48話 お互いの気持ち
ゴミ箱は、ヒョウガ達が居る所から、少し離れた所にある。
そして、ゴミを捨てているアーティナに誰かが近付いて来て。
「やっぱり君じゃないか。アーティナ」
「エデロアですのね」
「機嫌が良くなったんだ」
「場所を変えては無そうですの」
後ろを振り向くや否、声の主の名前を呼ぶ。
ナード・エデロア
身長:172cm
全ての原因である彼が、胸を撫で下ろしてからそう言葉を返す。
それを聞き流して、アーティナは彼に場所の変更を伝え。
彼女が指定した場所は、薄暗くて日差しが余り差し込まない路地裏。
「君が話ししたいってどういう内容だい?」
「そ・・・・・・その昨日は・・・・うんうん。あの時は約束を忘れていてご免ですの。許してくれないと思うですけど、本当にご免ですの」
「今更それかい。何で今なんだい。アーティナ」
エデロアから、きょとんとした顔で聞いて来ると、目を合わせないようにして心の底から謝る。
その懺悔を聞き終えた彼は、冷たい声でそう言う。
「怖かったんですの。ぐすっぐすっ。会うのが怖くて、凄く終わかったんですの。だから、エスカレートしてしまったのはアタシが原因ですの。ぐすっぐすっ。それで昨日声を掛けられた時、凄く凄くこわあったんですの。恨まれてるんじゃないかって、憎まれてるんじゃないかって。それであんな態度を・・・・」
「そうだったんだ。僕は唯、君のことが好きだったんだよ。そこまで君を苦しめていた何てだよ」
「貴方の気持ちはとっくに気付いてたんですの」
アーティナが理由を語ると、エデロアが、自分の言動は ゛愛の為"だと伝える。それが苦しめることになっていたと知り。
ーーー彼は口を開き…
「僕はあの日、伝えようと思っていたんだ! 君への気持ちを」
「・・・・・・」
「君が来るのをずっとずっと待っていた。でも来なかった。それが答え何だと思ったよ。だから君に振り向いてもらおうと思っていたんだ」
「それは違うですの! 今から出良いですのね。今から気持ちを伝えるですの」
アーティナの言葉を聞いて、「え? 今からかい!?」と違うという言葉より先に、そっちに反応してしまう。
彼女は、大きく息を吸ってから吐くと同時に、言葉を放つ。
「エデロア。貴方に最初に話しかけた時は、ただいつも一人でいた寂しそうで気になって話しかけただけだったんですの。でも話している内に、貴方といると言葉に表せない気持ちになってしまっていたんですの。話し掛けられた時、凄く胸がドキドキしていることに気付いたんですの。それに、胸を締め付けられるほど苦しくなったんですの。屹度これはあなたのことが好きになってしまっているんですの。そう気付いてしまったんですの。貴方がアタシのことが好きって知った時は、凄く凄く嬉しかったんですの。好きな人に好きって言われた時は、とてもとても嬉しいんですの。それがアタシの気持ちですの」
「そうだったんだね。僕のことをそこまで思っていてくれたんだ。と言うことは、僕と君は両想いになっていたということだね」
アーティナは、自分の思いの丈をエデロアにぶつけた。彼はそのことに驚きつつ、そう嬉しそうに言う。
「良いですの。貴方と付き合っても」
「本当に良いんだね。こんな時期になっちゃったけど」
「そうですのね。でも別れるつもりはないので、何とかするですの。後、次の試合は絶対負けないですの」
「それは本当かい!? 嬉しいよ! それと僕の方も負けるつもりはないよ」
九月も半ばに入ったこの時期の告白に、OKが出た。
別れず、このまま付き合い続けるようだ。
だからこそ、別れずに済む方法も考えないと行けない。
続いて、バトルの方に対して、手抜きは一切しないとお互いに誓う。
それから二人は路地裏を抜けて、二人は分かれる。
