表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この運命を天使《キミ》と共に  作者: 事故物件住まいの伽藍鳥
2章 怨みの象
27/152

22話 悪夢

二日目の午後は客間で遊んでいた。


 遊んでる内に、時間を忘れて気が付くと、外は真っ暗になっている。


「皆様。ご夕食のお時間です」


カレロが呼びに来ると、全員で食卓に向う。


 今日の夕食のメニューは、ディッシェのようだ。


――俺は辛口だ。


ヒョウガは辛口らしく、カナミ、アミリ、アーティナは中辛。ミューフィとアキラは、甘口をそれぞれ選んだ。


 良い匂いに、お腹がリズミカルに鳴り響く。


 「こ、このディッシェ、コクが効いていて美味しいです。家のよりも辛いです」


 「俺の所のディッシェより美味しいぞ」


 「本当。私の家のより辛いけど美味しい」


 「ワタシの家のディッシェより本格的でとても美味しいです」


「何時も以上に腕を振るってるですの」


ディッシェの感想をそれぞれ言う。


 そして皆が食べ終わると、フォーカムが全員の食器を下げ…


部屋へと戻って行く。


 戻ってから、お風呂に入りに行った。それが済むと、歯磨きをし、洗面所に向う。


それが完になった。それから電気を切ったんだぞ!


 そうして、ヒョウガは眠りに就く。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



  アミリの部屋


 「すう~ふう・・・・・・んんう・・・・・・すう~」


 アミリの健康的な寝息が聞こえてきた。


だが、夜中になると、


 「うう~ふう・・・・・・ふう・・・・・・うう~」


 アミリは、悪夢に(うな)されーーー。


 「はあはあ、ゆ、夢!? カナミ先輩、ちょっと怖い夢見てしまって、一緒に寝てもらっても……」



「ぐう~ぐう~」


 添い寝を頼もうとするも、ぐっすり眠ってるのを起こすのは、気が引けたのだろう。


 ―――あ、あんな怖い夢見たのに一人で寝れる訳無いじゃない。


 と、恐い夢を見た所為で、一人で眠れなくなったアミリは、ある行動に出てーー。


           ◇ ◇ ◇ ◇



 「すう~ふう・・・・・・んんう・・・・・・すう~」


 トントンと、ヒョウガが居る部屋のドアをノックする音。


 「ん……!? ああ~誰だこんな時間に‥‥」


「わ、私よ。悪夢を見たのよ」


 「ん~分かった。入れよ、アミリ」


 寝ていたのを起こされて、欠伸交じりに呼びかけると、名を名乗って理由を言う。


 「まあ、もうこんな時間だからベットに来いよ。寝るぞ!」


 ストレートに誘ってくるとアミリは、


 「と、隣のベットで良いわよ。別に…」


 「でも、悪夢に魘されてたんだろ。内容は聞かないでおいてやる」



 それを聞いたアミリは、ヒョウガが何時もよりも優しい事で、瞳には涙がうかんてしまう。


 「偶には泣いたって良いんだぞ。誰にも言わないでおいてやるからな。何か勘違いされるかもだぞ! だから存分に泣いて良いぞ!」


 「グス、グス。あ…ありがとう。うぇーん。ぐす、ぐす。私は悪くないわよ」


 「よしよし。アミリは悪くないぞ。どんな怖い夢か知らないけど、これだけは言うぞ! 俺がいるぞ。何かあったら何時でも言え。慰めてやるぞ!」


 ヒョウガの目と鼻の先で、横になっていたアミリの頭を優しくなで、慰めの言葉を続ける。そして励す。


 「ぐす、ぐす。う、うん。そうするわよ。だ、抱き締めて……」


 ―――って、な、何言ってるのよ私は。こんな状態だからって。


 アミリは、自分で言った言葉で頬を赤らめてしまう。


 「そんなことで良いのか。張ちゃんと泣き止めよ」


 ギュッ、大きな体と腕で抱き締めた。少女の小さな体を。


「あ、ありがとう」


アミリにとってこれが一番効果的のようだ。

すっかり泣き疲れたアミリ。


「すう~・・・・・・す~う……す~……」


「寝たみたいだ」


 余りにも近過ぎる為、寝息を間近で感じてしまう。


 ――瞳には、未だ涙が溜まっていた。その目をハンカチで拭いてあげた。

寝顔が安心したように穏やかな表情になっていく。


ーーーそして、ヒョウガもすぐに眠りに就いた。



時刻は深夜二時三十八分。


「はああ~トイレ、トイレ」


 アキラがトイレのある方へと歩いてると、青い火の玉と、其れを連れる人影が窓から見えーー。


「火の玉!? 幽霊だー」


 青い火の玉は、段々と近付いてきて、男の様な幽霊もこちらに続く。


恐さのあまり、トイレに逃げるように駆け込む。


「怖い物を見たなー」


 暫く経ち、用を済ませ部屋へ戻る最中、様子を窺うと、


「あれ? 居なくなっている」


 ーーー火の玉は疎か男の幽霊も姿が見えなくなっていった。


 モミナ家の別荘二日目。この日幽霊が目撃された。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