。


早速、彼は話を切り出す。


「約束、忘れてないか?」


 「勿論覚えてるのじゃ。妾が負けたらヒョウガに貰われるのじゃ」


そう幼女は答えると。


 リーフが期待した言葉とは別の言葉が、彼の口から放たれて。


 「やっぱり覚えてたか。冗談のつもりで言ったのに。あの時は勝てないと思ったからあんなこと言っただけだ。それにホントだとしても駄目だ。 何せ、未だ君は十一歳だろ。だからあと四年、その気持ちが変わらないでいてくれるなら、前向きに考えてあげるぞ!」


 「・・・・ヒョウガの嘘吐きなのじゃ。プロポーズしておいてなのじゃじゃ」


泣きそうな声になりながら、リーフは言う。


一呼吸おいてから、ヒョウガはそんな要求をしーー


 「プロポーズになるのか? 冗談てかそんな感じのつもりだったし。けどホントに悪い。代わりに友達になってくれないか?」


 「グスグス。もうヒョウガなんて知らないのじゃ」


 そう言ってリーフは遂に泣き出し、ベンチから立ち上がると遁走する。


「悪い事しちゃったな!」


 とヒョウガはそう呟き、ぎくしゃくした気持ちのまま、自分の部屋へと戻って行く。



リーフの部屋でのこと。


 泣いて帰って来たリーフに、コロネは優しい声音で聞いてきて。


 「何があったの? リー、どうして泣いてるの??」


 「うヴぇ~~~ん。グスグス。ヒョウガに裏切られたのじゃ」


「どう言う事?」


 突然そんなことを言われて分からず、リーフはあったことを全て話す。


 「それってさ、別に向こうも嫌いって訳じゃないみたいだし、惚れさせちゃえばいいんじゃない?」


「たとえば?」


首を傾げる幼女の耳元で、コロネは呟く。


ごにょごにょ。


 「それは良いアイデアなのじゃ」


「じゃあ、試してみれば」


―――あ、やっちゃった。まあ、良いか。


 彼女は何かを思い出したが、言うのを止めておくことにした。


 「それより、今日の夜ご飯はリーの大好きなオムライスにしよっか」


「わーいわーい。オムライスなのじゃ」


 晩ご飯が自分の好物だったのもあり、リーフは#跳梁__ちょうりょう__#して満々の笑みを浮かべていた。


そして夜になり、皆寝寝静まった頃。


 場所は、南西南の奥にある森―――悪魔の森。その中でも憩いの場と言われている場所。


 そこへライトを持った元学園長。そして悪魔達が集まっていて。


そこで発信器から一本の連絡入り。


 「ほほ、アリマ・ヒョウガが・・・・・・そうかのう。それで'アルテミス'。他に情報はないかのう。ふむふむ、そうか、分かった。では、誰にもバレぬようにのう」


 アルテミスと呼ばれた人物は、元学園長へ情報を漏洩しているではないか。


 その会話を分節的に悪魔の一体―――闇に包み込まれた死神。闇死神が口を開いて。


「誰からの連絡だ?」


 「儂わしの大事な教え子で、協力者じゃのう。例の天使使いが、<交武祭典>>《アルージェフェート》へ参加することが決まったらしいのう。ついでに残りの天使使いも」


 聞いたことを全て悪魔に伝えると。


 「それでのう。誰か儂と行こうと思っているのだがのう。ついでに言うが、向こうにはすでに、孫が言っておるのだ」


 話を最後まで聞き終えると、一体の悪魔がアピールをし。


 「この盗魔(ムフィード)が行かせて貰いましょう。必ずや主人を喜ばせましょう」


 と角が無いベリーショートヘアに、吸血鬼が纏っている黒のマントを着ている偸盗(ちゅうとう)から生まれた悪魔。


 「ムフィーだけでは物足りないメア。ラスフも一緒に行くメア」


 そう言ったのは、盗魔の前に座っていた、パーマでミディアム。髪の頭には四本の角を生やし、恰好はゴスロリ服を身に付けている両舌(りょうぜつ)から生まれた悪魔。

悪魔の名は裂魔(ヒアイ)だ。、


 「では決まりじゃのう。因みにムフィードとヒアイは結界を抜けられるのかのう」


 一緒に行く二体が決まり、気になっていたことを二人に聞く。


すると二体が頷いて―――。


「勿論可能でしょう」


「ラスフモ大丈夫メア」


 「それでのう。もう明後日には出発でのう。それにコッソリ乗り込もうかのう」


と予定と行動を告げ、彼は森の外へと出て行く。


 こうして、元学園長と悪魔達が誰も知らぬ所で動き出しているなど、誰も予想だにして居ないだろう。



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