42話 vs狐族《リアーミラ》
とうとうこの日がやって来た。 そう、学園選抜バトル二回戦。
場所-ーーバトル施設四階。そして、安全防御壁の中で、 ヒョウガ達のチームと、狐族のチームが向かい合う。
真中には男の先生がいて、審判を務める為に立っている。
「では、アリマが率いる450号室と、バロロンが率いる111号室の試合を始めるからな」
「宜しくだこんこん!」
「此方こちらこそ宜しくな!」
男性講師が、試合の開始の言葉を述べるのに合わせ、両チームのリーダー、其れに他のメンバーたちが握手を交わす。
手を放した。
「武装展開!!」
「武装展開!!」
武相を展開し、両チームが動く。
「んじゃあ、行くぞ!」
「ちゃ、張ちゃんと守りさないよね」
「勿論ですの! 二人で守ってあげるですの!」
此方のチームは、ヒョウガ、アミリ、アーティナと言う組み合わせ。
「やあ、三人共! 行くだコンよ!」
と言うと。
「 武装大手裏剣技<稲荷手裏剣>
ヒョウガ達の前に、立ち開るように現れた狐族の女三人。
その中の一人の少女が、仕掛けて来る。
彼女の持つ大手裏剣から技を発動。
その発動した技は、狐族らしく狐の力を手裏剣に込める。
込め終えると、ヒョウガ目掛けて猛スピードで飛んで行く。
「思った通り。否それ以上のスピード! だが大丈夫だ! 」
と言うと。
「能力<暴風>!!」
「後ろががら空きだこんこん」
「そうはさせないですの!」
そう言って光魔剣を構えーーー
「武装魔術<光魔一剣>!」
アーティナの持つ光輝く光魔剣。
光魔剣は、相手を三度光で切り裂いた。
「良いだこんこん」
技を発動した。
「二短鎖棒奥義<火炎回しし>!」
狐族チームのリーダーバロロンが、アーティナが相手に回り込むより先に、至近距離に接近してくる。
アーティナが放った技は意味を為さなくなる。
そして虚しく消えていく。
ヌンチャクが火炎に包み込まれた。
ーー振り回す。
近い。二人の距離が余りにも近過ぎる。この距離では、魔術を発動する隙も与えられない。
「ぐあああ…。凄い威力ですの!」
「バロは、リーダーだこんこん。甘いだこんこん」
アーティナは、抵抗が出来ないまま攻撃を諸に食らう。
ヒョウガの方に戻るが、彼の体を中心に強い風吹き荒れ、彼女が発動した技を無効に。
「中々やるだコンな!」
「ん……!? まあな」
彼女の評価を受け、それを素直に受け入れーー
一方その頃。カナミ達の方はと言うと。
「さあ、我らも行こうだコン」
「そうだな。行くぜ! スマルク」
「負けるつもりはないだキューン」
男性陣が、カナミ達の前に立つ。
三人はそれぞれ言葉を発する。
「アキラちゃん。ミューフィちゃん。頑張って時間稼ぎ宜しくね」
「分かりましたー」
「はい、頑張ります」
カナミが二人に指示を出す。それから目を瞑る。
「さあ、行くだコン」
マルクスが仕掛けた。
「能力<無色透明>」
スマルクは無色透明となって、居場所が不明確になってしまう。
「何処から来るんでしょうか?」
警戒を高めて、魔笛を構えて何時来てもいいように備えるが、ことは既に遅し、
「食らうだコン!」
グサツ、彼の持つ双剣で腹を猛スピードで刺される。
「ぐはっ…何て早さです。それに強いです」
腹部を刺されたミューフィは、溢れ出した血を押さえながら相手の強さを知る。
「ミューフィ、大丈夫かー」
長剣を構えると。
「余所見か。甞めてるな」
余所見を余裕と捉えた男。
「武装長剣技<風月落とし>!」
アキラに向けて、狐族の男が一振した。
清らかな風と美しい風を鋭い刃に変化。
それがサラへと頭上から落としてくる。
「《エ・アノーク》! 行くよー」
――はい、了解です。
「守護魔甲術<妖精の森>!」
サラが妖精を呼び出すと。
森と繋ぎ、妖精を複数呼んだ。
すると、森から妖精が次々とやって来た。
集まった森の妖精達に彼が発動してきた技を消してもらう。
「そんな技まで使えたこんか!?」
妖精の力を目の当たりにし、目を丸くして驚く。
誰も仕掛けぬカナミへと、攻撃をしようとする奴が現れた。
しかしもうすでに遅い。
「準備出来たよ!」
そう言って瞑っていた瞼を開くと。
「武装想像<猛獣麒麟>!」
カナミが準備を完了させると、誰もが知るであろう空想上の生き物とされている麒麟を出現させる。
「行け!」
「掛かってこいだキューン」
彼女の指示の指示を受けて、スマルク目掛けて麒麟が猛スピードで駆けてくる。彼も猛スピードで逃げるのだが、
ドーン。むしゃむしゃ。ボリボリ。むしゃむしゃ。ボリボリ。
猛獣の麒麟は彼へ、頭突きをし、そのまま咀嚼されてしまう。
数は一体。だが一体にしては、余りにも惨い光景。
その麒麟が、彼の居た場所から去ると、肉片が散らばり、生臭い匂いが漂う。血溜まりも溜まってたものの原型がとどまっていない。
そして少ししてから、安全防御壁の外に出された。




