番外編2 仲直りのバースデーパーティー
そして迎えた誕生日当日。
ーーーが、あの日以来話しかけるも無視られる日々が続いてた所為か、振り向いてもらえない。
朝から何回も声をかけるも、無視られ、挙げ句に先に教室へといかれてしまう。
「困ったね。 何とかしないと 」
「そうだな! ライディズにも手伝ってもらえないか聞いといて」
「うん、分かった。聞いてみる」
状況を知らないライディズにだからこそ頼めることなのだと痛感する。
お昼休み。
「ねえ、ライディス、ちょっと頼みたいんだけど良い?」
「ん?」
「ゴニョゴニョ」
「うん、ボクで良かったら良いよ! 協力してあげる」
と承諾を貰えて。
少しでも最悪な状況から脱出出来る、そう思えた気が来て。
アミリの教室。
「はあ~」
と、深く溜め息を着くアミリ。
そこへ。
「いつ迄避けても良くないよ。でもどうしてだろうね」
「だな! 心当たりはないか?」
訳知りな親友二人が声を掛けてきて。
――私から見てみて右に座ってる蜂蜜色の髪が特徴的な少女、ローゼンと、其の隣に座ってる鶯色の髪の少女、チャリよ。
少し考え込む二人が、尤もらしい理由へ辿り着く。
「何かアミリちゃんに、あの時は言えなかったけど、今は言えることだから」
「今日はアミリ誕生日じゃん。パーティーしようぜ。勿論、アミリの好きなヒョウガ先輩や他の仲間も誘って」
「良いよ、きっと和解できるって。 良いよね、アミリちゃん」
「で、出来る訳ないって。 今だってこんなんだし、何て言えば良いかわからないし」
二人は除け者にしている理由に気付く。
二人に背中を押されるが、出来ないと駄々る。
「そんなんじゃ、本当に取り返しが着かなくなっちゃうよ! ね、頑張ってみよ」
「アミリなら大丈夫だぜ」
「そ、それだけは嫌よ! 二人ともありがと」
駄々るアミリに優しいローゼンの叱咤とチャリに勇気付けられる。
放課後。ヒョウガ達の部屋。
そこにはヒョウガ達五人がいて。
エレベーター付近にはライディズが待っていた。
そこへ覚悟を決めたアミリが上がってきて、エレベーターが開く。
「やあ、アミリちゃん、ちょっと話そ…」
彼女を素通りした少女は、自身の部屋の前へいくと、深い深呼吸をしたまま思い足通りで中へーーー。
「僕の出番は切らなかったみたいだね」
そうライディズは囁く。
「た、只今」
とアミリは中へ入っていく。
「お帰り、アミリ」
「ん…アミリ、お帰り!」
「アミリお帰りですの」
「アミリ、お帰りなさい」
「お帰り-」
とそれだけが言う。
「こ、この前はゴメンなさい。言えないこともあるわよね! 何か事情があったのよね。 あんな態度とって本当にゴメンなさい」
「アミリちゃんは悪くないの、私がちゃんと話しておけば良かった」
「俺も悪かった。ゴメン」
「アタシもなんも言わなくてゴメンですの」
アミリの謝罪に対して、カナミ、ヒョウガ、アーティナも謝罪し返す。
それから。
「そ、それと友達が私の誕生日パーティーするからと、特別に招待してあげる」
「丁度しようと思ってたから、助かる」
「ホントそうだね! 何処でやるの?」
「こ、ここでやりたい!」
「いいねー」
準備は捨てに整っていて、後はーーー
そのタイミングで、ピンポンがなった。
ーーードアが開き、ローゼンとチャリがやってきて。
「はい、これ! 私たちから」
「な、何かな?」
「アミリちゃん好きかなと思ったんだけど」
「この前デパートで見つけたんだぜ 」
と言って出てきたのは、あれは駄目と言われていたチーズケーキのクッションで。
