番外編3 テスト
―――とうとうやって来たテスト当日。
ヒョウガ達のクラスの様子とは言うと。
「やべ~テストだ。赤点だと追試だよ」
「それヤバいよね」
前の席に座ってる男子と、その友達らしき女子がテストと言う事もあって慌て気味の様子。
それに引き換えヒョウガはと言うと。
「ん……!? 皆慌ててるな。まあ範囲は広いから仕様が無いか」
「冷静だね、ヒョウガ。僕も今回は自信があるんだよ」
「珍しいな。エイトがそんなに自信持つなんてな」
後ろの席に座るエイトが、何処か自信あり気ではないか。
「今日最初のテストは何だったっけ?」
「それはな、化学だぞ!」
「そうだったかい。可成かなり覚えるのに手間が掛かったからね。最初で助かったよ」
最初のテストが化学だと言われ、一安心して胸を撫で下ろしたエイト。
―――カナミの処のクラスはと言うと、
「ついに来たね。テスト本番!」
「そうだな! ボクも途中参加だったけど、テストがあるんだな。全然ヤバいな」
「勉強してきたなら大丈夫だよ!」
どうやらカナミは、テスト直前にも拘わらず余裕そうそうだ。
それに対しライディスは、不満を漏らす。
「最初のテストは、古代文の歴史だね」
「そうだな! これには自信はるんだ。徹夜した所為で、クマが出来たし凄く眠いんだけどね」
「それなら良かった。でも寝不足はお肌に悪いよ」
「気を付ける」
カナミが言うと、ライディスが余裕そうに言う。
彼女の目には隈が出来ていた。
―――アミリ達のクラスはと言うと、
「遂に来たね、テスト…」
「あ,あれだけやったんだから大丈夫よ!」
「そうだぜ」
いつも通りのテンションでローゼンが言うと、アミリが緊張してるチャリと、平常心を保ってる振りをするローゼンに言う。
するとチャリが、友達の言葉で、嘘のように震えが治まった。
そして何時も通りに戻って。
「最初のテストは、美術だっけ?」
「そ、そうよ」
「美術は、絵画も出るんだよね」
「そ、そうなの!?]
チャリが確認の為に聞くと、アミリがあってると言う。
そしてローゼンは、テストの内容に絵画があると告げると。
それを聞いた途端にアミリは驚いてしまい、その反応を見てチャリがこう言う。
「アミリ、絵画は駄目なんだよな」
「い、今に始まった訳じゃ無いんだからほっときなさいよ」
「でもさ、テストに響くんじゃない? 多少でも」
「・・・・・ッ」
何も返す言葉が無い。正論だからで。
―――まあ、そんな感じ。
―――ミューフィとアキラのクラスはと言うと。
「頑張りましょうね、アキラ」
「おー。頑張ろー! 追試は回避するよー」
ミューフィがヤル気満々に言うと、サラも同じくヤル気に満ち溢れた意気込みを言う。
ミューフィ達のクラスの最初のテストは、保健体育だ。
そして―――テスト前の勉強時間が始まった。
時間は約ニ十五分程。
この時間の使い方が、勝負の鍵を握っていると言っても過言ではない。
しっかりと皆が、勉強をしてるような様子で。
テスト勉強の時間が終わり、HRが始まり―――
HRルームは何所のクラスも十分前後で終わる。
放課もテスト勉強に更けている人が多い。
そんな中、もう諦める生徒も出始めて。
そして十分が経過し。
キーンコーンカーンコーン。キーンコーンカーンコーン。
とチャイムが鳴った。
―――ヒョウガのクラスの様子はと言うと。
解答用紙が配られて、問題用紙に必要事項を記入。
それからテストを始めようかとしていて。
テスト時間は六十分間だ。
問題を見るなり、ヒョウガはスラスラと答えを記入していく。
エイトの方は。
―――この化学式の解き方忘れたよ。確か、これがこうなって、これが解らない。これは・・・・・パスだね
難解問題の一問を、途中まで考えた彼だったが、遂にはギブアップをしてしまい。
他の処は、自分の覚えた通りに書く。
―――カナミのクラスはと言うと、
―――あ、これガッツリ勉強しておいた箇所だ。これは赤点回避だだね。
と、スラスラと答えを書いていく。
他の箇所もすんなりと書いていた。
ライディスの方は―――
偶に難しい顔をする場面もあったものの、何の問題も無い様子。
―――よし、これでこの教科は赤点回避だ。
と、ライディスは見直しを済ましてそう思う。
アミリのクラスはと言うと。
―――も、問題の方は思ったよりも簡単ね。それよりこっちの問題は……
そう言って、絵のお題の物を見てみると。
―――う、うん。これは難易度高いわね。下手な私に喧嘩売ってる訳? オムライス何て描ける訳無いでしょ!
