41話 二回戦の試合前夜
そして、アミリが戻って来てから、部屋で皆でメモを見ている。
「ん~ん。狐族ってこんなに弱点があるんだな。んじゃあ、明日の摸擬戦は其れ踏まえて鍛えるぞ!」
「あんな強いチームにこんな弱点が有ったんだー」
ヒョウガが関心を寄せながら、摸擬戦の内容を決める。サラも弱点の所は同じように思っていいた。
「残り二日だから頑張って鍛えないとですの!」
「そうですね。明日の摸擬戦が勝負ですね」
「その意気込みだぞ! 二人共」
二人の摸擬戦への意気込みに、彼は八重歯を見せてから褒める。
話しが終わると、辺りはすっかり真っ暗になっていたので、晩御飯の支度をし、お風呂の準備も完了させる。
それから晩ご飯を食べる。
それが済むと、ヒョウガが皿洗いしている内に一人一人お風呂へと向かう。
そして皿洗いが終わったヒョウガは、お風呂に入りに向かい。それから何十分かして出てくる。
髪の毛を自然に乾かし終わると、歯磨きをしに行く。
シャカシャカ。シャカシャカ。シャカシャカ。シャカシャカ。
綺麗に歯を磨きを得ると口を濯ぐ。
そして寝室に向う。
そしてベッドに横になって、目を瞑っていると段々寝むたくなって来る。こうして眠りに就く。
次の日。競技場。
「んじゃあ、摸擬戦を始めるぞ!」
「わ、分かってるわよ」
「ワタシも分かりました」
彼の開始の声に、二人が返事を返す。既に武装展開は済み。
「来るですの」
「そうだね!」
「準備するよー」
アーティナが警戒するように仕向ける。
ヒョウガが猛スピードでこっちにやってくる。
「行くぞ!」
とヒョウガが言うと能力を発動する。
「能力<暴風>!!」
ヒョウガの体を中心に強い風が吹き荒れ、アーティナとサラが吹き飛ばされた。カナミは何とか耐えていた。
「流石ですの! これでも食らうんですの!」
ヒョウガのゼロ距離に瞬間移動すると、アーティナは光魔剣を構えーー、
「武装魔術<氷刃魔斬り>」
光魔剣の先端から氷が出現。
氷始めた光魔剣でヒョウガを切り裂くと。
細かい氷の刃へと変化しどんどんと飛んでいく。
「んなもん食らって溜まるかだぞ! ひょいっと」
ゼロ距離粗の攻撃を、ひょいっと容易く回避して見せる。
「行くぞ! 」
風双刃を構えるとーー。
「風双刃剣技<風・林・火・山二刃斬り>!」
風林火山が其々二つの刀剣から発動され、四種の強力な刃となって襲い掛かる。
ダダダダダダダダ。
「げホげホ。凄い威力ですの!」
アーティナは血を吐き捨ててそう言う。
「準備出来たよ! 」
瞼を開いたカナミが目蓋を開くと。
「武装想像<青竜|剣>!」
虚空から想像したモノが姿を表す。
現れたものは、柄の上端に青い竜の装飾を施した薙刀形の刀だ。
その刀がミューフィに向けて飛んでいく。
「消してください! 」
ピーーー!!
ミューフィは口許に近付けて魔笛を吹く。
「 催眠魔術<鳥壁>」
すると上空から鳥が現れた。
上空から降下してきた烏を壁にするが、カナミの攻撃を塞ぎきれず易々と破られてしまう。
グサツ、
「ぐはああぁ~。げホげホ。流石カナミ先輩です」
攻撃を食らったミューフィは、血を吐き捨てて矢張り敵わないと察する。
その頃アミリは、アキラに銃口を向け。
「こ、これでも食らいなさい!」
スコープから標的を覗き込んだ。
「武装魔銃術<雷電弾>!」
狙いを定め、引き金を引く。
ーー火薬の弾ける振動と共に、高速で回転する弾丸。
弾丸は次第に形を変え、雷と電に。
雷と電へ変化した弾丸が銃口から発射された。
雷と電の弾丸は、瞬く間にアキラの目と鼻の先まで飛んできていた。
アキラが妖精を呼び出していて何時でも準備完了のよう。
「行くよー」
と言うと。
「守護魔甲術<妖精の守り>!」
そして、妖精が自分よりグ~~んと大きな守りを、アキラの手から全体に創り出す。
アミリの弾を押して押して撥ね返しーー
誰も居ない所へと飛んでいく。
「そろそろ決めるですの!」
アミリのゼロ距離に瞬間移動したアーティナ。
アーティナは光魔剣を構えるとーー
「武装魔術〈光女神の光線〉」
突如、光魔剣から光の女神。《テイア》が出現。
光の女神は手に持つ槍をアミリとヒョウガに向けた。
すると槍の先端から、凄まじい破壊力を持つ光線が放たれた。