「こんなんが欲しいわけないよな?」
「おお、ほ、欲しかったやつだわ! ありがと」
「それでよかったんだ」
横目で流石に無いだろと思っていたあれが、正解で二人は驚く。
ヒョウガ達も隠しておいたプレゼントをそれぞれ渡す。
「はい、アミリ。プレゼント」
「な、何かしら。 あ、猫柄のセポリーネワイヤーポーチだ!! 可愛いわね! ありがと」
ミューフィが先にポーチを渡す。
次にーーー
「アミリ、はい、これ上げる-」
「あ、ありがと。バッグチャームのウサギドールアクセサリーだ! これも可愛いわね」
アキラも渡し終わると。
アーティナが次にバッグを渡す。
「こ、これ高いやつよね! 欲しくても買えなかったやつ。 大切に使うわ」
高いやつだと知っているからこそ大事に使おうとアミリは思う。
「私のは後でね」
とカナミは飛ばして。
「アミリ、はい」
「あ、ありがと。開けるわよ」
「ん…ああ、良いぞ!」
そう言って開けると、中にはペンライトのイルカが着いたネックレスが入っていた。
「アミリに似合うと思ってな!」
「あ、ありがと」
彼の言葉に、頬を赤らめながら嬉しそうにお礼を言う。
「こ、こんな幸せ一杯な誕生日は初めてだわーーー本当にありがとう…」
とアミリは、目尻に涙を浮かべつつお礼を言うと。
そこへもう一人ーーーライディズが入ってきた。
「アミリちゃん、おめでとう! プレゼントは用意し忘れてた、ゴメン」
「あ、ありがと。良いわよ」
と、簡単に許してくれて。
それからヒョウガが料理を作り、テーブルに並ぶ。
鶏肉のステーキ、唐揚げ、ベーコン、トマトスープ、サラダ、ニーシェ、カボチャのツーニョ、グラタンなど。
アミリ達から何時ものように美味しいと言われるが、今日はそれだけではない。
「おお、これがヒョウガ先輩の料理…美味しいね」
「ホント美味いぜ。 こんな美味い料理毎日食べれるなんて羨ましいぜ」
「初めてヒョウガの料理食べたけど、ホント美味いな」
ローゼン、チャリ、ライディズが美味しいと口を揃えて言う。
料理の山があっという間になくなっていく。
そして間食。
「ふ-お腹一杯。もう食えないですの!」
「俺ももう食えないぞ!」
「ワタシももうお腹一杯です」
などと言ってる間に、冷蔵庫からケーキをカナミが出す。
「皆はい、食後のケーキ」
「チ、チーズケーキじゃない! いつ買ってきたんですか?」
「そうじゃないんだよ! 私が作ったやつ」
出したケーキを新しいお皿に移す。
代わりに空になったお皿をローゼンとチャリが片付けた。
「それじゃあ、作った私から」
パクっ、
「ん~ん、美味い」
と成功したのだと自ら喜ぶ。
「ど、どれどれ」
パクっ、
「ん~ん。ほ、ホントね、確かに美味いわ!」
「んじゃあ、俺も」
パクっ、
「ん…!? こんなに上手くなるとはな」
とヒョウガは驚く。
「凄く美味しいですの! お腹一杯でもこれなら大丈夫ですの」
「ワタシも食べてみましたがとても美味しいです」
「ホントそうだよー」
と食べた感想を三人は言う。
「ホントこのチーズケーキ美味しいね」
「ホントそうだぜ」
「まさかカナミがヒョウガに教わって練習してたとは! そりゃ、ここまで美味しくなるよ」
と三人にも誉められて、カナミは満足そう。
ケーキもどんどん無くなっていき、ついには完食。
それぞれ役割分担をし、後片付けをする。
ヒョウガが机を拭いて、カナミ、アーティナ、ミューフィで洗い物。後の人で残りの片付けをして、お開きにする。
そしてアミリにとって楽しい誕生日パーティーは終わりを迎えた。




