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この運命を天使《キミ》と共に  作者: 事故物件住まいの伽藍鳥
1章 天使との契り
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5話 お風呂

学園の学生寮。450号室。


 学園に着いた頃には、既に陽が沈んで、辺りは真っ暗になっていた。


  ―――二人が戻ると、机の上には空の鞄が置いてあって。キッチンには、必要なものが全て揃っており、ボールには野菜が水気を浴びていて。


それと、俎板(まないた)と包丁を用意されていた。


キッチン付近にはアーティナがいた。


 「あら、お二人とも帰ってらしたですの。用意はしておいたですの」


「手伝って下さりありがとうございます」


彼は、彼女へお礼を言う。


 ―――その後、早速調理を行う。


「お風呂はワタシがスイッチを入れておきました」


「ありがとう」


お礼を言う。


手順通りに調理をすること三十分ちょい。


遂に完成。


「夜ご飯出来た!」


 暫くしてから、皆が食卓に集うと。


全員が席に着く。


 「それじゃあ、食べようか!」


「「戴きます」」


「戴くわよ」


「戴きますですの」


「戴きますー」


 台所から見て、右にカナミ、アーティナ、アミリ。左からアキラ、ミューフィ、俺の順番に座ってる。


 皆が律儀に食事の挨拶をして食べ始め―――。

 ―――机の上には、オメイスの他に、ついでに買ったサラダが並ぶ。


「うん、美味しい」


「このオメイス美味しいですの」


「ホ、本当ね。美味しいわ」


 「ヒョウガ先輩、凄く美味しいです」


「ウチもそう思いますー」


 四人共、ヒョウガの料理の腕前を褒め。


その評価を聞いて彼は―――


「有り難うな」


嬉しそうに、そう返す。 


 皆が食べ終わったのを見計らって、お風呂に入るように言うと、ミューフィとアキラが脱衣所に向う。


 何十分か経って、出てくると、次はアーティナが入浴しに行く。

 アーティナが出ると、カナミが入浴しに行った。

そして何十分かして出て来る。


 皿洗いが終わり、アミリも入りに行って、出て来たんだろうと思い俺は脱衣所に向う。



―――脱衣所に着くと。


 「可笑(おか)しいぞ。電気が付けっ放しじゃねえか」


 扉を開けつつもそう疑問視していると。


 ―――そこには、てっきり出たと思っていたアミリの姿があり…


 「悪い」


ヒョウガの姿が見えると、アミリは大急ぎで湯船に飛び込む。


一言ヒョウガが謝ると。


「ま、前にもあったわよね。こんなこと」


 「あんときも悪かったな」


これが初めてでは無い様だ。


「み、見られて減るもんじゃないから今回は仕方なくよ。またヒョウガ先輩を外に出すと、外は寒いから風邪牽かれちゃうし。だからと言って此方見るんじゃないわよ」



「俺の身体の心配してくれるのか。優しいな。約束する」



前回もその前も外に追い出したことで風を牽かせてしまったことがある。 

今回はそうならないようにと、渋々こういう形を取るしかなかった。


 体を綺麗に洗い、その後髪の毛をお湯で濡らす。


 ゴシゴシ、ゴシゴシ。ざあざあ。ゴシゴシ、ゴシゴシ。ざあざあ。


 髪の毛をシャンプーとリンスーを付け、確りと洗うとお湯を洗い流す。

それから彼も湯船に浸かる。


「あ、温かいわね」


「ああ、そうだな」


 ヒョウガは、アミリが向いてる方とは逆の右を向く。


 ―——ヒ、久し振りにヒョウガ先輩と会ったんんだから、何か話題をた出さないと。ん~ん。そうだ。


 「そ、そのヒョウガ先輩・・・・・・」


「ん……!? 何だ?」


 「や、やっぱ何でもないわよ」


 ―――や、やっぱ恥ずかしいわよ。無理無理。絶対に言えない。


 アミリは、恥ずかしいと言う事で言うのを止めてしまい。


 「や、ヤバいわね。逆上(のぼ)せちゃったわ」


  「それは大変だ! じゃあ出るぞ」


 話しの話題も見つけれぬまま、逆上せてしまう。


 出ようとすると、何故か突然照明が落ち…


 「て、停電!? どこよ、ヒョウガ先輩・・・」


 アミリは手探りでお風呂場の出入口まで辿り着く。


そしてお風呂場を出て、用意していたタオルを巻く。

突然の事で頭を拭く余裕がない。


脱衣場も当然真っ暗で、身動きが照りづらい。



ヒョウガはというと。


━━━こういう時は動かない方が良い


動かずにじっとしていると。

お風呂のドアが開いたことに気付き、ヒョウガも脱衣所へ出た。

自分の物であろうタオルで、下半身を綺麗に拭いて下着を履いた。

 

「た、多分これがドアよね」


触った感触でそう判断する。

ドアノブを捻って外へ。


体を拭きながらカナミ達の入るリビングを二人は感覚と手探りで探す。


すると声が聞こえてきて…


「ヒョウガとシラキちゃんの声が聞こえないけど、大丈夫かな?」


他の三人は一緒にいたから心配入らない。

気配のない二人を気に掛けたいると。


丁度そこへ二人がやって来た。



 「こ、この停電は何なのよ?」


 「私達も分からない。でも外が騒がしいから何かあったみたい」


「そうか」



突如臨時放送が流れ出す。


 『緊急事態が発生しました。何者かが学園に侵入しました。電源装置管理室の電源装置が破壊したのもそいつの仕業です。外出せず、大人しく部屋で待機しててください。先生から連絡が入り次第、また連絡します。これで、臨時放送を終了いたします』


 放送内容は、この学園内に侵入者が入り込んだこと警戒を促す。


 ―――それを聞いたヒョウガは、体を拭き終わっていたから就寝着に着替え…


 そして興味本位に行こうとしていると。


「アリマ君、どこ行くんですの?」


 「気になったので、今から侵入者をを探しに行きます。」


 「先の放送を聞いてたですの? 外出は禁止ですの。一人では行かせる訳にはいかないですの」


 「皆を危険な目に遭わせない為に自分一人で相手の事を確認しに行くだけです」


「その心意気は悪くはないですの。けど駄目ですの」


 玄関の方へ向かうヒョウガは、振り返ってルームメートに告げ…

必死で止める。


そんなことをしているうちに、外は騒がしくなってきていた。

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