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この運命を天使《キミ》と共に  作者: 事故物件住まいの伽藍鳥
3章 越えた先の結末
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35話 教化訓練

着くと直ぐに、特訓を開始する。


「武装展開!」


 そう叫んで、全員が武器を展開して準備完了。


 「じゃあ、先ずはサラの特訓からだするぞ! アーティナ先輩には攻撃を任せますよ!」


「でも大丈夫ですの?」


 「全然大丈夫ですよ。俺が保証するし! サラは腕に力を集中させれんだ! 」


「うん。分かったよー」


 先ず最初にサラの特訓をするので、アーティナに攻撃役を頼む。

 ヒョウガの指示に従い、サラは腕に力を集中させ―――。


「行くですの! 


と言うと光魔剣を構えーー、  


 「武装魔術<光焔斬り(シャイレイムブレイク)>!」


 刹那ーー燃え上がる炎が光魔剣の先端に現れた。

 眩い光を放つ光魔剣を次第に赤い炎で染める。

 そしてサラへと、燃え上がる光魔剣で切り裂く。


 回避しようと、サラは右腕を出して集中…


 ―――すると、ホント微かなバリアが表れが、


「やっぱり駄目だよー」


 攻撃を食らうと、淡白とバリアが消えてしまう。


「まだまだだな!」


 「分かったよー。もう一回やるよー」


 —――俺にまだまだと言われて、サラはもう一回とやる気を見せるぞ!


「分かったですの!」


「そう来なくっちゃだよー」


 良いと答えるアーティナへ、サラがそう言う。


一度元いた位置に戻ってから。

「また行くですの! 

    武装魔術<雷光一剣(ライトニングバース)>!!」


 一度元の居た位置に戻ってから。

再び一瞬にしてサラのゼロ距離に出現し、


突如にして刹那。

 虚空から稲妻を出現させて、光魔剣に向って降り注いだ。

 そして雷光を、サラに向って斬りかかろうとした。

 透かさずサラは、もう一度腕に力を集中させるが―――


 「ぐはっ…」


激しい痛みがサラを襲う。


 創り出されたバリアは、薄っぺらく微か過ぎる為に、腕を中心に稲妻を食らい。


 それからも、何度も何度もサラは攻撃される。


「もう一度行くですの! 

       武装魔術<水竜斬り(アクアドゴン・バース)>!」


 此方へとやって来た水竜へ、もう一度腕に力を集中させるが、淡白と破られてしまう。


「ぐおおおお~」


 もう一度アーティナが攻撃をするが駄目だ。


 その次も、又その次も、更にまた次も、攻撃を防ぎきれずに食らってしまう。


 「そろそろヤバそうですの! 止めにするですの!」


「まだ……まだ大丈夫だよー」


 体や腕がボロボロで、文字通り危険に瀕し始めているではないか。

 可成りの傷を負ってるが、彼女はまだやると言う。


 ヒョウガ、カナミ、アミリ、ミューフィは唯々見ているだけ。


 ―――か、体がボロボロね。本当にまだやるつもり?


 と、サラの在り様を見て、アミリはそう思う。


「これで終わりですの!

      武装魔術<光魔一剣(シャイニングバース)>!」


 眩い光が突如照らし付けられた。

 それを直視した彼女は、当然ながら目をさせられてしまう。

 その隙にアーティナが、光魔剣でサラに斬撃を食らわそうとした。その時―――


 「止めてみせるよー。今度こそ絶対だよー。守護魔甲!」


 自らの腕に力を込めたサラは、魔法の盾を創り出す。

 これこそがサラの武器―――異能だ。


 光魔で斬りかかる寸前に、魔甲で()ね返す。


 そしてアーティナへと、予想外な攻撃が撥ね返って戻って来た為、避けられるはずがない。


 「かあぁぁ…サラ、出来たですの!」


「良くやったぞ! サラ」


「おお、出来たよー」


 攻撃を食らったアーティナは、そんなのお構いなとサラを褒め。


 同じくヒョウガも、サラを褒める。本人も驚いた―――が嬉しそうだ。


 他の子達も、「凄いね! サラちゃん」とカナミが、「や、やっとできたわね。おめでとうよ!」とアミリが、「遂に出来ましたね。よく頑張りました」とミューフィ、其々が思い思いの事を言って称えられて。


 ―――その頃。バトル施設二階の出入り口。


 「我が態々(わざわざ)偵察に来たのだ。ジャンケンと言う忌まわしいものの所為だ。魔力を使って負ける筈がない」


 訳アリでテナは、ヒョウガ達の訓練の偵察に来ていた。


 ジャンケンで負けたことが、ここに少女が来る羽目になった原因だから。

 ―――言い訳を言っても、どうしようもない。


 「フハハハハハ。二人以外、本番のための儀式見ているだけか! ん~? 何、確かあれは、アキラ・サラ。異能をロクに扱えないはずだが。あんなこと出来るようになっていたとは!?」


