57話 講師との決着
一方。その試合を観戦していた者達は。
「先までの苦戦が嘘みたい! 流石にヤバい」
「おお、確かにあれは凄いぜ」
「先生を凌駕しているのか・・・・」
一番前で観戦していた三人組の男女が、それぞれ思い思いのとこを言い。
「先生と互角か、それより下かと思ってたださ、 観ていて。それが後半からよくなってきたださ!」
「そうだべな! 強い先生達とあそこまで張り合えるとは流石だべえ」
「ああ、確かにそうだな」
ルゼインの所の男性陣がそう言うと。
「グハハハハハ。先生を相手にあそこまでやるとはな。愚者のチームがこのままいけば決勝戦に晋ではないか」
「はああぁ~。眠い。でも今回は面白いかも」
「ここからが大事……」
女性陣も見て感じたことをそれぞれいう。
「アーティナ。それにヒョウガ達。後もう少し頑張るんだよ!」
そして話は試合に戻る。
「じゃあ、行くね!」
瞑っていた目蓋を開眼させたカナミ。
「武装想像<八岐大蛇>!」
佳南の目前に八岐大蛇が出現する。
現れた八岐大蛇に指示を出す。
「僕がやりますよ!
能力〈無効化〉」
そして迫ってきた八岐大蛇の攻撃を、無効果にしてしまい。
「此方も行きますよ! 白銀刀を投げますよ!」
グライドがミューフィとアミリに向け、白銀刀を投げてきて。
「大丈夫だよー。妖精!」
「はい、マスター」
マスターの指示を受けた妖精が動く。
「<ソルーム・ノーユ・エラル>!」
飛んで来た幾つもの白銀刀を、妖精が呪文を唱えた事により、幾つもの鍵が出現して、鍵を掛けて封じ込む。
そして妖精が、全てを叩き潰す。
「では、私も行こうかな。影よ! 破壊兵器となるのだ!
<影破壊器>」
アーティナに向け、大量の影で破壊兵器を創り出すや、襲い掛かるように仕向けると。
―――逃げようにも足が思い通りに動かない。
その理由は、十数本の影が足へこびり付いているから。
「あああ、ああぁ~」
アゼンの攻撃を食らい、首、腹、胸、足から流血してしまい。
「妖精、アーティナ先輩が危ないよー」
「分かりました。マスター」
契約者の指示で呪文を唱えた。
「<アル—ル・ピオラ・ヒールア>!」
幾つもの光がアーティナへと降り注がれると。
「ふう。助かったですの! ありがとうですの。サラ」
「どう致しましてだよー」
アーティナの負った深傷が見る見るうちに癒えて行き、完全回復を為す。
彼女のお礼を聞いたアキラは、嬉しそうにそう言った。
「んじゃあ、行くぞ!」
風双刃を構え――
「風双刃剣技<交炎刃の風>」
炎が交じり合って炎風となり、それが刃となってグライドに襲い掛かって来た。
「能力<無効果>!」
透かさず先生は、その飛んで来た攻撃を能力で効果をなくそうとするが―――。
「ゴあああぁ~」
「流石はヒョウガさんですよ! 強い。でも僕も負ける訳には行けないんですよ!」
と言い終えると、彼は覇気で体中を覆い尽して。
「皆さん行きますよ! '覇気を放つ金刀'よ、飛んで行くんですよ! それに'銀刀´も覇気を放って飛んで行くんですよ!」
グライドが黄金色の刀と、銀色の刀其々が覇気を放ち、此方へと飛ばしてくる。
―――ま、間に合わないわよ! もう少し時間があればいいのに・・・・・・。
状況の最悪さをアミリが悔やんでいると。
「ん・・・・・・!? そう来たか。でも大丈夫だぞ」
余裕な素振りをヒョウガはしていた。
「能力<旋風>!!」
彼―――そう、ヒョウガが二つの刀の前へと立ち塞がり。
その二つの刀へ渦のように巻いて吹き上がった風で吹き飛ばす。
「た、助かったわね! ありがとうよ」
とお礼をいい終えると、低い姿勢を取る。
スコープからターゲットを覗き込んだ。
「武装魔銃術<猛火の弾>!!