すると両手の甲から、破壊力の凄い光線を撃ち込んだ。
「ま、間に合わないわよ!」
「俺に任せとけ」
風双刃を構えるとーー
「風双刃剣技<風女神の竜巻乱舞>!」
青色の双剣から、風の女神であるアウラが出現した。
風の女神は純白のドレスを身に付けており、背中には美しい羽を生やしている。
風の女神アウラは躍り狂う。
大きな渦を巻き、竜巻を起こしながら。
その凄まじい竜巻が刃となって、三人に襲い狂う。
回避不能。逃走不可。
「ぐはああぁ~」
バタッ、
カナミが、襲い掛かる竜巻に呑み込まれて、体を深々と傷つけられた。目も回っている。
「ぐはああぁ~」
バタッ、
「カナミ。それにアキラまでもですの! あ・・・」
アーティナも襲われてしまう。
「ぐはっ…」
バタッ、
カナミに続いて、アキラに踊り狂う竜巻に呑み込まれて行く。 カナミ同様、体に深々と傷を付けられて血が溢れ出す。アーティナも同じだ。
「す、凄い技ね! 今の技!! カッコよかったわよ」
「ハアハア。ありがとう。凄い嬉しいぞ!」
「だ、大丈夫な訳? 凄い疲れてるように見えるけど」
「んや、大丈夫じゃ無いぞ! 本気を出し過ぎて疲れただけだ!」
「しょ、仕様が無いわね! ほら、行くわよ!」
と言うと、アミリはヒョウガの体を支える形に。
その儘の形でバトル施設の出口を跨ぐ。
既に他の皆は、外で二人の来るのを待っている。
「あ、来た来た。久々に超本気出したからだね! 疲れてるの」
「そうなんですの!? だから、あれ程凄いSランクの技を使えたんですのね!」
「それ分かるよー。Sランクの技かー。カッコいー」
「ワタシも同じです」
やって来たヒョウガ達に、先に来ていた四人が其々声を掛けた。
「ああ、そう言ってくれて嬉しいぞ! んじゃあ、部屋に戻るぞ!」
「そ、そうね!」
そう言う事で、六人は部屋へと戻って行く。
450号室。
皆が戻ると、疲れていた所為で、一眠りをすることにする。
全員が目を覚ますと、夕日はすでに沈んでいた。
お風呂の準備をカナミがする。
ピツ、とスイッチを入れ。
「んじゃあ、晩ご飯食うぞ!」
今晩の晩ご飯のメニューは、昨日の残りのサラダに加え、サマーラの塩焼き。茸のスープ。
「「戴きます」」
「い、戴くわよ!」
「戴くですの」
「戴くよー」
席に着くと、戴きますの挨拶をして食べ始める。
「パクッ、ん~ん。サマーラの塩焼き美味しいですの」
「ホ、本当ね! 美味しいわよ!」
「美味しいですね」
「このスープ美味しいね!」
「ゴクッ、ん~ん。美味いよー」
「ゴクッ、ん~ん。確かに美味いぞ!」
一人一人が味の感想を述べ。
食べて飲む。食べて飲む。この勢いで、あっという間に完食する。
なので、ご馳走様をすると、皆が使ったお皿やお茶碗、湯飲みなどをお水につけて、一人一人お風呂へと入りに行く。
ヒョウガはその内に洗物と皿洗いを済ます。
全てし終えると、皆が出終わったので脱衣所に向う。そしてお風呂に入る。
何十分かして、お風呂から上がってくる。
体を拭き終ると、髪の毛を自然に乾かす。
その後、歯磨きをする為に洗面所に残る。
シャカシャカ。シャカシャカ。シャカシャカ。シャカシャカ。
綺麗に磨き終ると嗽をする。それから顔を洗い。口と顔をタオルを拭く。
それからリビングに向う。
「んじゃあ、明日の作戦を決めるぞ!」
「この前使った二、二、二は如何どう?」
「相手が相手だ! それは墓穴を掘ることになるかもだぞ!」
「それならどうするんですの?」
と、アーティナが尋ねて来るとヒョウガは、
「一つ目は、トライアングル作戦だぞ! 最後は全員で攻撃する、百獣の王作戦だぞ!」
「さ、最後の作戦の名前、なんだかカッコいいわね!」
彼の言うトライアングル作戦は、二チームに分かれて三、三で戦うスタイル。そしてもう一つの百獣の王作戦は、群れ(六人全員)で襲い掛かって喰らい付くスタイルのこと。
「んじゃあ、これで終わるぞ! 寝室に戻ってもう寝るぞ!」
彼がそう言うと、他の五人も一緒に寝室へと向かう。
「んじゃあ、皆寝るぞ!」
「「お休みなさい」」
「お、お休みなさいよ!」
「お休みなさいですの」
「お休みだよー」
皆がお休みの挨拶をすると眠りに就く。
こうして、学園選抜バトル二戦目の前日が終わりをさ迎えた。
 




