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この運命を天使《キミ》と共に  作者: 事故物件住まいの伽藍鳥
2章 怨みの象
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番外編7 宿題地獄Ⅲ

「じゃ、じゃあ続きするわ」


「そうだよー」


 「ああ、アミリのプリントは後少しだぞ!」


「そ、そうよ。後七枚」


 母の一声で、夏休みの宿題を続行する。


 やっとアミリのプリントが、七枚まで減った。


 それに比べて、サラは雑誌全頁が残っている。


アミリのプリントの方は、


 「か、家庭科をやるわよ。これはさっと終わりそうね」


「ああ、そうだな」


 アミリが問題を見て、さっと終わる程の簡単な問題だった。ヒョウガも否定せずに肯定した。


 (ちょ、調理する時の食材の切り方の問題が有るわよ!丸一のイラストは、食材に対して斜めに寝かして削ぐ様に切る切り方ね。銀杏いちょう切りよ。分け方は、、半月でも大きい場合よ)


 アミリはそう思い浮かべながら、シャーペンでカッコに書く。


 (こ、こっちは、#賽__さい__#の目切りよ。切り方は、サイコロのように立方体に切るよ。これは、乱切りよ。細長い食材を回しながら切るやつね。最後の所は、笹垣ささがきね。笹野は見たいに薄くて細く削った奴だからよ)


 一枚目のプリントはもう終わった。

 二枚目のプリントで、料理のレシピ問題と作り方問題を次にやる。


 ビーフストロガノフのレシピの所にカッコが五個、がる。


 (ぎゅ、牛肉にカッコに、胡椒、薄力粉、カッコに二つ、玉葱、マッシュルーム。それに、バター、トマトベースト、カッコ、薄力粉、食塩に、カッコね)


アミリは心の中で問題を読んでから答えた。


 (さ、最初のカッコは、食塩ね。次のカッコは、パプリカとサラダ油。後の二つは、ブイヨンとサワークリームね)


 そうやって頭の中で答えてから、実際に答えを記入。


その後、下の問題を読む。


 (な、何々、ビーフストロガノフの作り方の順に並べなさいって書いてあるわね。先ず、野菜を準備して、次にお肉を準備するわよ。その後、野菜を炒めて煮るわよ。それが終わってから、お肉を炒めて煮るのよ。で、最後に盛り付けて完成よ)


その順番に並び替えた。


これで二枚目を終了。


 後五枚で、次にやるのは家庭科三だ。これで家庭科は最後になる。


 『被服気候は何か? 伸縮性素材は何に使われているか? 皮膚障害は何により起きているか?  組成表示性能表示、洗濯などの名に表示?』


ここはスラスラとかけた。


 下の方は、繊維には、天然繊維と何?(ニ)には、反合成繊維、合成繊維と何に分けられる?と書かれてある。


 一番下の方には、洗濯方法と洗剤と言う問題がある。


 『内容は、ランドリーと勇気洗剤で洗う何? 家庭洗濯は何? 洗濯用洗剤は何の種類と配合剤によって、#石鹸__せっけん__#、合成洗剤に分けられるのカッコは何? 洗剤には各種の何が配合されているか。酵素、増白の為の何などがあるか』と書かれてある。


 「どうだ、アミリ。分かるか?」


 「わ、分かるに決まってるでしょ」


 (か、乾式洗濯よね。次は、湿式洗濯。三つ目は、界面活性剤よね。四つ目は、助剤よ。最後は、蛍光剤よ)


 あっと言う間に答えを記入していく。


 次の問いは、界面活性剤の働き方の確かめ順だ。


 選択肢は、分散作用、浸透作用、再付着防止作用、乳化作用とヒントがある。


 (さ、最初は、浸透作用ね。次は、乳化作用。三つ目は、分散作用よ。最後は、再付着防止作用ね)


 このプリントの最後の問題である被服の構成と製作工程に取り掛かる。


 『問題の所は、直線的に裁断した布を縫い合わせて作る物を何の被服と言う? 二、体の形に合わせて立体的に組み立てられたものは、何の被服と言うか? 手作りの場合の流れ通りに並べる』と書いてある。


 (こ、これも簡単ね。一は、平面構成よ。二つ目は、立体構成。手作りの流れは、デザインの決定。採寸型紙の作成。布用具の準備。裁断しるし付け、仮縫い。補正、本縫いで、最後に仕上げよ)


