52話 野望と復讐
ヒョウガチームととエデロアチームとの一戦があった日の二日後。
残り四チームとなり準決勝の相手を決める日となっており。
ヒョウガ達は何時もより早く物事を済ませて、掲示板へと向かうと。
「来ましたね! 皆さん」
「ん? 何でこんなに先生がいるんだ? 四チームしか残ってないのに?」
「フフフ。それは違います」
「じゃあ」と彼が首を傾げているのを見たアゼンは。
「私が説明しよう。私のチームと四戦目を戦ってもらおうということだ」
「せ、先生と戦うって・・・・冗談がキツイわよ! だって、学生寮の学生しか出られないはずよ」
「それがちょっと違うんですよね」
それが確かであることを、ヒョウガ達に美術の女教師が説明をして。
「そう言うことだとは知らなかったんですの!?」
「本当そうだね」
「納得しました。宜しくお願い致します」
「まさか先生が、優勝か準優勝をしたら、選手として出られる何てなー。もし負けても、その中の誰かが<交武祭典>《アルージェフェート》に同行できるなんてー」
ヒョウガ達は先生の説明を聞くなり、四人がそう言う反応を見せ。
残りの二人は「ホ、ホント運営委員会は何てこと考えてるのよ! でも決まったものは仕様が無いわね」とアミリが。「そうか。納得した。良いぞ! 受けて立つ」とヒョウガ。二人が先生を敵としっかりに認識し、
「#因__ちな__#みに君たちは何のために優勝を目指してるんですかね?」
「ん・・・・・・!? それは勿論優勝賞金の為だぞ! 他の何のためでもなく」
[[[えっ!?]]]
彼の言葉を聞いたカナミ達が、驚きの余り叫んでいまう。
「そ、そうだったわけ!? 私はてっきり良い思い出を作るのかと思ってたのに…」
「アミリちゃんは良心だからああなっちゃ駄目だからね」
「も、勿論ならないわよ! 絶対!!」
「おい、待てよ! 今では違うぞ! 超えた先になにがあるかを全員で見たいんだ」
「超えた先にあるものですの?」
ヒョウガのいうことが分からず、アーティナは聞き返す。
「分かり易く言うと、今まで弱いと思い込まれていたチームが優勝だぞ! 凄い事になるに違いないんだ。それを目撃っしたやつらがどう思い、どう感じて、どう接してくるのかということだぞ!」
「・・・・・・それは確かに凄い事になります。恐らく今まで以上にいい意味で有名になります」
「い、今ではそう思っていたわけ!? まあ、超えた先にどんなことが待ってるのか気にならくも無いわよ!」
「だろ!」
彼の野望を聞いて、ミューフィとアミリが答えた。
その返答を聞いたヒョウガは真顔でそう言う。
「そう言う先生達は何で目指してるんだ?」
「一言で言うなら#復讐__リベンジ__#ですな」
「ん・・・・・・!? てことは・・・・・・」
「一度私も出たんだけどな。一回戦で惜しくも敗退してしまったのだ。凄く悔しい思いをさせられた。だから強くなるためにいろいろしてきたという訳だ。だから、決勝までは行かないといけない。そしてそこで優勝して、<交武祭典》《アルージェフェート》に参加する。それからそこで今度こそは最後まで行って、私たちの実力を見せつけて、この学園がさらに良くなるようにすることなのだ」
彼の問いに対して、アゼンは、唇を強く噛んで強い一言を口にする。
それの意味に気付いたヒョウガの言葉を遮って、先生は言葉を紡ぐ。
「んまあ、俺達も負けるつもりは無いぞ!」
「それはそうでしょうな。君たちの野望がそれなら尚更」
彼の力強い言葉を聞いて、思っていたような言葉が出てきて、先伝えた思いを取り沙汰にされてしまい。
「話はこれまでにして。では、三日後の午前十時に競技場にて準決勝となります。もう戻って下さい」
先生に促されて部屋へと戻って行く。
部屋に戻ると、早速彼が何をしようかと考え込んでいると。
「今回は今までで一番の強敵だもんね!」
「でしたら、`彼ら´に手伝ってもらおうですの」
「ん・・・・・・!? それはありだぞ」
カナミのもっともな言葉を聞いて、アーティナがそう提案してくる。
ヒョウガの賛成もあり、彼らの協力は決定となり。
「それじゃあ、アタシが呼んでくるですの」
「んや、今日は駄目だ。明日にするぞ!」
「了解ですの」
こうして彼らの予定が埋まり。
その代わりにこれからの予定は空白になってしまい。
「そう言えばさ。アゼン先生のチームってどんな戦い方するんだろー」
「そ、そう言えば知らなかったわね! 私の担任の先生なのに・・・・」
―――ぜ、全然イメージが付かないわよ! 授業を教えているところか、お話をして居る所しか出て来ないわね。
う~んと考えるも駄目らしく。
「それじゃあさ、皆でこっそりと観に行くのは如何どう?」
「それは良いアイディアです」
「んでも、全員で行くのは危険だぞ! せめて、三人だけで行くなら構わないぞ」
相手の偵察へ行くことには反対な態度は見せず。
ジャンケンで決めることになった。
「さて、彼らは如何来ますかね。とても気になりまして」
「そうだな。試合を見ていたから相手の動きについては大丈夫だ」
「まあ、相手としては楽しめそうですがね!」
先生達は、ヒョウガ達のチームについてあれこれ言っており。
そして今先生達がいるのはバトル施設四階だ。
先生達の会話に聞き入っていた負けた三人は。
「やっぱり、行動パターンはバレバレだね!」
「その様です」
「そ、それじゃあ、どうやって戦えばいいのよ?」
「それはヒョウガが何とかしてくれるからね」
これまで何とか乗り越えられたからこそ、彼なら今回も乗り越えさせてくれると期待をしているらしい。
「鏡に映し出すのだ。
<#鏡映__ミラート__#し>!」
アゼンが呪文らしきものを唱えると、目の前に入り口が映り出され。そこにはカナミ達が映っており。
「彼らのメンバーが偵察に来たみたいですね」
「やはり来ましたね! 僕らの戦いが気になるようですよ!」
「でしたら、真面目にやらなくてはですな」
そう口にした直後、他のメンバーに指示を出す。
「閃練して下さいね!
<#錬金閃剣__アルケミライトソード__#>!」
「打ち消しますよ!
能力<無効果>!」
美術の先生が、錬金閃剣で斬りかかるも、古代文の先生が、あたかもそんな剣が無かったかのように消し去ってしまい。
「影炎で包み込むのだ!
<#包囲影炎__クロスキアーフレーム__#!」
アゼンが、家庭科の先生の足元に大きな影を創り出す。
そして彼女の周りを、影の炎が包み込む。
「がああぁ~。痛い痛い痛い。それに熱い」
攻撃を食らい、痛みと熱さが体中を襲い。
「僕も行きますよ! 金刀を食らって貰いますよ!」
古代文の先生―――グライドは、手に持つ黄金色の刀で、生物の先生へと斬りかかり。
「ぐおおおおぁ~。痛い痛い。痛い痛い」
彼の攻撃を食らった生物の先生は、腹や胸から血を流す。
その光景を見ていた三人は、呆気に捉われており。
漸くして我に返ると、先ず口を開いたのはミューフィだ。
「流石は先生達です。もの凄く強いです」
「こ、こんな強い先生達と戦うなんて勝算は薄っぺらいわよ」
「あれが先生たちの戦いなんだね! 凄い」
彼女に続き他の二人も思い思いのことを良い。
「も、戻るわよ!」
とアミリが早口で言い、後の二人とともに部屋へと戻って行く。