狙いを定め、引き金を引く。
ーーー火薬の弾ける振動と共に、高速で回転する弾丸。
弾丸は次第に形を変え、激しく燃え上がる烈火に。
烈火へ変化した弾が、発射口から発射された。
烈火の弾丸は、瞬く間にグライドを撃ち抜く。
「ゴあああぁ~」
撃ち抜かれた右肩が炎に包まれ熱さと痛みが襲う。
「ですがまだ・・・・・・まだ・・・・・」
「こ、これで終わりよ」
低い姿勢のまま魔銃を構えた。
確りとターゲットの位置を確認すると。
「武装魔銃術〈海女神の弾〉」
狙いを定め、引き金を引く。
ーーー火薬の弾ける振動と共に、高速で回転する弾丸。
弾丸は次第に形を変え、海の女神に。
《テティス》へ変化した弾が、発射口から発射された。
海の女神の弾丸は、瞬く間にグライドの心臓を水の刃の如く貫く。
血反吐を吐き大量の血が心臓から零れ落ちた。
彼の終わりの時が来た。
「―――!!」
バタン、その場に倒れ込む。
「グライド先生も良く頑張りましたな。後は私が頑張りますかな」
とアゼンは、彼の雄姿を称えた彼は、全神経を集中させて影を創り出す。
「影よ! 灼熱の炎となるのだ!
<灼熱炎影>
影よ! この場を地獄へと変えるのだ!
<影地獄>」
巨大な影を、ヒョウガ達の足元に創り出す。
それを灼熱の炎に変えて六人を襲う。
そしてすぐ後に、同じく彼らの立つ場所に大量の影を創り出し、その影が手へと変化するや、ヒョウガ達に次々と襲い掛かってきて。
「ぐはっ…」
「ぐおおぉ…」
「こあぁぁ…」
「ごあぁぁ…」
「ごあぁぁ…」
「ゴあぁぁ…」
彼らはそれぞれが攻撃を食らい、熱いさと痛みに体中を蝕まれることに。
―――まあ、こんなんで諦めるほど彼、否、彼らの思いは軟ではない。
「んじゃあ、アミリ。能力を頼むぞ! 直ぐ俺行く。後の全員は攻撃の準備を頼む!」
「わ、分かったわよ!」とアミリが言うと。
後の四人も了解してくれて、彼の合図で全員が行動に移す。
「い、行くわよ! 能力<無重力>!」
「お‥…おい、降ろして貰えないかな」
アゼンが宙に浮く。
ーーーそこへ。
「んじゃあ、俺も行くぞ!
能力<旋風>!!」
「それは食らう訳には行けないですな……」
そうは言うものの、無重力且つ、無抵抗が為に、渦のように巻き上がった風を真向に食らい、更に高くまで飛ぶ。
先生のゼロ距離に移動したアーティナが技を発動。
「行くですの!
武装魔術<究極の光魔一剣>!!」
燐光を発する光が、突如照らしつけられた。
ーーーその光には、彼女の全てがこもっている。
その燐光を発する光が、光魔剣に降り注ぐ。
渾身の一撃で、先生に斬りかかる。
「影よ・・・・・・」
故に、技を発動しようとしても無駄で。
「行くね!
