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この運命を天使《キミ》と共に  作者: 事故物件住まいの伽藍鳥
3章 越えた先の結末
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58話 幼馴染みのトラウマ

これは私が高等課へ上がった日に行われたランキング戦のお話。


 恵まれていた彼女は、生まれつき早々したものを具体化させる力を持っていた。

 その力は年を重ねることにより鮮明なものを生み出せるようにまでなっていた。


 ーーーこの力のお陰で私はランキング戦をどんどんと上げていくことが出来た。そんな勝つのが当たり前になっていた私は負けることなんて内と思っていた。


 少女ーーーカナミはこの日当然の帰結ではないのだと思い知らされる。


 『そんなんで妾に勝とうと思ったのじゃか? そんなもので妾に勝とうとは千年早いのじゃ』


『…ッ』


 何度も強力なモノを想像するも、その幼女ーーーリーフの前には手も足も出ない。


 『お前と戦ってもつまらないのじゃ。もう終わらせるのじゃよ』


 無聊(ぶりょう)に耐え兼ねたリーフはその、たった一撃で試合を終わらす。


 ーーー初めての敗北だった。それもこんな酷い負けかたをするのは。


 その後悔を胸に私は、二年目のランキング戦に挑んだのに、結果は変わらず惨敗。リベンジ所か更にコテンパンにやられてしまう。

 

 そうどんなに強くなろうとも、相手はその上の上にいる。


勝てるはずがないのだ。


 カナミはリーフと戦いたくなーーー


 戦うことでまた自分が傷付く。


そう思っていたのだから。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 先生との激闘の末、何とか勝利を飾ったヒョウガ達。

その二日後に先生に呼ばれた。

一緒に決勝戦の相手チームも呼ばれていて。

場所は、職員室前だ。


 ヒョウガ達が職員室の前にやって来ると、既に相手チームは来て待っていた。


そこでヒョウガには気になることがあった。それは、


 ー――ん? 何故こんな所に小等課の奴がいるんだ? それよりも誰が学園長の孫だ?


 とヒョウガは、見てくれで幼女がここに居ることを疑問に思う。


 ーーー嫌だ…あの娘と戦うなんて


 とカナミは身体をガタガタと震わす。


 「なあ、カナミ。あの幼女は誰だ? てか、大丈夫か?」


 「… ヒョウガ、だ…大丈夫、大丈夫。知らないの!? あの子は…」


 「妾が自分で言うのじゃ。妾の名前は、リーフ・チェレヌ。11歳。学園ランキング1位。それと妾は学園長の孫なのじゃ。お、妾に勝てないフヅキ·カナミじゃないか」



  ー――じゅ、十一歳って言ったわよね? 見た目通り小等課の子よね。でもなんで高等課に? それに学園ランキング1位って!? 学園最強じゃない。それに学園長の孫なの!? それに先のカナミさんの様子だと


 紫髪の幼女の発言を聞いたアミリは、言われたことを脳裏に思い浮かべる。

 そして気になったカナミの様子にも幼女(それ)が関わってるのではと。

 そして信じがたき事実に辿り着いたから。


リーフ・チェレヌ


身長:136.7cm


 「お互いに慣れ合ったなので、決勝戦の事を伝えます。予定は三日後の十三時となります。場所は競技場となりますのでお忘れなくお願いします。それではもう戻っていいです」


 と、髪を後ろに結んだ女教師が日程を告げると、部屋へ戻るよう促す。


 「それじゃあ、当日なのじゃ」


「じゃあ、行こう。リー」


「それじゃあ戻るか」


「そうやな」


「帰ろう。部屋へ」


 「じゃあな、ヒョウガ。他の皆も」


 其々が勝手に言いたいことを言って、部屋へと戻って行く。


 ―――それから少しして俺達も部屋に戻った。


――――――――――――――――――――――――――――


 部屋に戻るなり、アミリが皆に話しかけてきて。


 「さ、流石決勝戦手だけある相手よね。まさかライディスさんのルームメイトがあんなに凄い人達とは思わなかったわよ!」

  

 内容は決勝戦の相手チームの事であり、謎だったライディスのルームメイトのこと。


 「今回は負けるね… あんな凄い強者(クセモノ)たちは強者たちだけど…あれには… リーフ·チェレヌにだけは誰も…皆負ける」


 身体をガタガタと震わせながら、カナミはトラウマを思い出す。


 身をもって知ってるものだからこそ、彼女は言えることなのだ。


 ーーーああ、そう言えばそうだったな。けど


 「カナミの気持ちは理解(わか)ってやれないが、負け越しだとどんなにやっても勝てない。勝とうとする気持ちが大事だぞ!」


 「分かったような口で言わないで! 例え五人減らせたとしても、勝てるような相手じゃない。…勝てないよ、あんなのに」


 ―――カ、カナミさんがこう迄恐れているなんて…一体どんなけヤバイのよ?


 アミリはカナミの横顔をチラリと見ながらそう思う。


 「で、でも、その最強をもし倒せれば屹度…そう、見返せられル話よ! 何があったかは知らないけど」


「アミリの言う通りですの! 力を合わせればもしかすると」


 「二人の言う通りです。詮索はしたりしません。けど、諦めていたらそこで終わりです」


「ウチもどう意見だよー」


と四人がカナミへと。


 「だからって気持ちでどうこうなるもんじゃないからね…そっとしといて」 


 「ん、分かった。けど俺達は特訓しに行くからな」


 と、カナミに伝えた直後ーーー。


 「何か空気重!? 遂に来た出さな! ・・・・ヒョウガ」


 「ん・・・・・・!? ああ、色々合ってな。 その声はルゼインじゃないか! でも何しに?」


 後ろの方から聞き覚えのある声がするや否、振り返って彼の名前を呼ぶ。


 「成る程。そうだったのださか!? それは決まってるださ! 己達が特訓に付き合うださ!」


 「君たちのチームでは、足りなくて足手纏いになるだろう。僕たちも協力するよ!」


 ルゼインは、ぐぬぬと唸るが間違いでないからこそ、言い返すことが出来ない。


 それを言ったのは、部屋に入って来たエデロアではないか。


 「良いのか? 一人欠けるけど。 んじゃあ、協力してもらうぞ!」


 「それじゃあ、皆で行くですの! 特訓しに競技場へ」


「了解。それじゃあ、行こう」


 彼の言葉を聞いて、他の皆も可否しているようなので、競技場へ向かう。


カナミを残しーーー


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