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この運命を天使《キミ》と共に  作者: 事故物件住まいの伽藍鳥
3章 越えた先の結末
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51話 届いた一撃

「ワタシも行きます」


魔笛を口元に近付けた。


     「催鳥魔術<鷲の(イーグル)翼落とし(アーラドロップ)>」


 ミューフィが魔笛を吹くと、巨大な鷲を呼び出す。そして空へと飛んで行って、水色のバーストヘアの青年の頭上までいき、それから大きな翼を落とす。


 「武装二丁拳銃技<二重の(ダブル)雷銃丸(サンダーブレット)>!」


 彼は鷲に二つの銃口を向け、引き金を引いて弾を放つ。

 その弾は、強烈な雷で大鷲目掛けて落とすのだが。

 そんな抵抗は意味を為さない。


 「ぐあああぁ~。痛い痛い。痛い痛い。これはキツい」


「そしてこれで終わりだね! 


目を開眼させたカナミ。


「武装想像<七本の神剣>!!」



カナミの目前に、想像していた七本の神剣が出現した。


想像者の合図で、青髪の青年目掛けて飛んでいく。

ーー回避などする間もなく。


 「ゔおおお…」


全身を突き刺されてしまい。



「駄目だ。ここで・・・・・・終わるなんて・・・・・・情けないのに・・・・・・」


 飛んで来た七本の神剣で体中を突き刺されてしまう。

 今にも逝きそうな擦れた様な声で言う。


 バタン、最後には倒れ込んでしまう。


「あああ、サンニン共やられちゃって。それじゃあイコウか! 」


と言うと。


「武装爆弾術<水素爆弾>!」


 いつの間にか少女の手に、爆弾が握られていて。


 その威力の凄まじい水素爆弾を、ヒョウガ目掛けて投げーー


ドカーンドカーン。


 爆ぜる。二つの爆弾が命中して爆ぜる。


 「何かカンタンに行った気がする。まあ、これでキマリだね! Aランクの私のバクダンを食らったんだから」


 「痛いぞ! 流石Aランクの奴の武器だけあるぞ!」


 「そのワリに痛そうじゃない!?」


 少女の言う通り、彼には目立った外傷はあまり見当たらない。

 強いて言うなら擦傷を負っているくらいだろう。


 ーーーその頃。今にもヤバそうなアミリの所へと、アキラが駆け付けてから。


 「これは凄くヤバそうだよー」


 「マスター。私に任せて下さい」


頼もしい妖精の声。


「 <アル—ル・ピオラ・ヒールア>!!」


 妖精が呪文を唱えると、幾つもの謎の光が出現して、アミリへと降り注ぐ。


すると。


 「た、助かったわ! ありがとう」


「どう致しましてだよー」


 目を覚ましたアミリは、傷が完全に癒えて万全な状態に戻りだ。


 アキラに素直に感謝を伝えると、彼女は嬉しそうに言葉を返す。


 「ジュディア、エデロアさん。サクセンヘンコウしようか、こっちに集まって」


 『分かった。行く』と桃色の髪の少女――ジュディアが答え、『仕方ないよ! 了解』とエデロアが不満顔で言う。


二人に発信機で伝えてから。


 二人は少女の元へ向かい。カナミ達もヒョウガの方へと向かう。


「これでも食らって! バローラ・スィティール」


 呪文を唱えるジュディア。

そして魔法陣を、地面に出現させる。

 玉を接触させて、二人がいる所にまで広がって行くと。


 「き、気を付けなて! それはヤバいんだから」


 「そう言われても、もう駄目みたいだね!」


 「ワタシもカナミ先輩と同じです」


 アミリが注意を促すも、事は遅く二人とも足が動かせれなくなっており。


「マグ―マ・ドロウプ」


 岩しょうを空へ出現させて、二人へと落とす。


 ーーー外からの攻撃は魔法陣内では無意味で。


 「がああぁ~。熱い熱い。それに痛い痛い。痛い」


