7話 練習
学園の中のBエリアにある競技場にヒョウガ達はいた。
カナミ達は外でただただ戦いの行方を、じっと見守る。
―――競技場の周りは、安全防御壁が透明ながらも設備されてる。外に出れば傷は癒え無傷の状態にまで回復する。但し心の傷は残ってしまう。
中にいるヒョウガとアミリの制服がバトルウェアへと自動で変化した。
同じくライディスも衣装がバトルフェアへ変化し…
「武装展開!!」
「武装展開」
武装展開とは、自身と契約した武器を空間から出すこと。
武器は契約をすることによって武器が登録されて、登録された武器であれば自由に出すことが出来る。
例外を除き、武器は武装展開を行わないと出すことが出来ない。
「行けぇ~お前ら」
ライディスの持つ漆魔刀剣が、誰かに指示を出した。
刹那ーーー上空に複数の悪魔が空間を裂いて姿を現した。
ざっと数百体はいるだろうか。
「手始めと行きますか」
「れ、練習相手に丁度良いわね」
ヒョウガとアミリの二人は、武器を構えて攻撃を開始し、
アミリの武器は魔銃である。
スコープからターゲットを覗き込んだ。
「武装魔銃術〈氷炎の弾〉」
狙いを定め、引き金を引く。
ーーー銃口から撃たれた弾丸。
撃たれた弾丸は、氷と炎へ変化する。
氷と炎へ変化した弾丸が、数体の悪魔を一度に撃ち抜く。
撃ち抜かれた悪魔は、灰となって消えた。
ヒョウガの武器は、風双刃。
二つの双剣を構えたヒョウガは身を捻り、
「風双刃剣技〈風女神の竜巻乱舞〉」
青色の双剣から、風の女神であるアウラが出現した。
風の女神は純白のドレスを身に付けており、背中には美しい羽を生やしている。
風の女神は躍り狂う。
大きな渦を巻き、竜巻を起こしながら。
竜巻は勢力を上げ、悪魔の中心を直撃。
竜巻に呑まれた悪魔は、次々と墜下していく。
地面と衝突し、灰となって消えた。
「ま、まだまだいるわね。次行くわ」
スコープから次なるターゲットをロックオンして、
「武装魔銃術〈猛火の弾〉」
狙いを定め、引き金を引く。
ーーー銃口から撃たれた弾丸。
撃たれた弾丸は、激しく燃え上がる烈火へ変化する。
烈火へ変化した弾が、群がった悪魔を焼き尽くしたのだ。
「よ、弱いわね」
弱い相手ばかりで退屈そうだ。
風双刃を構えたヒョウガは、構えの姿勢を取りーー。
「風双刃剣技〈風の女神風斬り〉」
天空から風の女神が華麗に登場。
何処からかアウラは二つの美しい刀剣を出現させた。
二つの刀剣で斬る仕草に合わせ、風の女神は美しい二つの刀剣を振り下ろす。
美しき刀剣が、悪魔を斬りつけた。
『あれだけの量をここまで減らすとは中々やるぜぇ』
見れば数千体はいた悪魔が、二十体にまで減っていた。
「こ、これで終わりよ」
スコープから次なるターゲットをロックオンし、
「武装魔銃術〈紅炎の弾〉」
狙いを定め、引き金を引く。
ーーー銃口から撃たれた弾丸。
撃たれた弾丸は、紅の炎へと変化する。
紅の炎へ変化した弾が、左右を飛び交う悪魔を貫通し焼き払う。
「こ、これで全部よ」
「中々やるな、アミリ」
「と、当然でしょ」
数千体の悪魔悪魔をたった二人で一掃して見せた。
ヒョウガに誉められたアミリは嬉しそうだ。
「流石だね、今度は僕の番だ」
驚くことなく、続いてライディスが動き始めた。