129話 VS狼の面を付けた男
明けましておめでとうございます。
予定より1日遅れましたが最新話更新しました。
今年も宜しくお願いします。
今年で4章終わります
「····ん!?」
何かに気付いたのか、アキラがアミリとミューフィを一目の付き難い方へ上手く誘導する。
「また何か来てるよー。多分この前のやつ~」
「ホ、ホント!? でも確かに何かが猛スピードで移動しているわね」
目では到底追うことの出来ない相手が音も無く間近に迫っていた。
「二人共、後ろです。後ろ」
サーベルの尖端をギリギリで躱わす二人。
「また来たなー」
「あ、あんたね。この前アキラを狙ったのは···」
「目的を果たさないといけないからさ。その通りさ」
顔を見せた狼の面を付けた男に、警戒体制で望む。
アミリの問いに誤魔化すことなく頷くと、高速で動き出す。
「ど、どこから来るのかしら」
「準備するよー」
そう言ってーーー
「武装展開!!」
武装展開を行う。
着ていた洋服がコンマ数秒で制服風のバトルフェアへ変化しーー
契約している其々の武器が虚空から出現しアミリとミューフィは武器を掴んだ。
アキラもまた呪文を唱えて真っ白な妖精を呼び出した。
「ど、どう見ても話し合いで解決出来そうな相手じゃないだろうし、やるしかないわね」
とアミリは悟った。
目にも止まらぬ速さで移動する相手は、音も無く気配すら消して近付くと。
「き、来たわよ」
透かさずアミリがその事に気付く。
「剣技〈雷霆斬り〉」
レクトがアキラの懐に飛び込んだ。
激しい雷を発生させ、上空へ斬りかか…
寸前で一発の弾丸が背後から放たれた。
弾丸は速く、回避する間もなく着弾してしまう。
その隙にアキラは、レクトとの距離を取った。
弾丸が貫通し、血が滲み出るも直ぐに血が身体の中へ戻っていく。
「血が身体の中に戻って行きました。どう言うことだしょう」
「た、只者じゃなたとは思ってはいたけど」
「あれが彼奴の能力だよー」
異様な光景を目の当たりにし、二人は驚きを隠しきれない。
再びレクトが何処かへと姿を消す。
次は何処から現れるのだろうか。
高速で移動するレクトを、周囲を警戒しながら背中合わせに待つ。
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遊園地の方は。
昼飯を終えたヒョウガとリーフの2人は、アトラクションを方へ向かう。
アトランタの入り口に着き最後尾に並んだ。
「そこまで時間掛からなさそうだな」
「良かったのじゃ。そこまで混んでなくて」
そんなことを話している間に、自分達の番が回って来る。
「足元にお気を付け下さい」
係員の指示に従い、ゆっくりとボートに乗り込む。
少し経ち、ボートが滑るように動き出す。
暫くして船体が波を切る豪快な水音が聞こえた。
「風が冷たいのじゃ」
「確かに冷たいな」
冷たい風が頬を撫でる。
エリア内をゆっくりお回っていく。
「こう言うのも良いのじゃね」
|ああ、ボートって良いよな」
二人はボートを楽しむ。
一周して戻って着てボートが止まり、降りていく。
「次は何乗ろうか?」
「あれに乗りたいのじゃ」
そう言ってリーフが指を指したのは、海豚の形をしたジェットコースターだ。
「良いぞ」
二人は海豚のジェットコースターのある方へ向かった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ミューフィに標的を変え、音や気配を消して近付く。
「催鳥魔術ーー」
魔笛を構えて吹いて魔法の準備をし、
「〈火食鳥の蹴撃〉」
レクトがミューフィの懐に飛び掛かる。
魔笛を吹くと、虚空から火食鳥が出現。
懐に入ったレクトを全力で蹴り飛ばす。
衝撃を抑えるため、身を固めた。
身を固めた事により、地面への転倒時の衝撃を最大限に抑える。
ーー次は本気さ
更にスピードを上げ、高速で移動し音も無く気配すらなく近付くと。
「剣技〈雷落殿〉」
サーベルを構えてレクトは技を発動。
上空に突如として雷雲が発生し…
発生した雷雲が、強力なエネルギーを貯め始めた。
エネルギーが貯め終わると、彼方此方に雷を落とす。
三人はそれぞれ雷を回避した。
ーーしかし全てを回避することなど到底出来やしない。
「ぐあぁぁ…」
「ぐあっ…」
「ぐっ…」
三人は呻吟するのであった。
体が痺れていき、激しい痛みが襲う。
「妖精何とかしてー」
「はい、マスター。了解です」
マスターの呼び掛けに答えると。
「〈アルール・ピオラ・ヒールア〉」
真っ白な妖精が呪文を唱えた。
幾つもの光が三人に降り注がれる。
すると傷と痛みが消え、完全に回復していく。
「流石は妖精の力と言ったところか」
と感心するレクト。
「い、行くわよ」
「ワタシも行きます」
アミリとミューフィが同時に攻撃を仕掛けた。
相手は避ける仕草を見せない。
その必要はないと言わんばかりに。
銃を構えスコープからレクトを覗き込んだ。
「武装魔銃術〈太陽の弾〉」
火薬の弾ける振動と共に、高速で回転する弾丸。
弾丸は次第に形を変え、巨大な灼熱を持つ太陽に。
太陽に変化した弾丸は発射口から発射された。
灼熱の太陽は瞬く間にレクトの心臓へ飛んでいく。
再び魔笛を構えたミューフィが仕掛ける。
「催鳥魔術〈扇鷲の激突・零〉」