 サラの守護魔甲を目撃したテナは、甘く見ていたと悔いる。


 そこへ、カナミがやって来た。


 「やっぱそうだ! 先の子だ! 恰好からして。こんな所で何してるのかな? 一人で」


 「な……見つかっただと!? 我一人で儀式の準備をだな」


「どうせ偵察だぞ!」


 見付ってしまた少女は、信憑性の欠ける嘘を言い出す。

 ―――その嘘を、後からやって来たヒョウガが、簡単に見破られてしまう。


 そして、本当の目的を彼の口から言い放つ。


 「グハハハハハ。バレたなら仕方ない。我は偵察に来たのだ!」


発覚(バレ)たことなので、自らテナは目的を暴露して。


 「んで、どうするんだ。最後まで見て行くか?」


 「そうだな。我が見てやる。後で後悔することになるだろうけどな! お前らが」


 ―――強気なテナが観戦すると言うので、俺とカナミは戻って行く。


 「んじゃあ、三対三で摸擬戦するぞ!」


 ヒョウガが、摸擬戦を始めようと言った。


「始めるぞ!」


「良いですの!」


「良いよー」


 彼の開幕の言葉に、アーティナとサラの二人が、返事を返す。


 ―――今回の組み合わせはは、ヒョウガ、アーティナ、サラとカナミ、アミリ、ミューフィの二チーム。


 「サラ、守護頑張るんだぞ! アーティナ行くぞ!」


「分かりましたよー」


「勿論ですの」


 先制攻撃を仕掛けようと言う彼に、二人は了承する。


「攻めて来るみたいね」


「き、気をつけるわよ」


「準備を完了させましょう」


 ―――カナミ達の方は、守りの体制を取る。


 先ず最初に、アミリの三、四メートルの所にアーティナが魔剣を構えて…


 それに遅れて気付いたミューフィは、出遅れてしまう。


「行くですの! 」


ゼロ距離に移動すると。


   「武装魔術<聖光(セイクリッド)魔斬(シャイングブレーク)り>!」


 覆うような光が、アーティナの周りを包み込む。

 聖なる光は、剣の方にも達していた。

 そして光り輝く魔剣が、アミリに斬りかかろうとしたのだが―――


カナミの武器は想像したものを具体化すると言うものだ。

 短時間で想像していたカナミが、攻撃を食い止める。


 「武装想像<七本(セット)神剣(ディユエペ)>!」


 「危なかったね」


 カナミが想像したのは、神に供える剣だ。


 斬りかかろうとした聖光が、神剣に吹き飛ばされてしまい。


 そして距離を取ったアミリは、七本の神剣を勿論ながら回避する。

 そしてその神剣が、宙を舞ってアーティナへと飛んで行き―――。


 「ぐはっ、げホげホ。中々やるですの」


 避ける術もない彼女は、其の儘七本の神剣を真っ正面から食らう。


 「アキラ、行きます」


手に持つ魔笛を構え口許に近付ける。


「催鳥魔術<燕返し(クイバースカット)>」


 ミューフィは、魔笛を吹いて(つばめ)を出現させて、アキラに向けて燕返しをさせた。


 ―――それと同時に、アキラも自身の腕に力を込めて異能を発動する。


「守護魔甲!」


 アキラの腕を魔甲に変えて、燕返しを文字通り返してきた。


 「ひゃああ~。強くなりましたね」


 返って来た攻撃を諸に食らい、バタン、とミューフィはその場に倒れ込む。


 成長したアキラを、体全体で感じたと言うことか。


「こ、これでも食らいなさい! 」


       「武装魔銃術<|氷炎弾《フレームアイス·ブレッド》>!!」


 アミリは銃口をヒョウガに向け、引き金を引く。


バンバン。


 アミリが放ったのは、氷と炎がそれぞれ交互に交じり合った弾だ。

 そしてその弾は、彼の居る所へと飛んで行く。


 ―――ヒョウガはこの状況で笑っている。


 風双刃を構え、アミリが放った一ミリもズレないで飛んできたそれを弾き飛ばす。


 「中々良い弾だぞ! アミリ。でも威力がもう少しないと駄目だぞ!」


 「お、思った以上に強うわね!」


と区切ると、再び風双刃を構えーー。


「んじゃあ、俺も行くぞ! 

    風双刃剣技<風女神の天斬り>!!」


刹那―――。

純白のドレスを纏う風の女神が華麗に登場。

アウラの手元に美しき刀剣が姿を表す。


 二つの刀剣で斬る仕草をした彼の合図に、風の女神が風を纏った二つの刀剣で上空から切り裂く。


 迫る斬擊を前にアミリが動く。


「そ、そうはさせないわよ。武装魔銃術<火炎の弾>!」


 透かさずアミリは、銃口を構え直して、火炎の弾を放つ。


 風神の強い風に、風の猛刃と火炎の弾がぶつかり合う。


 ―――だが、淡白とアミリの火炎の弾が敗れて、アミリの方へと強い風と、風の猛刃が降り注ぐ。


「ぐおおおぁ~。で、でも嫌な気分じゃないわよ!」


 ―――こ、こういうのも案外いいわね。


と、アミリは最後に思った。


 その頃、ヒョウガ達の摸擬戦を観戦していたテナは。


 「我の漆黒の眼が可笑しいだけか。グハハハハハ。まあ、そんな訳無いか。なら現実だと言うのか。このままでは、戦儀で敗れてしまうようだ! 愚かなチームだと思っていたらここまでの実力を持っているチームか!? 本番の為の儀式を可也行わなくてはな」


 ―――テナがそう思うのも無理が無い。

 油断していた相手が、油断できない相手だと分かったから。

 これこそ油断大敵と言うことだ。


 今のままでは勝てないと踏んだテナは、猛特訓をしようと思って部屋へと戻って行く。


 それは良いとして、摸擬戦の方は終了。勝者はヒョウガ達のチーム。


「今日はここまでだぞ!」


「凄く疲れたね!」


 「ホ、本当ね。凄く疲れたわよ」


「アタシもですの」


「ワタシもです」


「ウチも-」


 皆凄い汗を流している。それに可成り体力を消耗が激しい。

模擬戦を切り上げて部屋へた戻って行った。


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