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この運命を天使《キミ》と共に  作者: 事故物件住まいの伽藍鳥
3章 越えた先の結末
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39話 昨日の敵は今日の友

アーティナ達と残り二人の戦い。


「チッ、テナまで敗れたか」


「まだ諦めないだべえ」


 大柄の青年が、次々と敗れて行く現状に舌打ちをして。

 小柄の青年の方は、未だ負ける訳には行けないと言う。


 「お前たち良くやったぞ! 皆これで決めるぞ!」


  ―――これからの作戦はこうだ。 先ずは俺、カナミ、アキラで小柄に奴を相手して、残りのアミリ、アーティナ、ミューフィで大柄のとこを―――と言う感じだ! その名もトライアングル作戦!!


 とヒョウガが、作戦の説明をする。


 「カナミ、想像の準備は任せるぞ! アキラは守り」


「うん。分かった」


「分かったよー」


 ヒョウガの指示に、二人はOKのポーズを取った。


「来ただべえ! 本気だすだべえ」


両腕を訛った喋りの青年が切刃に変化させた。

      「武装鋼腕奥義<究極(アルティメット)二重切刃(ダブルドリル)>!!」


「行くぞ!」


そう言って風双刃を構えてーー。


   「風双刃剣技<無限(アンリミテッド)七色(レインブル)>」


 無限に続く七色の風が、彼の周りごと包み込み、身動き不能にする。

 そして、やっと解放された小柄な青年へ。

 容赦のない一撃を、ヒョウガア放つ。


 「風双刃剣技<|七色風斬《レインブル·ウィンドブレイク》!」


それが七色風の鋭い刃となって振り下ろされた。


 「ぐはああぁ~。何て攻撃だべえげホげホ、げホげホ」


「これで決まりだね」


瞑っていた瞼を開けると。


「武装想像<般若(はんにゃ)>!」


 そう言ってカナミが発動したのは、鬼女で体はマントで覆われ、手には斧を持つ般若はんにゃだ。


「行っけ~!」


 カナミの指示を受けた般若は、小柄な青年の所へと向かう。


 「来るなだべえ! お願いだべえ。ぐはああぁ~」


 迫ってくる般若に頼み込むが、聞く耳など無い上に斧を振り下ろしてきて―――。


 「げホげホ、げホげホ。何て強さだべえ! げホげホ・・・・・・もう駄目だべえ」


 先吐いてた血に加え、新たに大量の血泥を吐き出す。

 小柄の青年が言葉を発するが―――

 バタンといって、その場に倒れ込む。


 「ま、まだやるつもり? 勝てる見込みでもある訳?」


 「どうせ俺一人じゃ勝てないだろうな」


 「それじゃあ、どうするつもりですの?」


そうアーティナが聞くと、


「だが、負けると分ってても」


そう言って、


「能力<猛毒散乱>」


男は能力を発動。



 「お、遅かったわね。これで終わりよ!」


スコープから大柄の男を覗き込んだ。


 「 武装魔銃術〈無濃紅の(クリムゾンノート)(バレット)


狙いを定め、引き金を引く。

ーーー火薬の弾ける振動と共に、高速で回転する弾丸。


弾丸は次第に形を変え、蒼い超高熱の炎に。

炎に変化した弾丸は発射口から発射された。


蒼い炎の弾丸は、瞬く間に大柄の男のの心臓部分まで飛んできていてーー。

命中。

風穴が空き大量に出血してしまう。

 

 「ぐはああぁ~。ハアハア。思った通りだったな。げホげホ。げホげホ」


 その弾を心臓に食らったので、大量の血を吐いて倒れ込む。


 『試合終了です。ヒョウガる450号室の皆さんも出てきてください!』


 先生の指示を受け、六人は安全防御壁から出る。

 先に出ていたルゼイン達の前に並んで、先生が言葉を出す。


 「と言う事で、勝者はヒョウガ君率いる450号室の皆さんです!」


 ヒョウガ達の圧勝だと―――観ていた者達は誰もがそう思うだろう。


 「凄いださ! アリマ・ヒョウガ。それに仲間達」


 「なあ、ディブ。俺の名前をフルネームで呼ぶの止めてだぞ!」


 「何故ださ? 己はお前の友達じゃ無い筈ださ!」


 「んや、俺はそうは思って無いぞ! だって『昨日の敵は今日の友』だぞ!」


「そうかださな。 分かった。 ヒョウガ。君たちをこれからは応援する!」


 フルネームで呼ぶルゼインに、彼は別の呼び方を提示する。


 ―――それを聞き、友達ではないのになぜだ、と問う。


 ヒョウガはそれに対して、慣用句を使ってもう友達であると伝えると。

 こうして友達になった彼は、全面協力をするとと言い出す。


 そして二チームのリーダー同士が、お互いに強い握手を交わして友情を育はぐくむ。

他の子達も握手を交わす。


 「はああぁ~。また眠くなって来たかも」


 「グハハハハハ。ケリアス先輩は何時も睡魔に負けて眠ってるではないか。だが、我も魔力の使い過ぎで疲れた。帰りたい。帰って休みたい」


 「テナは魔力なんて使ってないだろ! だが、帰るのには賛成だ」


 欠伸をし出すケリアスに、テナが何時ものことと返し、帰ろうと急せかす。

 隣に立つ大柄の男も、テナに何時もの様にいうも、が帰る事には賛成らしく。


 「それじゃあ、己達は帰るださ! じゃあな」


 ルゼインが手を振ってくるため、ヒョウガも返し―――そして彼らは帰って行く。


そこに取り残された六人は。


 「ホ、本当に勝ったわよ! 今更何だけどビックリしたわよ! でも嬉しい」


 「やったですの! これで一戦勝利ですの」


 「圧倒的だったけど、勝ったから嬉しいね」


  今更な事を言い出すアミリに、アーティナも嬉しそうだ。カナミも勝てたと言う気持ちの方が大きく、喜ぶ。


それを聞いた他の子達は、


 「まだ一戦突破しただけだぞ!」


 「ヒョウガ先輩の言う通りだよー。決勝戦まで後三戦だよ~」


 「私もそう思います。気を抜いている淡白(あっさり)と負けてしまうかもしれませんから」


 と、アミリ達とは違う風に思っていた。


 「んじゃあ、俺達も部屋に戻るぞ!」


 「そうだね! ヒョウガ。私も良いよ」


 「わ、私も良いに決まっているわよ!」


「決まり見たですの」


「ワタシもです」


「ウチも-」


 と言う風に、皆で帰ることに決まり、六人は部屋へと戻って行く。


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 そして、話は試合終了してすぐの観戦していた人に戻る。


 「アリマ・ヒョウガ。他の仲間達。中々の強さだ。これなら必ず来てくれる筈だ! 三戦目の相手をしてやる。それに……アーティナ」


 ―――謎の男は、ヒョウガ達の戦いっぷりを高く評価し、二戦目を飛ばして三戦目の相手を申し出た。

 そして後ろの部分に、愛おしき金髪少女の名前を呟く。


 「二回戦も楽しませて貰おう。君の活躍を見ているよ。アーティナ」


 また謎の男は―――少女へのエールじみた事を口にし。


 そして男は、競技場から見て後ろ――学生寮の方へと帰って行った。




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