126話 襲撃の備え
僕には大切な妹がいる。とても賢い妹だ。
妹さえいれば、例え学園に居場所が無かろうが、家で煙たがられようと良いと思ったいた。
彼は重度のシスコンと言うやつだ。
レクトの心の拠り所は妹だけ…
それ程に妹の存在は大きい。
そんなある時のこと。
`あの人´と出会う。
学校帰りの妹を迎えに中央都へ向かっていると。
路地裏の方から誰かの叫び声が聞こえ…
そこにいたのは妹である。
レクトは急いでそちらへ向かうも、男の魔の手の方が早い。
駆けつけた時には、襲おうとした男は平伏していて…
平伏させたのは、あの人だ。
その人物は白いフード付きのマントを纏い、フードを深く被っていて表情が見辛い。
あの人と呼ばれた人物は、いつの間にかレクトとの距離を詰めてて、更に詰めると。
「守れて良かった。次は君がその手で守ってあげな。兄貴何だろう。今の君じゃ、来たとしても救えない」
性別不明な相手言葉に、安堵と不安が襲う。
一言も兄妹だとは言っていない。
それに自分が物凄く弱いこと等一言も言っていないのだから。
不安を抱くのは無理ないだろう。
「目元とか良く似てるから。何となく筋肉も全然付いてないから」
「そう言うこと?」
心を読まれてしまったが、ここはスルーしておこう。
「ああいう奴らの居ない世界を一緒に作ろう。君も強くなるんだ。未来のために。我々と行こう」
その悪魔の囁きに耳を傾けてしまう。
負けた結果、今のレクトが出来上がってしまった。
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「やはり早めに動かないと駄目さ」
「けどのう。この前は酷い殺られようだったからのう。警戒も上がってる」
岡の上に佇む小屋の外で二人は話している。
夜中に抜け出すのは難無くない。
事を進めようとするレクトを、一旦止めさせた。
「あれは油断していただけさ」
「どうしても今するのかのう」
「悠長にしてる時間はないからさ」
言い訳をし、リュードに正論を返す。
「本気を出すからさ」
ーーー見捨てられない為にも
「なら止める必要はないのう。呉々も他の人には見付からぬようにのう」
「ありがとう。出来るだけそうする」
孫達も眠りに就いてる中、二度目の襲撃が進んで行く。




