66話 反撃の狼煙
全員が揃った所で、試合を再開してーー。
「それじゃあ、早く決着を着けるのじゃ」
「そうですね」
「リーフちゃんの言う通りだぜ! とっとと終わらせてやるぜ!」
「そうするか」
其々がそう言うと。
「私来たばかりだけど仕方ないよね」
「ああ、そうだな! 良い考えだ」
とヒョウガも肯定して。
全員が戦闘態勢を取るや、其々が行動に移す。
「それじゃあ、行くぜ」
瞑っていた目を開眼させたガヴェール。
「妖魔想像<天犬>!!」
「行こうか」
丸を詰めたザクが狙いを定め引き金を引く。
「武装呪銃術<三千年の怨み>!」
ガウェールが赤い毛並みの巨大な狼で、青い翼に黄色の尾、黒色の嘴を持つそいつが彼へと襲い掛かってきて。
ザクはヒョウガを撃つ。
放たれた三千年もこの世を恨み続けた者たちの弾も、ヒョウガへと飛んで行く。
「能力<暴風>ッ」
透かさずヒョウガは、体を中心に強い風が吹き荒れさせて、二つの技を吹き飛ばす。
次にコロネが、ヒョウガに技を発動させるより前に、片膝を立てた。そしてヒョウガの至近距離に移動し、素早く刀を抜き放つと。
「武装霊刀奥義<居合業火>」
地獄の火を纏わせて、ヒョウガを斬り倒す。
「ごあぁぁ…」
業火を食らったヒョウガは、熱さと痛みで体中を蝕まれてしまい、流血してしまう。
「これで決めるのじゃ」
「チェレヌちゃんの相手は私ね」
「態々自ら負けに来るとは…良いのじゃよ」
カナミがリーフの前に立ち開かる。
「武装神鉈技<天神斬り>!!」
神鉈から天神を出現させたリーフ。
幼女の斬りかかる合図で斬りかかって―――。
「武装想像<時の巫女>」
カナミが突如にして刹那ーーー時空の狭間が現れそこから巫女を出現させる。
天神から繰り出された斬撃を、時の巫女は文字通り、時間を止めた。更に天神そのものを消し去る。
止まっているうちに、場所を移す。
少しして時間が動き出す。
「どう言うことなのじゃ? 確かに技を…それにいつの間に移動したのじゃ?」
とリーフは疑問を抱く。
もう応援する事しかできないアミリ達は。
「ね、ねえ、アーティナさん。ヒョウガ先輩とカナミさんが居るから大丈夫よね?」
「現状が分からないからなんとも言えないですの。 でもカナミが来たから大丈夫ですの」
「今までのカナミ先輩とどこか違うように思えたので大丈夫です。」
「そうだよー」
地面の下に落ちた事で現在の状況が不明な中、彼女たちはカナミとヒョウガへ全てを託す。
試合に戻る。
「ま…まさか妾の技を止めたのじゃか!?」
「うん、そうだよ!」
一つしかない理由を恐る恐る口にするリーフへ、笑顔で答える。
ヒョウガの方は。
「一気に決めるぜ!」
「ーーーうん」
「そうてしましょう!」
そう言って三人は一斉に技を発動。
「妖魔想像<天犬> 妖魔想像<饕餮>」
ガウェールが赤い毛並みの巨大な狼で、青い翼に黄色の尾、黒色の嘴を持つ怪物。それと体は羊のようで、人間に似た顔、曲がった角、虎の爪を持ち、爪先はヒヅメではなく人間の爪を持つ怪物を出現させる。
そして二つの怪物に、ヒョウガを襲わす。
「武装呪銃術<三千年の怨み> 武装呪銃術<積怨丸>」
ザクはヒョウガへと銃口を向け、引き金を引く。
放たれた三千年もこの世を恨み続けた者たちの弾も、ヒョウガへと飛んで行く。
更にザクはザクがヒョウガへと銃口を向けて、引き金を引く。
放たれた積み重なった怨みの弾は、ヒョウガへと飛んで行く。
四つの攻撃がヒョウガへと襲い狂う。
「能力<旋風>」
ヒョウガが渦のように巻き上がる風で全ての攻撃を吹き飛ばそうとするが。
そう簡単に吹き飛ばすことが出来ず、全ての攻撃をもろに食らう。
「····」
ヒョウガは声になら無い声をあげる。
それだけでは終わらない。
続いてコロネが、片膝を立てて、ヒョウガの至近距離に移動し、素早く刀を抜き放つと。
ーーーま、不味い。このままだと本当に終わっちまうぞ! それは嫌だ。こんなところで終わりたくない。けど、確実に次の攻撃で俺は終わる。何とかしたいんだけど
そうヒョウガが内心で喚いた。




