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この運命を天使《キミ》と共に  作者: 事故物件住まいの伽藍鳥
3章 越えた先の結末
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47話 ナラード・エデロア

次の日。この日は、競技場が使えず、バトル施設も空いていない。


そこだ昨日聞けてない、男の事を聞いていた。


 「彼の名前は、ナラード・エデロア。アタシの隣のクラスで、彼とは昨日も来ていていたから知ってると思うんですが、元は仲が良かったんですの。あの時は物凄く楽しかったんですの」

 「彼といる時が本当の・・・自然体のアタシでいられるような気がしたんですの」


 昨日とは違い、落ち着いた様子でアーティナは話す。

 彼女は懐かしむように、遠い目をして語っていた。


 「あんな事が無かったら今頃ですの」


 ―――も、もしかしてアーティナさん、ナラードさんていう人のことが好きになっちゃってたんじゃないでしょうね。


 アーティナの語る様子から、そうなのではとアミリは察しを付ける。


 「あ、そうでしたですの。彼の弱点はアタシですの」


 納得だ。とヒョウガが頷き返す。


 それからも色々な話をして。


 そんな事をしている内に、お昼をとっくに過ぎていたことに気が付く。


 なので、学園から出て十分ほど行ったところにあるパン屋さんに行くことに。


 パン屋へと歩いている時のこと。


 「超久し振りだぞ! あそこのパン屋に行くの」


 「私は去年の九月に行ったきりだよ」


 「わ、私は行ったこと無いわよ!」


 「アミリが行ったこと無かったのは意外だったんですの。アタシも初めてですの」


 「ぐう~~~~! お腹が空いてしまいました」


「ウチもお腹ペコペコ―」


 久し振りのヒョウガと、一年振りのカナミに対し、アミリとアーティナは初めてのようで。


 歩くに連れて我慢の限界とばかりに、大きな音で鳴るミューフィのお腹。

 鳴った直後にお腹が空いたとかの彼女が言って、サラも同じらしく。


 そんな会話をしている内に、パン屋さんへと到着。


 ――ん~ん。お、美味しそうな匂いがするわね。


 鼻をくんかくんかして、匂いを味わうアミリ。


 「おい、アミリ店に入るぞ!」


カランカラン。


「いらっしゃいませ」


 店員が、客が入って来たので歓迎の挨拶をする。


「お洒落なお店ですの」


 「そ、そうね! 沢山あるから迷っちゃうわよ」


 店内はお洒落な空間が広がっていて、多種多様なパンが並ぶ。


 「んじゃあ、好きなパンを言うんだ! 俺がトレーに入れてやる」


ヒョウガが全員にそう伝え。


 ――ん~んと。な、悩むわね! あ、凄く美味しそうね。これ! じゃあこれにするわよ。


 アミリが選んだのはクロワッサン。


「んじゃあ、これだな」


 彼がクロワッサンを取ってくれる。


 「ねえ、ヒョウガ。コロッケパンとって」


「ああ、分かったぞ」


そう言って上手くとる。


「後、この紅茶のパンもね」


「あいよ!」


 カナミに言われたそれを取る。


 「ヒョウガ先輩。このサクサクメロンパンを取ってください。それと焼きそばパンを」


「ん、分かったぞ!」


 ミューフィが言ったパンを取って、自分用に焼きそばパン塩パンを取る。


 ―――どれにしようですの! 全部美味しそうですの。ん~んとじゃあ一つはこれにしようですの。


 「ヒョウガ。一つは、この南瓜カボチャロールを取ってですの」


「ああ、分かったぞ」


「それと塩パン」


 アーティナが言った二つをトレーに乗せて。


 「こ、この塩パンも食べるわよ」


 アミリがこっちに来て、塩パンを指して言う。


 「ウチは、パイナップルパンとスイートポテトパンだよー」


 「わ、私もスイートポテトパン食べるわよ!」


 サラがあちこち見て回ってからヒョウガの所へ来て、取って欲しい物を言う。するとアミリの分も、スイートポテトパンを取る。

 そして自分用にバロンクリームパンを取る。


 「んじゃあ、これで良いな。どっかで食っていくぞ!」


 「飲み物も買って行こっかー」


 「その前に会計を済ませるぞ!」


 飲み物は後でと、レジへと足を運ぶ。


 会計が済むと、飲み物を買う為に歩き出す。


 向かった先は、アボルダージェと言う飲み物専門のお店。


 まあ、店と言っても建物の中にあるわけではない。


 アボルダージェ近くには、座れるテーブル付き椅子がある。


 「んじゃあ、何を飲むか決めるんだぞ! 俺はカフェモカだ」


 唯今注文をしようとしている真っ最中。


 「私はマイルドコーヒーにするね」


 「わ、私はん~んと。じゃあ甘さ控えめのハニーティーにするわよ」


 「アタシは青アップルティーにするですの」


 「ワタシはストレートティーにします」


 「ウチはミルクティーにするよー」


 全員の注文を伺った店員のおじさんはに、ヒョウガはお金を払う。


 「毎度有り。少しお待ちくださいね」


 そう言ってから何分か待っていると、全員分の飲み物が揃いう。

 それからテーブルで空いている席を取りに向う。


 そして見つけると、全員で椅子に腰を掛ける。


「んじゃあ、食うぞ!」


「「戴きます」」


「い、戴くわよ!」


「戴くですの」


「戴くよー」


 手を合わせるなり、食事の挨拶をして食べ始める。


パクッ、サクッ、サクッ。


 「ん~ん。美味しいです。このメロンパン」

 

パクッ、


 「ん~ん。南瓜ロール美味しいですの」 


パクッ、


 「ん~ん。パイナップルパン美味しいよー」


 「ん~ん。紅茶の良い匂い。パクッ、ん~ん。しっかりと紅茶の甘さが出ていて美味しい」


 皆それぞれ選んだパンを食べて、美味しく味わっている。


 見る見るうちに一つ目のパンが無くなって行く。


 「コロッケパン食べよう」


パクッ、サクッ、サクッ。


 「ん~ん。このコロッケパン凄く美味しい」


パクッ、


 「ん~ん。この焼きそばパン気に入っちゃました。凄く美味しいです」


パクッ、


 「ん~ん。ス、スイートポテトの味がしっかりしていて美味しいわよ!」


 「アミリの言う通りだよー。超々美味しいよー」


 「こっちのバロンクリームパンも美味いぞ!」


 「ん~ん。この塩パン美味しいですの」


其々食べた感想を言う。


ゴクッ、ゴクッ。

 

 「ん~ん。このカフェモカ美味いぞ!」


ゴクッ、ゴク。


 「ん~ん。マイルドコーヒーって良いね」


 ヒョウガがカフェモカに舌包みを打ち、カナミも同じく舌包みを打つ。


 彼とアミリは三つ目のパンを食べる。


 ゴクッ、ゴクッ。


 「ん~ん。ハ、ハニーティーって本当良いわ! 落着く」


 「青アップルティーは良いですの。凄く美味しいですの」


 「甘いのばかりだったので、こういうのは凄く良いです」


 「ミルクティーもおいしいし」


 皆が食べ終わって、ドリンクを飲む。


 空になると、ウェットティッシュで、手と口を拭く。


 ゴミ袋を纏めて、持ち手を縛る。


 「では、アタシが持って行くですの」


 「ん……!? ああ、分かったぞ」


 アーティナがそう言ってごみを捨てに向う。


 

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