 「あああぁ~。熱い熱い。溶けそうです。それに痛い痛いです」


 二人共マグマを食らい、熱さと痛みが体中を襲う。


 「成程ね。痛い痛い。ミューフィちゃん、試してみたいことがあるんだよね」


 「上手くいくか分かりませんが了解です」


 ミューフィの耳元でナミが囁く。

 すると少し考え込んでから了解を得れた。

「何を考えて・・・・・・まあ良い」


こそこそ話し始め気になる様子だがスルーするようだ。



「バローラ・スィティール」


呪文を唱えるジュディア。

そして魔方陣を、地面に出現させる。


「今だね! 」


瞑って想像していたカナミが、目を開眼させた。

想像していた三つの機関銃が目前に出現する。


   「武装想像<三つ(トリプル)機関銃(マシンガン)>!!」


魔笛を構えたミューフィは、口元に近付けると。


「催鳥魔術<鷹の爪>!」


魔笛を吹いて大鷹を呼び出す。


 「では、カナミ先輩。行きますね!」


「うん、良いよ!」


「合体して下さい!」


 と、大鷹に指示を出すと、三つの機関銃と合体を試みて。


 背中に一つ。翼に一つずつ機関銃を装着すると。


 ーーーバンバン。バンバン。バンバン。


 放たれた弾が、魔法陣、更にジュディアへと飛んでいき、命中。


 発動中だった魔術が停止し、彼女も銃丸を食らい。


 「あああ、ああぁ~。痛い痛い痛い」


 ジュディアは銃丸を浴びて体中を激痛が襲う。


「止めを刺すね!」


「はい、お願いします」


再び閉じて想像していたカナミが目を開眼させーー


「武装想像<終焉(ファン)騎士(シェヴァリエ)>!!」


想像していたものが姿を現す。

そこにいたのは黒一色に染め上がった騎士。

左手には一振りで死を招く'獄焉絶剣´を握り締めて彼女を切り裂く。


 「がああぁ~。うゔぇ~。げホげホ。いだあい。痛い。痛い。痛い。ここまでか・・・・・・」


斬りかかられたジュディアは、先よりも更に多くの血を流す。


バタン、その場に倒れ込む。



 一方。その試合を観戦していた人たちの反応はというと。


 「流石ヒョウガ先輩の居るチームだ。今回も中々凄い」


 「このままここを勝ち抜いて後一戦して決勝に行って欲しいね」


と、二人の少女が呟く。


 「思った通りださ! ヒョウガは凄い奴だったださ!」


「そうだべえな」


 「ふん。彼奴らの勝ちは決まりだな」


 ルゼイン達男性陣が、観て思ったことを口にして。


 「フハハハハハ。我の神の目で見たところ、強き愚者がいるチームの勝ちが決まりそうだ。アキラの妖精(フェアリー)(レベル)(アップ)しているだと!?」


 「はああぁ~。眠い。凄く眠い。こんな戦いはつまらない」


 「・・・・・・楽が一番・・・」


 テナ、ケリアス、、パラテイーナも見て感じたことを伝える。


 「アゼン先生の所のアミリさん、危なかったですね」


 「そうだったけど、グライド先生の所のサラに救われたよ」


 「ですよね! 今回は、ミューフィさんも活躍していましたがね」


 美術の女教師が、右隣で観戦しているアゼンに声を掛けると、確かにそうだと頷いて宇グ後ろで見ていた先生に向けてそう言う。

 それを聞いて、太り過ぎの古代文教師―――グライドが、来た来たという顔で応じて、別の少女の間前を出して称えた。


 「次の戦いはそうはいきませんがね!」


 と美術の女教師が、意味深にそう呟く。


そして話は試合に戻る。


 「アーティナは僕が相手する」


 「分かった。後の奴は、私がアイテする」


 エデロアは、少女に一言だけ伝えると、後は任せろという意味と受け取り行動に移す。


「イクネ」


そう言って技を発動する。



「武装爆弾術<砲煙爆弾>!!」


 少女がヒョウガ達に投げて来たのは、砲煙の爆弾で。


 「ソレだけじゃナイよ!