武装想像<天空の歌姫>!!」
そこへ更に、カナミが天空から舞い降りた歌姫を出現させて、音符と歌を武器に変えて体全体へ突き刺す。
二つの攻撃が先生を襲う。
「ぐああぁぁ~」
強力な攻撃を食らった先生へ、更なる攻撃を与える。
ワタシも行きます。
催鳥魔術<鷲の翼落とし>!!」
ミューフィは魔笛を吹くと、大い鷲をを出現させ、空へと飛んで行って、アゼンの直ぐ上から巨大な翼を落とす。防ぐことは出来ない。
「おああぁ~。痛い痛い。痛い痛い」
地面へと影を創り出せず、落下している途中でサラが妖精を指示を出す。
「それじゃあ、頼むよー」
「はい、マスター。了解です」
契約者の指示で動く。
「<ロテーア・アーラ・コアカルセ>!!」
妖精が呪文を唱えると、仲間の妖精たちが集まってきて、そいつらが羽を鋭い刃へと変えさせて、彼へと飛んで行く。
「ゴあああぁ~。げホげホ。ゔぇ~。ハアハア。ここまで強いとは……流石ですな・・・・・・終わるわけには行けないですが、どうも体が駄目観たいですな。私の負けだ・・・・・・」
地面へと墜落して行き、血があちらこちらから大量に流れだしており、更に、頭蓋骨は割れ、血が噴き出す胸も肋骨あばらぼねが折れ、足の筋肉も弱ってきている為、殆ど使い物にならない。
終止が着いた。
『ふ~。決着がつきました。ヒョウガ率いる450号室の皆さんも出てきてください』
運営委員会役員カラモードが指示を出すと、ヒョウガ達は外へと向かって行く。
「それでは、あの激戦の末、見事勝利を収めたのはヒョウガ率いる450号室の皆さんになります」
と彼が告げると、彼方此方から拍手が沸き上がり。
「中々良い試合になりましたな。まさか、私達が負けるとは思いませんでしたな。おめでとう。アリマ」
「いえ、そちらこそとても強かったです。ですが勝てて嬉しいです。先生」
先生が先のことを思い返しながら言うと、ヒョウガはニコリと笑って手を差し伸べてくる。その手を取った彼は力強く握り返す。
それにつられて、他のメンバーも相手と握手を交わす。
「これで君たちは決勝戦で負けても勝っても<交武祭典>《アルージェフェート》への参加が決まった。まあ、負けるつもりはどうせ無いんだろうけどな」
「ん・・・・・・!? 勿論です。どんな相手でも勝って見せます」
「だろうとは思ってたけどな。それと決勝戦の相手だが、既に決まっているからな。まあ、頑張るんだな。では私達は帰りますかな」
<交武祭典>《アルージェフェート》への参加権が確定した事を口にすると、ヒョウガは嬉しくもあり、でも負けられないと言う気持ちにもなった。
思い通りの回答が返って来て、そう言い、続いて決勝戦のことに触れてから、先生達は部屋へと戻って行く。
「んじゃあ、俺達も戻るぞ!」
「そ、そうね」
「そうだね!」
「分かったですの」
「そうしましょう」
「早く戻るよー」
全員が賛成のようで、学生寮の方へ歩いて行き、学生寮の中に入ろうとしていると。
後ろの方から声がしてきて。
「ほほほほ。皆さん、おめでとう。決勝戦、楽しみにしとるからね」
「ん・・・・・・!? 学園長じゃないですか」
声のした方へ振り向いてみると、そこには学園長がおり。
「もしかして、私達の試合を見ていたのかな?」
「勿論だ。あそこまで素晴らしい戦いをみられて、とても満足だからね」
「そ、そうでしょう」
とアミリが、無い胸を張って偉そうに言う。
「きっと、ここまで来るのに凄く努力したんでしょうね」
「その通りですの! 物凄く特訓と摸擬戦をしたんですの」
「成程。だからなのですね。ワシも同じだったんですよ!」
「そうだったんだー。やっぱり学園長は強いんですねー」
「それはそうですよ。アキラ」
学園長がうんうんと頷いて、アーティナがしてきたことを伝える。
それを聞いた彼は、昔のことを思い出すように遠い目をして語った。
アキラが当たり前のことを言ったので、ミューフィは決まっているでしょうと言う感じに言って。
「言おうとしていたことを思い出した。年って怖いもの。え~と、ワシの孫が決勝戦お相手のメンバーに居るんだよ」
「ま、孫!? 学園長の」
ーーー本当にここ迄来ちゃった。まさかあの娘が学園長の孫なんて… あんな、のとまた戦わないとなんて…
カナミだけはトラウマが有るらしくガタガタと震えていた。
その様子を知ってか知らずか、学園長は。
「それでは、ワシは帰らせて貰おうかね」
「んじゃあ、俺達も戻るぞ!」
そう言うと、学園長と別れて、ヒョウガ達は部屋へと戻って行った。