ミューフィが魔笛を吹くと。
上空に扇鷲が姿を現す。
上空から狼の面を付けた男目掛けて落下していく。
レクトに直撃する。
直撃したにも拘らず、喰らったダメージが次第に消えてしまう。
「剣技〈氷光雷光〉」
サーベルを構え、レクトは技を発動。
剣先から、レーザービームと雷光が放たれた。
ターゲットにされてしまったアキラ。
「妖精、何とかしてー」
「はい、マスター。了解です」
マスターの指示が出されると。
「〈ヴィルール・アーラ・カラレート〉」
真っ白な妖精が呪文を唱えた。
アキラの周囲を、張り巡らされた結界が覆う。
頑丈な結界で光線を防いだ。
「何度やっても同じだよー」
「此方だって諦める訳にはいけないのさ。負けることは決してあってはならないのさ」
だから降参してと促すアキラに、レクトは首を横に振った。
返事を返し再び高速で移動する。
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遊園地西エリア。中心部よりやや北側にある海豚のジェットコースター。
列の真ん中辺りにヒョウガとリーフは並んでいた。
人混みはそこそこあり後ろの方は結構な人だ。
三十分程が経過した頃。漸く自分等の番となってーー。
海豚の形をしたライドに乗り込んだ。
このライドは八人乗りで、二人は後ろから二列目だ。
前の二列は、どうやら子連れ親子らしい。
ヒョウガ達の後は若いカップルであろう。
安全バーが下り、ライが動き出す。
レールの上を少しずつスピードを上げて駆け抜けていく。
上昇していくと、クルリと一回転する。
「「きゃあぁぁ~」」
ライドから悲鳴が木霊し…
勢い良くレールの上を駆け抜けていく。
スピードを緩めて再び上昇。
頂上へ達すると一回転し、急降下した。
「「きゃあぁぁ~」」
再び悲鳴が木霊した。
勢いを増しレールの上を滑走。
出口の方へ近付くとスピードを落とし、出口付近で停止する。
安全バーが上がり、係員の指示でライドから降りた。
「回転する系も楽しかったのじゃ」
「分かるそ。スリル満点で良かったな」
出口へ向かう最中二人は感想を言い合う。
「次は何がしたい?」
「そうじゃね···」
アトラクションを出て少し歩いたところで.ヒョウガはリーフにパンフレットを渡す。
「ゲームがしたいのじゃ」
「ん···分かった」
ヒョウガとリーフの二人は東エリアの隅にあるゲームプラザへ向かう。
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「剣技〈光鎖闇縄〉」
ーー刹那。
アミリの全身に白い鎖と黒い縄が出現。
白い鎖と黒い縄が二重となって少女を拘束しようと動く。
「妖精何とかしてー」
「間に合いません、マスター」
妖精に指示を出すも既に遅く、拘束されてしまう。
「これで終わりさ」
「剣技〈滅光死雷〉」
ーー刹那。
光と雷雲が何処からともなく現れる。
その光は滅びの光だ。
雷雲がゴロゴロと鳴り響く。
滅びの光を雷雲に放つ。
レクトがサーベルを振り下ろす。
レクトの動きに合わせ、滅びの光を浴びた雷雲から雷が落ちた。
「妖精、何とかしてー」
「はい、マスター。了解です」
マスターの指示が出ると。
「〈ヴィルール・アーヤ・コフィレーゼ〉」
ーー呪文を唱えた。
刹那。妖精の加護が、張り巡らされた超強力な結界でアミリの周囲を覆う。
結界と衝突する滅びの光を浴びた雷。
凄く強力な雷はあるが、妖精の方が上であった。
強力な結界により、雷が打ち消されてしまう。
ライフルを構えたアミリは、スコープからレクトを覗き込んだ。
「武装魔銃術〈虹炎の連続弾〉」
狙いを定めて、引き金を引く。
ーー火薬の弾ける振動と共に、高速で回転する数発の弾丸。
弾丸は次第にか達を変え、虹色に燃え上がる炎に。
虹色の炎へ変化した弾丸は、発射口から連続で発射された。
虹色の炎は瞬き間にレクトの心臓を連続で撃ち抜く。
血飛沫が勢い良く飛び散るも、次第に回復していく。
「や、やっぱり効かないわね」
「あの能力を何とかしないといけません」
「妖精の攻撃なら偶に効くよー」
攻撃しても回復する相手に、唸るアミリ。
攻略の仕方に悩むミューフィに、アキラのヒントで何かを思い付く。
「相手の狙いをワタシと、アミリに集中させてる間にアキラが仕掛けて下さい」
「お、囮は任せなさい」
「ありがとー」
ミューフィの指示で二人は動く。
魔笛を両手で構えると。
「催鳥魔術〈火食鳥の蹴撃〉」
魔笛を吹く。
すると裂けた虚空から火食鳥が出現する。
火食鳥がレクトを蹴り飛ばす。
自分の方へ気を引かせることに成功した。
アミリもライフルを構えスコープからレクトを覗き込んだ。
「武装魔銃術〈炎神の弾〉」
狙いを定めて引き金を引く。
ーー火薬の弾ける振動と共に、高速で回転する弾丸。
弾丸は次第に形を変え、炎の神に。
炎の神となった弾丸は、発射口から発射した。
炎神の弾丸は瞬く間にレクトと撃ち抜く。
身体が燃え上がるも少し経て元通りに戻っていく。
「目障りだから先に二人から消してやるさ」
邪魔者から消そうと動く。
「妖精。あれやってー。この前使ったやつ」
そう指示を出した。
次回狼の面との戦いはどうなるのか!?
デートの裏で起きてる戦いの行方は如何に
近いうちに最新話更新します




