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この運命を天使《キミ》と共に  作者: 事故物件住まいの伽藍鳥
3章 越えた先の結末
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34話 痛い子

――掲示板は学生寮一階のエレベーター横にある。


 そこへと、ヒョウガ達はやって来た。


 既に何人もの生徒が先に来ていたらしく。


 「先生、320号室と戦います」


「私達と戦うって!? 良いよ! 別に」


 「決まりの様だな。じゃあ、ここに書いておくからな」


 何処かのルームメイトの人が、知り合いらしく少女に対決を申し込む。

 それを受け付けた少女が、即答で了解すると。

 先生が決定と言う事で、ルームナンバー票の部屋の所を線で結んで決まりであることを知られた。


 「フハハハハハ。初戦はあれにしようではないか?」


「どのチームださ?」


 「アリマ·ヒョウガ。彼のいるチームだ! 愚者の集いだ、簡単だろ」


 「ああ、彼か。そうするださ!」


 ゴスロリ服の少女は、そこのリーダーに対戦相手の提案を出す。


 すると彼はそれに乗っかり、直ぐ様行動に移す。


 「おやおや、誰かと思えばアリマ・ヒョウガでないかださ」


「ん……!? 誰だ、お前は?」


 部屋番号ルームナンバーを見ていたヒョウガに、見知らぬ男がまじまじと顔を近づけて来てーー

 声を掛けてきて男に、ヒョウガは言葉を返すと。


 「(おら)のことだろうださな。ルゼイン・ディブ。同じ二年生だ。己のルームメイトと勝負ださ! どうせ己達が勝つだろうけどださ」


 その男―――ルゼインは宣戦布告をしてきた。

ルゼインはヒョウガより少し低い。


それをヒョウガは、すんなりと受け取る。


 「ああ、良いぞ! ディブはランク何だ?」


 「己のランクだ? 勿論教えてやるださ! Bだ。そしてルームメイトナンバーは、448号室ださ」


 「では、ルゼイン君がいる448号室と、アリマ君がいる450号室での対決決定ですね」


 ランクを聞かれたルゼインは、真摯に答えてくれた。

 それを聞いていた先生が、決定と言うことで票の二人のルームナンバーの所に線を引き―――これにて決定した。


 「ねえ、ヒョウガ。挑発に乗っちゃっていいの?」


 「そ、そうよ。初っ端から負けるとか洒落にならないわよ」


 「そうですの。勝つ見込みでもあるんですの?」


 「ヒョウガ先輩。決まってしまったのは仕方有りません。頑張りましょう」


「ウチは危険だと思うよー」


 カナミ、アミリ、アーティナ、アキラが途轍もなくヤバそうな顔をする。

 が―――ミューフィは前向きの姿勢だから。


 「四人共、ミューフィを見習え! 俺達は、優勝を目指してるんだぞ!」


 「そ、そうだったわね。相手のメンバーを見るわよ」


 俺はディブのチームを観察する。俺から見ても大きい大男。バッチからして三年生か。ランクは、Bランクかだぞ! 他にも、小柄な奴がいるぞ! バッチからして一年生だな。ランクはCだ!


 と、ヒョウガが男性陣を見てそう思い。


 じょ、女性陣は、痛々しげなゴスロリ衣装を着ている少女。学年は一年生。ランクは、Cランクね。あの眼鏡をかけた子、大人しそうよ。学年は二年生ね。この人Bランクなのね。最後のあの子、とても眠そうね。大丈夫なの? 学年は二年ね。てことは、私より先輩よね。ランクはBなのね。


と、アミリが女性陣を見てそう思う。


 「フハハハハハ。愚かな相手チームの様だ! 我はCランクと言うランクではあるがそれは偽りだ! (フォース)を目覚めさせずに戦ってるからCランクだ。闇の力が覚醒すれば、Aランク位は有るのだ。それに全てを闇に包み込むだけの力があるんだ」


 「俺の苦手なタイプだ! こいつ」


「・・・・」


「これは一勝貰っただべえ」


 「はああ~。もう駄目眠気の限界が来たかも」


 「では、五日後の午前十時です。場所は競技場です。もういいです。帰ってください」


 ―――厨二病発言する少女を、彼は苦手タイプだとぼそりと言う。


 赤い眼鏡をかけた大人しい少女は、何一つ喋らない。

 小柄で、喋り方が訛なまっている青年は、強気のご様子。

 とても眠たそうな少女は、限界が来たと言ってウトウトし始また。


だからか、先生は早々と日時と場所を伝え終わってから。


 「我は魔力の使い過ぎで疲れた。帰る」


 「魔力なんてないだろ! テナ。まあ、長用する意味が無いから帰るのには賛成だ」


「己も帰るださ!」


 ヒョウガよりも大きい男が、テナと呼ばれたゴスロリ服の少女の肩を叩く。

テナンはミューフィと同じくらいの背だ。



 そこで魔力など無いだろうと、現実を突きつけたが、帰ることには賛成らしい。


 ――ディブが遅れて戻って行くぞ!


 とヒョウガは、ルゼインの動きを心の中で言う。


「―――何か、凄い人達だね」


 「そ、そうね。特に印象的だったのは、あのゴスロリの子よ! あんな子いたのね。気付かなかったわよ!」


 「まあ、油断出来ない相手だ!」


 ―――ヒョ、ヒョウガ先輩の言う通りね。ああ見えて強いかもしれないわよ。


 と、彼の横顔を見たアミリは、相手の事を思い直すことにして。


 ルゼイン達を見たカナミが、素直な感想を言う。

 アミリは、厨二病の少女が一番印象に残ったと言った。


 ―――それを見たヒョウガは、油断してると思い注意した。


そして部屋に戻って行く。



450号室のリビング。


 「んじゃあ、先ず予定を決めるぞ!」


 「そ、そうね。スケジュールタップリが良いわよ!」


 「んや、タップリすぎるのは良くないぞ! まあ、少なすぎるのも良くないがだぞ!」


 特訓のスケジュールを、全員が集まってから話し始めた。


 ぎっしりとした方が良い言うアミリに、そこまではしないと言ったヒョウガだが、ただ手抜きもしないと言う。


 「スケジュールはこうだ。 午前二時間。午後二時間の合計四時間」


 「そんな短時間で良いですの?」


 「ああ、勿論。 四時間を有効に使えば大丈夫だ!」


―――これ位あれば勝てるぞ!


有効に使えば勝てると言う。


 ―――ヒョ、ヒョウガ先輩が言うなら間違いないわね!


 と、アミリは、ヒョウガに対して絶対的信頼得ているらしく。


 スケジュールを伝えた彼に、アーティナが良いのかと聞いて来た。

 ―――それに対して、有効活用すれば大丈夫だと示唆する。


 「んじゃあ、早速特訓始めに行くぞ!」


「勿論私は良いよ」


「アタシもですの」


 「ウチも良いよー。だって早く強くなりたいから」



 「そんな早く強くはなれません」


――み、皆賛成みたいね!


 と、アミリは皆の様子を見て思う。


 てなわけで、六人全員で外に出た。


 先ず向かったのは競技場だ。


 ごちゃごちゃ。ガシガシ。バシッバシッ。バンバン。


 何所かのチームが、彼方此方で特訓を繰り広げていた為、使えそうにない。


 それなので、バトル施設の方に向かう。

 

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