番外編 特訓模擬戦
対戦相手発表の次の日の午後二時ちょっと過ぎ。
エデロアを呼びに行ったアーティナが、少しして戻って来ると。
「それで、僕たちに何をして欲しいんだい? アーティナ」
「それはですの。アタシたちが先生に勝てるように特訓をして欲しいですの」
「・・・・」
少し間を開けた彼は、考え込む素振りをしてからこう答えた。
「一度僕たちは負けてるけど、それで良ければいいよ!」
「それでも全然かまわないですの」
「なら決定だ。手伝ってあげるよ!」
苦笑いして言ってくるエデロアに、彼女は気にしていない様子だったから、話は成立して。
「んじゃあ、早速特訓しに行くぞ!」
「そ、そうね」
「では、行こおですの!」
「そうそう」
「そうしましょう」
「だなー」
という訳で、彼らはバトル施設へと向かう。
階段を上がって行き、四階まで上がり終えると、早速中に入る。
「それじゃあ、一対一で特訓をしようですの」
とアーティナが、何時の間にかヒョウガの役目を奪って、武装展開済みの皆に伝えて。
それぞれが#一対一__ワンツーマン__#での特訓を開始させると。
まずはミューフィの所で、相手は水色のバーストヘアの青年らしい。
「何時でも良いからな」
「分かりました。宜しくお願い致します」
水色のバーストヘアの青年が、ミューフィに向けて合図を送ると、律儀に挨拶をして。
「では、行きます。
催鳥魔術<鷹の爪>!」
彼女は魔笛を吹くと、大鷹を呼び出す。
そして彼に向い大爪を剥けるが、二丁拳銃でバンバンと青年は撃つ。
すると大鷹は姿を消してしまい。
「まだまだだな。もっと強くならないと先生にボロボロにされるからな」
「その通りです。もっとワタシを強くしてください」
「了解」
と言うことで、ミューフィを強くすることに彼は承知した。
次にアミリの方は、黒髪ツインテールの少女――マロリスが相手のようで。
「い、行くわよ!」
「うん。良いよう」
何分か経ち、準備が整ったアミリが短くそう言う。
それを見いて彼女もOKのサインを出す。
「武装魔銃術<氷雪の弾>!」
彼女が氷と雪の一つになった弾を、マロリスの元へと放つ。
「がああぁ~。痛い痛い。痛いよう。でもう、技の威力が弱いかな。もっと力を加えた方が良いよう。先生相手なら尚更ねえ」
「そ、そうかしら。分かったわよ! そうしてあげる」
攻撃を食らった彼女は、アドバイスをアミリにしてくれ、それを受けてもう少し良くしようと彼女は言う。
そして次に、サラの相手をジュディアがなり。
「うん。じゃあ始めよう」
「分かったよー」
そう言うと、ジュディアは攻撃の準備に入る。
「バローラ・スィティ—ル」
「行くよー。エアノーク!」
―――はい、了解です。マスター。
呪文を唱えるジュディア。
そして魔方陣を、地面に出現させる
玉を接触させて、サラの足元にまで広がって行く。
同時にサラの目の前に、白一色の妖精を出現させ。
「マグーマ・ドロップ」
「何とかしてよー」
「はい、分かりました。
<ソルーム・ノーユ・エラル>!」
岩しょうをを空へと出現させて、彼女が立っている所に落とす。
妖精は呪文を唱えると、落としてこようとしたマグマに鍵を掛けて封じ込む。
その後妖精が叩き潰してしまい。
「流石は妖精使い! でも先生には通用しないかも? けど、先生ですらあまり詳しく知らないからどうなんだろ??」
「そうかなー。もっと強い技を習得しないと駄目だよなー」
「それなら手伝う」
その言葉を聞き「ありがとー」と、ジュディアに向けてお礼を言う。
そして次に、カナミの相手を赤髪の青年がなると。
「それじゃあ、凄く痛くしてね」
「凄いドⅯなんだね。分かったやってあげるね!」
などと言ってから、何分か目を瞑って集中をしてから。
「準備完了。行くね! 武装想像<#雷神#__ユピテル__#>
カナミが雷電を起こす神を出現させると。
手に持つ雷太鼓を鳴らして、攻撃を仕掛けてきて。
「ビリビリビリ。ぐあああぁ~。痛い痛い痛い痛い。けど気持ちいい。痛くて気持ちいい」
満面な笑み、但し気持ちよさそうな顔で言い。
その次に、俺と爆弾少女と戦うことになったらしい。
「それじゃあ、ハジメようね!」
「ん・・・・・・!? ああ、行くぞ!」
そう言うと直ぐに、ヒョウガは技を発動し。
「武装二刀剣奥義<交炎刃の風>!」
炎が交じり合って炎風になったそれが、少女へと襲い掛かり。
少女は防ごうと爆弾を投げるも、炎風の刃の前には歯が立たず。
「がああぁ~。熱いアツい、アツい熱い。痛い痛い痛い」
彼の攻撃を食らい、彼女の体は暑さと痛さで支配されてしまう。
最後にアーティナの特訓相手はエデロアだ。
「それじゃあ、行くですの!」
「ああ、何時でも良いよ!」
アーティナが合図を送ると、それを受け取った彼は何時でも良いと言葉を返す。
そして少女は、ゼロ距離に瞬間移動する。
「武装魔術<究極の光魔一剣>!」
#燐光__りんこう__#を発する光が、突如照らし付けられた。
その燐光の光が、光魔剣に降り注ぐ。
渾身の一撃で、彼に斬りかかる。
「武装手甲鉤<燃焼の壁>!!」
彼はある筈の無い火を手甲鉤から出現させて、彼女の攻撃を燃やし尽くそうとするも。
「ぐおおおぁ~。痛い痛い。痛い痛い。流石だ。アーティナ」
防ぐことすら出来ずに、諸に攻撃を食らってしまう。
その後も全員の特訓は激しさを増していきーーー。
「ぜえ~ハ~ぜえ~ハ~。今日の所はここまでにしておくぞ!」
疲れ顔で特訓の終わりを告げるヒョウガ。
そこに他の皆が息を切らしながら集まってくると。
「す、凄く疲れたわよ!」
「本当そうだね・・・。何時もの特訓の二、三倍くらい疲れたね」
「体がクタクタですの!」
「ワタシも同じです」
「ハ~ハ~。ウチも凄く疲れたよー」
五人が疲れていることが伝わってくるように言って来ると。
「ハ~ハ~。僕の疲れたな」
「こっちもだ」
「凄く痛くて気持ち良過ぎた」
「体のあちこちが痛いよう」
「楽しかったけど、魔法を使い過ぎた。体が痛い」
「カラダが痛い。これはヤバい。筋肉痛かな?」
エデロアたちもまた、皆が皆疲れていることが一目で分かる程に疲れ切っており。
全員が当たり前のように疲れ切っている為、自分たちの部屋へと戻って行くことに。




