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この運命を天使《キミ》と共に  作者: 事故物件住まいの伽藍鳥
3章 越えた先の結末
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番外編 特訓は鬼ごっこ(前編)

―――ん~ん。これからは何するか?


 と彼が考えてることを、カナミは知ってか知らずか。


 「鬼ごっこ何てどう? 私はやらないけど」


 自分はやらないと後置きをするカナミ。


 「わ、私はやってあげても良いわよ! 別に」


「アタシも良いですの」


 「俺も別に良いぞ! 鬼ごっこ」


「ワタシは止めておきます」


「ウチはやるよー」


 アミリを始めとする、アーティナ、ヒョウガ、サラは参加するようだが、ミューフィはカナミと同じく見学? の様子。


 「話しは聞かせて貰ったださ!」


 勢いよくドアを開け放ったのは、ルゼインだ。

 そしてその後ろには、後三人いた。


 「グハハハハハ。我もこの愚者がやることを、#態々__わざわざ__#手伝ってやると言うのだ感謝するべきだ」


 「愚者がやるだけじゃないだべえ。俺等おいらも暇だから手伝ってやるだべえ」


「俺もそれに参加しよう」


 「んじゃあ、早速外に出るぞ!」


 ヒョウガの合図で、全員が外に向かう。


 「んじゃあ、ルールを説明するぞ! 武器、魔術、武術、守護の類のもの全部禁止だぞ。能力も同じく禁止。良し、始めるぞ! 三十数えるからその間に逃げろよ。使っていい場所は、学園内ならどこでも良いぞ!」


 それを聞き終えると一斉に逃げる。


 「一、二、三、四、五、六、七、八、九、十」



 「ここなら気付かれないですの」


アーティナが隠れた場所は、自分の小さな身長を活かして、小さな穴を潜った所にある隙間に身を潜める。


アミリは花園に隠れ。


(こ、ここなら花に紛れて発覚バレないわよね)


そうアミリは思う。


サラは喫茶店の建物を裏にくくれる。


(ここに居れば何時でも逃げれるよー)


サラは、周りを警戒しつつその時を待つ。


「十一、十二、十三、十四、十五、十六、十七、十八、十九、二十」



「己おらがまさかコンビニ-の裏に隠れてるなんて思わないだろうださ」


そう呟きながら身を潜めるルゼイン。


「グハハハハハ。我が魔術エリアに居るとは思わないだろうな」


とテナは、魔術エリア御ど真ん中でドーンと構えながらそう呟く。


「美術室に居るとは思わないだろう」


美術室の中で物に埋もれて身を隠す。


「何時でも来るだべえ」


小柄で訛った喋りの青年は、学園の端っこ、且つ全てを見通せるポジションに立つ。


「二十一、二十二、二十三、二十四、二十五、二十六、二十七、二十八、二十九、三十。良し行くぞ!」


斯うしてスタートした。


(先ず何処から探すかだぞ。んじゃあ、一番近いコンビニに行くぞ!)


と言う事でコンビニにやって来た。手始めに中を探すが居らず、お店の裏を観に向う。


ビューと、ルゼインが全力で駆け出す。 が、


ダッシュ。ピューピュー。あっと言う間にヒョウガに追い付かれ。


「タッチだぞ! まさかこんな近くに隠れてるとはなだぞ」


「己の方も驚きださ! スルーされると思ったださ」


「甘いんだぞ! んじゃあ俺は行くぞ」


そう言い終えると、風のような速さで去っていく。


「己もすぐに鬼を交代させてやるださ!」


ルゼインはすぐに交代させると言い切ってから、探し始める前に周りを見回す。


(どこださ! どこに・・・)


と考え込む。



 「グハハハハハ。よく来たな! 鬼よ」


 「んや、俺は鬼じゃ無いぞ! ディブが鬼を受け取ってくれたからだぞ」


 「そう言って我を油断させるつもりだな。そうはいかん」


 「んじゃあ、これを見てもそう言えるかだぞ!」


「どうやってだ?」


「こうやってだぞ!」


 そう言うと、ヒョウガはポケットからカナミに創ってもらった魔法の写し機を取り出す。


「それは、魔写?」


 「ああ、そうだぞ! これを見てみろ!」


 「グハハハハハ。確かにその様だな。では我と逃げ・・・・」


「んや、それは御免だぞ」


 テナが一緒に逃げようと誘うも、ヒョウガは断り、その儘武術エリアへと風のような速さで去っていく。


 一方。鬼になってしまったルゼインはと言うと、何と無くで喫茶店の方へと足を運ぶ。


 (誰か来るよー。良し、逃げる準備出来た―)


 「もしかして誰かいるださ? あれ? 誰もいない」


そして再度確認してみると、


「逃がさないださ!」


「追い付かれて溜まるかー」


「なっ!? スピードを上げたださ! これじゃあどんなに頑張っても追いつけないださ」


「じゃあねー」


 少し先を走るサラに気付き、彼は全力疾走で追う。


 それをやらせまいと、速度を上げ二倍上げて逃げ切る。


 「逃がしたださ! なら別の人を探すださ!」


 そう言うと、案外いるかもと思い、花園へと向かう。


 (だ、誰か来るわね! 見逃してもらうわよ)


 アミリは、誰かの足音がしてそう思った。


 「誰かいるださか? てか居てもホントにいるなら答えて来るないださな」


 と言いながら、ルゼインはじーと花園を見つめ続けてから、ゆっくりと近付いてくる。


 (こ、これはヤバいわね。逃げるわよ!)


 アミリは立ち上がって逃げる体勢を作るが、彼に気付かれてしまう。


花園の出口は一つしかない。


 アミリが居る所を後ろに逃げれば一応あるにはあるが、それは学園の外になってしまう。 


と言うことはーー


「もう逃げられないださ!」


 「わ、私が馬鹿だったわよ! こんな逃げ道が一つしかない所に隠れて、発覚バレないわよと思ってたのがいけないのよ!」


「タッチ。鬼交代ださ!」


 それだけ伝えると、ルゼインは逃げて行く。


 (は、早く誰かに鬼を交代して見せるわよ)


 とアミリは、ヤル気を見せて隠れ場所を探す。


 アミリが向かった先はある場所。


 「誰も探しに来ないですの! 此処なら安全ですの」


 アーティナは、先から一度も人が近付いてくる気配がしなたっかので、安心しきっている。

そう安全だと信じ込む。


 そこへ、小柄な身長を活かしてアミリが入って来る。


「今誰が鬼ですの?」


 「そ、そうね! えっと、そう、知らないわよ!」


 「そうですのね! 分かったですの」


 そう言って、背中を向えて油断してるアーティナへと、近寄って行き肩をポンと叩く。


「ゆ、油断したわね!」


「騙だまされたですの」


 「ひ、人を疑わないのが悪いのよ! じゃあ行くわね」


アミリは急いで逃げた。


 「悔しいですの。絶対すぐに鬼を交代してやるですの」


 悔しそうな顔をするアーティナが、そう思いを強く口に出す。


鬼ごっこはまだまだ続く。



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