 アミリは、答えの所にそう書く。


サラの方はと言うと、


「遂にここまで来たよー」


 サラは、ヒョウガの母に教えて貰いながら、後少しと言う所まで来た。

次は、数学の所だ。


二人共ラストスパートだ。


 シャーペンを走らせてスラスラと答えを記入していく。


 「ど、どうよ! どこか間違ってる?」


 「んや、間違って無いぞ! 正解してるぞ」


 「ホ、本当。良かったわよ!」


 (俺がアミリを見ていると、目の前に終わったプリントを見せて来たぞ! 正解かどうか確認してやったら、全問正解だった)


 と、ヒョウガは、アミリのプリントと、本人を見て思った。


 次のプリントも、少し考え込む仕草を見せたが、何十分かかけて、終わらせた。

 三枚目は、悩むほどの問題ではなく、スラスラと終わられたのだ。


 遂に、アミリのプリントは残り一枚になったのである。其のプリントは、美術である。


「わ、私に絵を描けっていう訳!? 無理に決まってるわよ」


 「俺は好きだぞ! アミリの独創的な絵!!」


 「そ、それ、喧嘩売ってるわよね其れ」


 最後が選りによって、アミリの苦手である科目なので不機嫌になる。


 それを見て、ヒョウガはいい意味で言ったつもりではあるが、アミリは悪い意味で捉えてしまう。


 「ま、正直言ってこういうのは思った通りで良いと思うぞ。大事なのは気持ちがこもってるかどうだと思うぞ! 何でも気持ちがこもって無いと意味が無いからな」


 「わ、分かったわよ! やって見るわね」


ヒョウガにとっての思いを伝えると、挑戦することに。


 お題は花である。そして、アミリが選んだのは、#向日葵__ヒマワリ__#だ。


 (う~ん。や、やっぱ無理な気がするわよ。でも頑張るわよ。ヒョウガ先輩がああやって言って応援してくれたんだから)


 アミリは、好きな人の前で良い所を見せよと頑張ることに。


 そして、アミリはシャーペンを走られて、時折消しゴムで消すこともあったも、自分にとっていい作品が出来たのであった。


 「ど、どうよ。こう見えても頑張ったんだからね!」


 「おお、上手いじゃないか! アミリの気持ちがこもってるぞ」


 そう言って、ヒョウガはアミリの頭に手を置いて、ポンポンしてからの、髪の毛ぐしゃぐしゃをしてくるのだった。


「良くやったぞ! アミリ」


 「う、嬉しいわよ。あ、ありがとう・・・・」


 アミリは、胸がキュンとなっていた。頬の方は真っ赤に染まっていた。

 それで、肩を竦めて言い放つ。


 サラとヒョウガの母は、そこには居らず別の場所で佇む。


 ヒョウガの母が、口を割って言う。


 「ねえ、サラちゃん。私の勘だけど、アミリちゃんてヒョウガのことが好きなんじゃない?」


「そうだよー」


 母は思った。アミリが息子に好意を寄せてるのではないかと言う事を。

 サラはその答えとして、頷いて言う。


 「ああ見えて気付いてないように振る舞ってても

、ストレートな好意には気付くのよ、ヒョウガは。だからもし好きになってたとしても気付けないわ。 だって今迄人を好きになったことないみたいだし」


 「そうだったんだー。そう言えば、ヒョウガ先輩のお父さんとは会って無いなー」


 鈍感なのだと思えた彼だが、別にそうではないらしい。

 聞いていたサラが意外だと思った。

 そしてそれから、一度も姿を見せずにいた父のことを聞く。


「四年前に死んだわ」


「悪い事聞いたよー」


「良いわ。気にしないで」


「・・・・」


 珍しくサラが、それ以上の言葉を掛ける事は無い。


「そろそろ戻るわ」


 ヒョウガの母の一声で、リビングへと戻って行く。


 ヒョウガとアミリはプリントを整理していた。


アミリは凄く嬉しそう。


 髪クシャクシャを、してもらってからヒョウガに、「その笑顔、今まで見た中で一番かわいいぞ! お世辞なしに」と言われ。


そう言われてからこの調子。


 そこにサラと、ヒョウガの母が戻ってきた。


 「アミリちゃん、嬉しそうだわ! 何かあった?」


 「な、何か悪い? それに何かあったって、特に何もないわよ。それよりもサラの方は終わったの?」


「うん。終わったよー」


 ヒョウガの母が、アミリが嬉しそうなので気になって聞くと、問題あるのと言い、其れに何もないと言う。


 話題を無理矢理サラに変えると、サラはブイサインをして答えた。


 そうである。二人は、ヒョウガと母の力を借り何とか宿題を終わらせることが出来たのだ。



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