54話 講師との戦い
次の日。ついにやって来た準決勝当日。
この日は空に雲がかかっており、気候はちょこっと肌寒さを感じる位で。
ヒョウガ達と先生の前に立つ金髪に菫色の瞳をした女性―――カラモードが、審判を務めており。
「では、僕、運営員会役員のカラモードが審判を務めさせて頂きます。アリマ・ヒョウガ率いる450号室対先生チームの試合を開始します」
「宜しくな。アリマ」
「ああ、此方こそ宜しくお願いします。先生」
試合開始の宣言をすると、先生がヒョウガに手を差し伸べてきて。それを掴んだヒョウガは、力強く握って握手を交わす。
それにつられて、他のメンバーも握手を交わす。
握手を交わし終わるとーー。
「武装展開!!」
「武装展開!!」
武装を展開する。
武装展開が終わって、其々の作戦通りに動いた。
「では、様子見と行きましょうかな」
「そうですね」
アゼンが仲間に指示を出し、美術の先生が返事をして。他の先生も頷く。
先生達は、ヒョウガ達の作戦にあえて乗っかることにしていると。
「行くですの!」
生物の先生のゼロ距離へ移動すると。
魔剣を構えて技を発動。
「武装魔術<閃光一剣>!」
「んじゃあ、俺も手始めに行くぞ」
風双刃を構えたヒョウガも続いて技を繰り出す。
「風双刃剣技<交炎刃の風>!!」
「幻となって消えて下さい!
<幻滅>ッ」
眩い光が突如照らし付けられた。
光魔剣で斬りかかる。
ヒョウガは炎風の刃で斬りかかるのだが、どちらの攻撃もまるでであったかの如く消え去ってしまい。
外側のトライアングルでは。
「それでは行きます」
魔法
笛を両手に持ち口元へ近付け、
「催鳥魔術<鷲の翼落とし>!」
「残念ですね! ミューフィさん。その攻撃は無となりますからね」
余裕そうな素振りの先生がそう言った。
「 能力<無効果>!」
ミューフィが魔笛を吹き、大鷲を呼び出す。そして天空へと飛んでいくと、グライドの所へと大きな翼を落としたのだが。
―――彼は能力を使い、効果をなくしており。意味のない攻撃となってしまい。
「では、私から行こうかな。影よ、木となり、襲い狂うのだ!
<狂影木>」
「そうはさせないよー。《エ・アノーク》!!」
―――はい、マスター。了解しました。
アキラの目の前に真っ白な妖精が現れて。
「あれを何とかしてー」
「はい、マスター」
マスターの指示に頷き返す。
そして――
「 <フローヌ・ラース・トルリニ>!」
アゼンが先程まで影だったそれを木に変えて、襲い掛かってこさせたその時。妖精が呪文を唱えた。直後、
襲い掛かって来た影木が幾つもの妖精の光を浴び、見る見るうちに朽くち果て行く。
最後には何も無くなりーー
「中々やりますな、ここまで妖精を上手く扱える人は見た事がない」
「よ、よし、準備出来たわよ! 」
低い姿勢を取っていたアミリ。
スコープからターゲットを覗き込むと。
「武装魔銃術<光焔の弾>!」
狙いを定め、引き金を引く。
ーー銃口から撃たれた弾丸。
弾丸は光と焔へ変化し、
光と焔の弾へ変化した弾はアゼンを貫通しようとするが。
「うむ、残念だったな! アミリ。影よ、鉄壁となるのだ!
<影鉄壁>!」
新たに出現させた影で、堅固な壁を創り出す。
それを盾に彼女の放った弾を打ち落とす。
ーーーそれと同時刻。トライアングルの内側のヒョウガ達の方は。
「土が蛇となりなさい。
<物質変換>」
多くの土を合わせて行き、一匹の蛇へ変身させた。
数学の男性教師は、三人目掛けて襲い掛かるように指示を出す。
襲い掛かろうとしていると。
「そんな攻撃は食らう訳には行けないぞ!」
攻撃を回避しようと動く。
「能力<鎌鼬>」
ヒョウガの能力によって、土の蛇が切裂かれてしまう。
「流石は準決勝まで来ただけの事は有りますね」
「よし、準備完了。それじゃあ、行くね」
瞑っていた目を開眼させた?
「武装想像<雷女神>!!」
感心している数学教師に向けて、カナミが雷の女神を出現させ、彼に大量の雷を落とす。
「土は鉄の壁となりなさい。
<物質変換>!」
落ちてきた雷電を、土で鉄の壁に変化させて防ぎきり。
『わ、私はそっちに行くわよ! 代わりにこっちにカナミさん見なさい』
「うん、分かった。それじゃあ、行くね!」
発信機でアミリが指示を出した為、カナミはアミリがいた外側のトライアングルへと移動し。
「そ、それじゃあ。行くわよ」
トレードした後低い姿勢で魔銃を構えた。
スコープからターゲットを覗き込んだ。
「武装魔銃術<星屑の弾>!」
狙いを定め、引き金を引く。
ーーー火薬の弾ける振動と共に、高速で回転する弾丸。
弾丸は次第に形を変え、無数の小さな星に。
無数の小さな星へ変化した弾が、発射口から発射された。
小さな星の弾丸は、瞬く間に家庭科の先生の間近まで迫る。
「んじゃあ、行くぞ」
風双刃を構えた。
「風双刃剣技<風女神の竜巻乱舞>!!」
青色の双剣から、風の女神であるアウラが出現した。
風の女神は純白のドレスを身に付けており、背中には美しい羽を生やしている。
風の女神アウラは躍り狂う。
大きな渦を巻き、竜巻を起こしながら。
竜巻は勢力を上げ、家庭科の先生を襲う。
「消しますよ!
<防御壁>!!」
家庭赤の先生は、強力な防壁を創り出すのだが。
ーーーバリバリバリバリ。
壁に#罅が生じてしまい。崩れ落ちてしまう。
「がああぁ~」
「痛い痛い。痛い。それに目が…目が回る。見ているのと食らうのではこんなにも違うのか…」
二つの技を同時に食らい、体中から流血してしまった。