―――遅くなっちゃったですの。皆が心配してるですの。急がないと。
アーティナは先昼ご飯を食べた所へと急ぐ。
「あっ! 来たよ! ヒョウガ」
カナミが、ヒョウガの後ろからやってきたアーティナに気付き、彼に伝える。
「何か嬉しそうだぞ! 何かあったのか? アーティナ」
「それはですの。彼と縒よりを戻したんですの」
「そ、それって告白されたって事じゃないでしょうね? こんな時に。相手なんだからね。手抜きは許さないんだから」
「あれはどちらかというと、アタシが気持ちを伝えたって感じになったですの。勿論手抜きするつもりはないですの」
アーティナのニコニコ顔が気になり、ヒョウガがが聞いて来ると、関係の修復をしてきたという。
それを聞いたアミリは、まさかと言う顔をして思ったことを伝える。
彼女は少し違うと伝えて全然大丈夫だと言葉を返す。
「それは良かったですね。幸せそうです」
「そうだよー」
ミューフィとサラは嬉しそうにそう言う。
「んじゃあ、学園に戻るぞ!」
その声を合図に、彼らは学園の方へと戻って行く。
十分ほど歩くと学園へ辿り着い て、その儘学生寮へと戻る。
その後、部屋でのんびりと時間を過ごす。
そして時間は過ぎて行って、薄暗い夜が訪れ。
アミリがお風呂を入れてから、夜ご飯を食べる。
メニューは、ご飯、マッシュルームのスープ、トマトサラダ、マグロステーキだ。
皆が美味しそうに食べてからてから、食べ終わると一人一人お風呂に入りに行く。
何時もの様に、彼は皿洗いをして、机を拭き終ってからお風呂に向う。
何十分か経ってから、彼は出てくると、歯磨きをする。
シャカシャカ。シャカシャカ。シャカシャカ。シャカシャカ。
綺麗に歯を磨き終ると、嗽をして口を拭く。
それから寝室に向い、寝る準備を済ませて。
「んじゃあ、寝るぞ!」
そしてヒョウガが言うと、皆が「お休み」と言って眠りに就く。
ここうして一日が終わりを終わるを迎える。
次の日。朝からヒョウガ達は特訓を競技場でしていた。
「んじゃあ、ミューフィ。何時でも良いぞ!」
「はい、宜しくお願いします」
この前約束した通り、ヒョウガはミューフィに強くなる特訓を施している。
「催鳥魔術<鷹の爪>!」
魔笛を吹いたミューフィが、大鷹を呼び出すのだがーーー
「技を発動するのに時間が掛り過ぎだ。呼び出すのを短縮させるんだぞ!」
ヒョウガがミューフィに指摘する。
「やって見ます」
とミューフィが、ヤル気を見せる。
もう一度。
ピィ――――ッ、ピッ!
先よりはスピードは速い。でもまだ速い。
「まだ遅いぞ! もう一回だぞ!」
そう言われ、また魔笛を吹く。
「催眠魔術<隼攻撃」
先よりまた少し速く隼を呼び出す。
そいつで、ヒョウガに攻撃をさせようとするのだがーーー
「んでも、もう少し速くだぞ!」
「分かりました。もう一度行きます」
そしてもう一度魔笛を吹く。
今まで一番速く鳥を呼び出す。
「良い速さになった! 次は技の方だ」
「はい、分かりました。
催鳥魔術<鷹の爪>!」
魔笛を速く吹いて、大鷹を呼び出す。
そして、ヒョウガへ襲いかからせるのがーーー
「威力が弱いぞ。そんな攻撃だと相手に致命傷を与えられないぞ!」
「もう一度行きます。催鳥魔術<鷲の翼>!!」
魔笛を吹いて、巨大な鷲を呼び出すと、天空へと飛んでいき、そしてそこから彼の居る所に大きな翼を落とす。
零点五秒ほど遅ければ致命傷は免れなかったも、間一髪で助かった。
「中々良くなった! これなら間違いなくダメージを与えられるぞ!」
こうして午前の練習でミューフィが上手くなり、午後も特訓もミューフィをメインにするのだった。
そして午後の特訓も終わり、何時もの様に夕食を食べて、お風呂に入って、歯磨きをして、寝る準備をして、横になって眠りに就く。
こうして一日は終わりを迎える。