とアミリは、お題を見た瞬間速くも諦めモードに。
―――お、これ分かる問題だ。こっちはう~んと、あ、思い出した。ここ昨日の夜に勉強した問題だ。
分かる問題を先にやったチャリが、途中で思い出してそれを書いた。
―――オムライスの絵か!? 教科書に載ってたの覚えたから大丈夫。
チャリの方は、オムライスの絵も大丈夫らしく。
―――意外に難しくない? 美術だけは勉強する時間なかったんだった。
首を捻るローゼンは、最早絶望に瀕している。
―――が、
―――絵の奴が三つもある。これで点数稼ごう。絵は自信あるし
勇逸挽回出来そうな絵があったため、自信有り気に描き込む。
―――あ、この問題、授業で最近やった処だった。思い出せた
何とか思い出した答えを記入する。
赤点をぎりぎり回避出来るのだろうか。
―――ミューフィとアキラのクラスはと言うと、
―――覚え易い処が出てくれて助かりました。少し難しい問題がありますがこれなら問題ないと思います
集中力を切らさないミューフィだが、一寸身が軽くなったようだ。
赤点回避出来ると、確実に思っているに違いない。
―――これは覚えておいた所だー。あ! こっちはややこしい問題だー。う~んと、解んないよー。勘で書いておこう
スラスラ解答を記入するアキラだったが、途中で行き詰まってしまう。
恐ろしい事に彼女は、直感を頼ることにしてしまう。
そして六十分が終わり、最初のテストが終わった。
休憩時間も有意義に時間を使う。
そして十分が過ぎ、二時間目のテストが開始されて―――。
ヒョウガのクラスは、美術のテストだ。
簡単そうにヒョウガは、スラスラと解答を記入していき、絵の問題も手こずること無く難無く終わらす。
エイトの方も、スラスラとはいかないものの、少し考えれば出てくるという感じで、其処まで苦戦してない。
カナミのクラスは―――保健体育のテストだ。
時折悩む素振りを見せるカナミだったが、何とか空欄無く埋めた。
―――当たっていれば、間違いなく点数が良い。
ライディスは、悩みに悩んだ挙句に勘で書く事にして。
アミリのクラスは―――数学だ。
アミリは、少し考え込んでから、問題を最後まで解いていく。
うー~んと考えたチャリは、何度も計算式を書くも、面倒になって勘で書く。
ローゼンは、スラスラと解き明かしていく。
―――ミューフィとアキラのクラスは家庭科だ。
ミューフィは、問題を読むなりふむふむと、と頷いて答えを記入していく。
アキラは何度も問題文を読み返して、納得がいったようで、答えを記入していった。
そして六十分が経過すると、チャイムが鳴って二時間目が終わる。
―――その後も、放課、三時間目、放課、四時間目と昼放課、五時間目、放課、六時間目とテストは進んで行く。
次の日も一時間目がテストで、そしてテスト終了。
「はあ、やっと終わったね。どうだった?」
「わ、私は大丈夫だったわよ」
「私はちょっと自信あるんだよね」
「私は、数学は勘で答えたからな!」
―――テスト終わりのアミリの教室。
聞いてくるローゼンに、アミリは大丈夫と、自信満々に言う。
ローゼンは、一寸ちょっと自信が無いと素直に言う。
そしてチャリは、勘で答えたと爆弾発言をする。
「あ、あれを勘で答えた訳!? それ大丈夫?」
「赤点じゃない」
どうしよう」
サラの肩を掴むなりアミリが言うと、ローゼンもそう告げた。
それを聞いてチャリは、今になって焦ってしまう。
「他の教科はどうなのかな? 私は、美術の空欄の処以外大丈夫だったよ。そうだ! アリミちゃん絵画どうだった?」
「き、聞かないでよ。ホント意味わからないわよ。何でオムライス何て描かせるのよ」
「私は、教科書に載ってるの覚えたよ」
当たり前のようにローゼンが、アミリに苦手な絵画について手応えを聞くと。
お題の一つのオムライスの愚痴る。そこでさり気なくチャリが、教科書のを暗記したと言う。
「で、でも大丈夫よ。他の処は張と書いたんだから」
「それなら安心だね」
アミリが、無い胸を張ってそう言う。
それを聞いたローゼンが、嬉しそうに言った。
―――ミューフィとアキラのクラスは。
「アキラ、どうでした?」
「保健体育、数学、生物基礎は自信ある。後の教科はヤバかったよー」
「そうですか。私は、まあまあ出来た気がします」
アキラの近くに遣って来たミューフィが、テストの出来を聞く。
三教科には自信があるようだったが、他の教科は危ないと告白。
彼女は、アキラと違って全教科に少なからず自信があるらしく。
―――ヒョウガの処は、
「やっと終わったな。エイト」
「そうだね」
「どうだったんだ? 今回は」
「そうだね、まあまあの出来かな」
後ろを向いたヒョウガは、エイトに話し掛けて。
テストの出来を聞かれ、まあまあだと答えた。
「そういうヒョウガはどうだい?」
「今回も良かったぞ」
「流石だね」
エイトが聞き返すと、信があると言うので―――流石と褒めて。
カナミの処は。
「やっと終わったね。ライディス」
「そうだな。凄く疲れたよ」
「私も。テストの方どうだった? 私は少なからず赤点回避は出来た」
「ボクも赤点回避は出来たと思うよ」
ライディスは、隣の席から話し掛けてきたカナミに、心境を伝える。
そしてテストの方は、最低ラインである赤点は魔逃れたと言う。
「部屋戻ったらゆっくり休もう」
「それは良いね」
―――今は早く戻ってリラックスしたい様子だ。
そして長かったテストは、終わったかに見えた。
 