と意味深に言うと。



「武装爆弾術<雷爆弾(トネーボンブ)>!」


 彼女が次に投げて来たのは、膨大な雷の爆弾だ。


 それがヒョウガ達の所へと飛んでいくのだが。


「妖精、何とかしてー」


 「またあれですか。分かりました」


契約者の指示が出されると。



 「<ソルーム・ノーユ・エラル>!!」


ーー妖精は呪文を唱えた。

飛んできた爆弾を封じ込む。

 そして封じ込めた爆弾を、容赦なく叩き潰す。


「僕も行くよ!」


と言い放つと


   「武装手甲鉤技<高速殴り>!」


エデロアは、アーティナへ攻撃しようとする。

しかしそこにはもう彼女の姿はない。


「ん? 何処だい?」


 彼が意味のない攻撃をしてから、彼女の姿を探す。

すると。


「ここですの」


 後ろからアーティナの優しい声が聞こえて。


「流石だ! アーティナ」


 そして彼女は、攻撃態勢に入ろうとしていた。


 同じ頃。ヒョウガ達はというと。


 「もうイチド行くよ」


再び仕掛けた。


「武装爆弾術<水原爆弾>!!」


「皆を守ってー」


 「分かりました。消えて下さい! 目障りです


契約者の指示が出されると。



「<ソルーム・ノーユ・エラル>!」


 飛んで来た沢山の水素と原子の爆弾を融合した奴を、鍵を掛けて封じ込むと、妖精がまた叩き潰す。


しゃがみ込むアミリはライフルを構える。


「い、行くわね」


スコープからターゲットを覗き込んだ。


「武装魔銃術〈星屑の弾〉」


狙いを定め、再び引き金を引いた。


ーーー火薬の弾ける振動と共に、高速で回転する弾丸。


弾丸は次第に形を変え、無数の鋭い星に。


星に変化した弾丸は発射口から発射された。


鋭い無数の星の弾丸は、少女の脇腹を撃ち抜く。


 「私も行くね!」


瞑っていた目を開眼させたカナミ。


「武装想像<竜王剣(ロワドラールペ)>!!」


カナミが想像していたものが目の前に姿を現す。



 「ワタシも行きます」


魔笛を構え口元に近付けたミューフィ。



「催鳥魔術<鷲の翼落とし>!」


魔笛を吹くと一羽の鷲が大空に姿を現した。


「んでもって、これで本当の本当に終わりだぞ!」


風双刃を強く握りしめてーー


 「風双刃剣技<疾風迅雷二刀斬り>!!」



ヒョウガは疾風と激しい雷を起こして切裂く。


計四つの技が少女を襲う。


 「ぐおおおおぁ~。がああぁ~。ゔおおおお~。げホげホ。げホげホ。げホげホ。はあはあ、な・・・・なんてことだ。・・・・・Aランクの私が・・・・ゔおおお~。ココまで・・・・・・」


バタン、その場に倒れ込んだ。


 それと同時刻。アーティナの方も。


 「アタシも行くですの!」


アーティナは光魔剣を構えーー


    「武装魔術<究極(アルティメット)光魔一剣(シャイニングバース)>!!」


「そうはさせないよ!

       武装手甲鉤技<消滅の壁>! ッ・・・・」


 燐光を発する光が、突如照らし付けられた。

 ーーーその光には、今の彼女の全てがこもっている。


 その燐光を発する光が、光魔剣に降り注ぐ。

  渾身の一撃で、エデロアに斬りかかる。


 それを阻止しようと、技を発動するのだが


ーーーがががががが。


 「噓だよね!? あああぁ~。がああぁ~。痛い痛い。僕が好きになっただけあって強い・・・・・ゔゔぇ~。げホげホ。僕の負けだよ・・・・・・」


 彼女の斬撃を思いっ切り食らったことで、体中から血が溢れ出す。


 初めて当たった攻撃は、止めの一撃となった。


バタン、その場に倒れ込む。


 「アタシの方がきっと、もう貴方が思う以上に好きですの。だから、アタシには勝てないんですの」


 と、アーティナは消えゆくエデロアへと言い聞かせた。


 『試合終了ですよ! アリマ率いる450号室のも出てきてください!』


 先生の指示に従って、彼らは外に出て行く。


 「見て解るようですが、勝者はアリマ率いる450号室ですよ!」


 ヒョウガ達の方を先生が指して、勝者を発表すると。


 「おめでとう。アリマ・ヒョウガ」


「ああ、ありがとう!」


 エデロアが差し伸べて来ると、彼の手を取って握手を交わす。

 他のメンバーもつられて握手を交わす。


 「アーティナ。次の試合も頑張ってね! そして決勝戦に行ってね」


 「ありがとうですの! 勿論良くですの。決勝戦へ」


 「でもまあ、決勝戦には必ず奴らが出え来ると思うよ!」


 あの後、皆に先にかいって言ってもらい、アーティナとエデロアは、ベンチに座ってお話をしていて。


 「あいつらって言うと、確か学園ランキング1位の少女の居るチームですの」


 「そう。学園ランキング1位の子がいるチームは、ヤバい奴らぞろいなんだよ!」


 「それは確かに相手になりそうですの!」


 「でも、大丈夫だよ。だって君な・・・否、君たちならきっといける。彼氏として出来る事なら何でも協力するよ!」


 二人の会話で、何打も不穏な単語が飛び交う。


 彼はヒョウガ達の勝利を信じているようだ。まだ一戦がるというのに。


 「それはとても助かるですの! それからこれからも宜しくですの」


「それは勿論だよ!」


 「それじゃあアタシは戻るですの」


 「ああ、分かったよ。じゃあね」


「じゃあねですの♪」


 と言って、アーティナは部屋へと戻って行く。


 少し遅れて、エデロアも自分の部屋へと戻って行った。


                   ****


 時間はヒョウガ達の試合が終了した直後に遡り。


 「まさか!? まぐれとは言え、3戦目を突破するとはなのじゃ。アリマ・ヒョウガ。最近の噂通りの奴なのじゃじゃ」


 「そうだね! リー。思った以上に強いね! そう言えば……」


 「言おうとしていることは分かるのじゃ。だってあの人は、真面目にやっていれば妾と同じSランクなのじゃから」


 驚いた表情を見せるのは、学園ランキング1位の幼女―――リーフ・チェレヌ。

 その隣で観ていたのは、学園ランキング4位の少女―――ミカネ・コロネ。


 コロネが言おうとしていた言葉を遮り、リーフが彼女が言おうとしていたことを代わりに言う。


 「て事はリー。もしかして次の試合も」


 「分からないのじゃ。そう上手くはいかないのじゃじゃ」


「でも楽しめそうだね♪」


 「そうなのじゃね。後の皆もこればよかったのじゃじゃ」


二人は楽しそうに笑った。

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