40話 狐族の末裔
二日後。バトル施設四階にて、ヒョウガ達はバトル観戦していた。
今見ているのは、202号室対312号室の対決。
「どっちも互角の様ですの!」
「否、202号室の方が押しています」
「そうみたいだね!」
アーティナの見立てと違い、202号室が有利な立場にいると、ミューフィとカナミが言う。
「おい、そろそろ決まるぞ!」
ヒョウガがそう言った根拠は、312号室が一人。202号室が二人の残っていて、その最後の一人が身動き不能にさせられている。そこに202号室の一人が大技を発動させているから。
「お、終わったわね! 二戦目が始まるわよ!」
「次はどんな相手だー」
そして出てきた相手は、狐族のチーム。
「ん……!? あいつらがこの都市に代々伝わる狐族の子孫みたいだぞ!」
「楽しみだね」
話している内に試合は開始させた。
戦いのスタイルは、単独作戦の相手らしい。
その結果、ライオンが獲物を見つけて喰らい付くまでの早と同じ。
「な、何て強さよ!あの狐族のチーム強いわね」
「あれ程の奴らだ! 次の対戦相手は決まりだぞ!」
「あれ程の相手と戦うのは楽しそうですの」
「否否。全然楽しそうじゃないよー。絶対に勝てないよー」
アミリが狐族を見て素直に感じたことを口にすると、ヒョウガが恐ろしい事を言い出す。
其れにアーティナは賛成の様だが、アキラは始まってもいないのにっ既に諦め気味。
そして三戦目は、222号室と、411号室の対決は411号室の勝利。
最後の四戦目は、431号室と420号室の対決は、431号室が勝利を飾る。
「遂に決勝が始まったぞ!」
戦いの方法はサバイバル。四チームが一斉に戦い、残った一チームがヒョウガのチームと戦える。
「な、何よ! もう一チームが落ちたわよ」
「ホントですの! もう三チームですの」
「これは凄い戦いですね」
アミリが見た儘を声に出すと、アーティナも同じ反応。ミューフィは早さの凄さを口に。
それから少しして、もう一チームが脱落。
「また一チームが落ちたですの!」
「残り二チームだね!」
「んや、もう決まったぞ!」
アーティナが呟くと、カナミが残りを言う。だが、其れを聞いたヒョウガは指を差して違うと断言し。
「やっぱり強いなー。狐族が相手だー」
「て、手強いわよ!」
ーーま、負けれれないわよ! 絶対
とアミリは、狐族のメンバーを窺う。
「んじゃあ、部屋に戻ろぞ!」
「そ、そうね」
「分かったですの」
ヒョウガの一声にアミリとアーティナが返事する。
「私も良いよ!」
「ワタシもです」
「ウチも~」
他の三人も賛成して部屋へと戻って行く。
その儘部屋でのんびりと残りの時間を過ごすつもり。
* * * * * *
高等課棟二階の資料室。
(こ、ここにならあるわよね! 狐族に関する資料が)
何故、アミリが資料室に来ることになったかと言うと。
――時はヒョウガ達が戻ってからすぐに遡る。
「 ねえねえ、ヒョウガ。狐族のチームってどういう奴ら何だろうね」」
「ん……!? そう言えばそうだぞ」
「そ、そうね! そう言えばそうだったわよ」
カナミが気になることを聞くが、ヒョウガからは期待した答えが出ず。アミリの口からも答えが出ない。
「残念ですが、三年間いるアタシでも詳しくは知らないですの」
「ワタシも知りません」
「勿論ウチも知らないよー」
後の三人も知らないようで。
「んじゃあ、資料室に行くぞ!」
とヒョウガが行こうと誘う。
「でも、皆で行くと面倒だよ! 誰か一人で行く方が良いよね」
「それ良いねー」
「誰が行くんですの?」
「・・・・」
最もな意見を口にするカナミに、アキラが賛成。アーティナもそれには賛成らしい。役目を誰に引き受けてもらうかと聞いて来るから、ヒョウガが考え込む。
少ししてから口を開こうとして、
「《エ・アノーク》! 誰にするか決めてー」
――はい、分かりました。
そう答えた刹那。アキラの掌に収まっる程のサイズの妖精が出現。
「妖精ってそういう使い方もあるんだな」
「本当だね! それに凄く可愛いよ」
「ホ、本当ね! 可愛いわよ」
アキラの妖精の扱いに対して、ヒョウガは呆れ顔で言う。そんなのお構いなしと、カナミとアミリが見た儘を言う。
「それじゃあ始めます。妖精占い! <ソ―ム・ノーユ・エレル>」
妖精が呪文を唱え終えると、謎の鍵が全員を周り、一人の少女へとポトンと落ちて来た。
「な、何で私なのよ! 納得出来ないわよ!他の子でも良いでしょ」
「これは占いです! なった物は仕方ないです」
「そう言う事だぞ! お願いだぞ、アミリ」
思いっ切り手を振って猛抗議するアミリに、妖精はそれを受け入れる。がなったことだから仕方が無いと断言する。ヒョウガからも強くお願いし。
「ん~ん。い、良いわよ! もう。仕様が無いから言ってきてあげるわよ」
好きな人の頼み事もあって、一度考えてからソファーから立ち上がって行って来てあげると言う。
と言う事で現在に至る。
アミリは資料を捲った。
狐族は攻撃力とスピードが速いようだ。
頭も良い。攻略方法は、水系に弱いらしく。 他にも別の属性に効く狐族もいるらしい。
資料室には、色々な種族や能力に関連の物が多い。
部屋には他には誰も居らず。
「こ、この情報をメモすればいいのね」
アミリは重要な部分を、持って来ていたメモ帳に記入する。
それからアミリは、資料室を出て部屋へと戻って行く。




