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この運命を天使《キミ》と共に  作者: 事故物件住まいの伽藍鳥
4章 激動の交武祭典篇
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107話 家族と会おう

ミューフィは一人街を歩いてると、待ち合わせ場所へ到着する。


 その場所は、ルポ·スィエルエトワレと言う喫茶店。


 そこへ遅れてやってきたのは、兄のフィーデルと妹のルーゼだ。


 「待たせてすまない。もう少し早く着くはずが、迷ってしまって」


「お姉、ゴメンね」


 「大丈夫です。お兄さん、ルーゼ。ワタシも来たばかりですから」


 フィーデルとルーゼの陳謝に、必要ないと言い返す。


 「それじゃあ、少しお茶でもしないか?」


「では、そうしましょう」


 と言うとこで、喫茶店へと入店する。


 ウエイトレスに案内されたのは、両方がソファー掛けの席で、早速腰を下ろす。


 「好きなものを頼んでもらって構わない」


「ありがとう」


「ありがとうございます」


 優しい兄の言葉に、妹たちは甘えることに。


 「ワタシはローネルティーにします」


「私はリューシュカにしよっと」


「じゃあ、決まりのようだね」


 注文も決まり、近くを通りかかったウエイトレスを呼ぶ。


 「アポンティー、ローネルティーと、リューシュカを一つずつ下さい」


 「え~と、アポンティーがお一つと、ローネルティーがお一つ、リューシュカがお一つですね。承りました」


 三人が頼んだのは、ミューフィのローネルティーが赤い甘酸っぱい果実をブレンドした紅茶。


 ルーゼの頼んだリューシュカは、香り豊かなフルーツのフレーバーティー。


 フィーデルの頼んだアポンティーは、程よい甘さの紅茶にドライフルーツの入った紅茶だ。


 店内はそこまで混んでなく、あっという間に紅茶が、運ばれてきた。


早速紅茶を啜り…


「試合はどうだったんだい?」


  「梃子摺(てこず)ることなく勝ちました」


「お姉達凄い」


 「良い仲間を持ったみたいで本当に良かった」


 試合結果を伝えたミューフィへ、二人がおめでとうを伝えると。


「あれは使ってないんだね?」


「はい、大丈夫です」


「なら、良かった」


何やら意味深いな事を言う。


「この紅茶美味しい」


 「ワタシのローネルティーも甘酸っぱいですが、とても美味しいです」


 「僕のアポンティーも中々旨い。仄かな甘みにドライフルーツの甘みが合ってて、好い」


三人は其々感想を言い。


 あまりの美味しさに、ティーカップの中の紅茶があっという間になくなって行く。


完全になくなると。


 「そろそろ出ようか。支払い済ましとくから」


 「それじゃあ、私とお姉は先に出とくね」


 先にソファーから立ち上がったフィーデルが、レジに向かおうとする。なのでルーゼが姉と荷物を纏めて店を出ていく。


 遅れて兄も支払いを済ませ出てきて。


 ここでミューフィは二人と別れた。




 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 ミューフィが兄と妹と別れて、

四時間くらいした頃。

 サラも親とテラス付きのレストランで待ち合わせてから。


そこのお店でランチすることに。


 「サラ、一戦目はどうだったんかね?」


 「あんな碌に異能すら扱えないあのサラがね。こんな大きな大会に出られたなんて、母さんとても嬉しい」


 「無事に勝ったよー。むむ。確かに前迄はそうだったけど…大事な仲間のお陰で強くなったんだよー」

 「それに今は異能は使ってないよー」


驚く両親へそう返すと。


 「異能を使ってないって!? じゃあ、どうやって今迄の試合を···」


 「それはねー。妖精を使ってるんだよー」


 「妖精ってまさか!? 成功率が低くて、最悪死者すら出るエアノークを成功させただと!?」

 

 「凄いわね、アンタ。娘が現在一人だけの妖精術師になるなんて、感激しちゃったわ」


 「確かに凄いことなんだけど、改めて言われると照れるよー」


 自分の目の届かない所で、偉大なる成長を遂げた愛娘を尊敬すらしてしまう。


 両親があまりに褒めるから、照れてしまうではないか。


 「さ、勝利記念に好きな料理を注文しちゃいな」


 「わーい。ありがとー。お父さん」


メニュー表に目を泳がすサラ。


暫くして注文が決まり…


 「ウチは、この最上級のシェバ牛ステーキのスープセットにするよー」


「良し良し、じゃあ、頼もう」


 「貴方と似て高いもの頼むんだから。まあ、別に良いけど」


 サラが選んだのは、お高めなやつで、更にプラスでスープまでも付けた。


 暢気な口調の父へ、口を尖らせる母なのだが、止めるつもりはないらしい。


 父が選んだのは、ルーヨンステーキのライスとスープのセット。母は特製のハンバーグステーキのライスセットだ。


 ーーー店員を呼び、注文を済ませると。


 十数分が経て、運び込まれてきた。


 頼んだ料理を其々の前に奥や否や、食べ始める。


ジュワジュワ。がぶっ、


 「んーん、凄く柔らかくて、旨みが凄くて美味しいよー」


ジュージュー、ジュワジュワ。


 「んーん…おお、柔らかくて、歯応えが良くて凄く旨い」


ジュワジュワ。


 「んーん、この特製ダレのハンバーグ凄く美味しい」


と其々が絶賛なようで。


ごくごく。


 「んーん、このポタージュ甘くて美味しいよー」


 ポタージュがどんどんと無くなっていく。


 あれ程あったお肉が、物の数分で少しにまで減っていた。


 その残った少しも平らげてしまう。


 「ふう~お腹一杯。もう何も入らないよー」


「お父さんもお腹一杯だ」


 「お母さんももう何も入らないわ」


あまりの苦しさに、少し休む。


それから父が支払いに行く。


 そのうちに出る準備を済ませ、サラと母は先に店を後にして。


 支払いを済ませた父が、遅れて出て来てから。


 「それじゃあ、次の試合も楽しみにしてる。頑張れ」


「お母さんも応援してるわ」


 「お父さん、お母さんありがとー」


 両親の応援に、力強く拳を握った。そして両親とは別れて、ホテルへと戻ろうと歩いてると。


その途中ーーー


 何処からともなく、攻撃が放たれ…


 咄嗟的に左へ飛ぶことで、何とか攻撃を躱す。


 「一体誰だよー。行きなり攻撃してくるなんて~」


 周りを見渡すが、そこには誰もいない。


ーーー否、違う。


見えないだけだ。


軈てサラの背後に現れたのは。


 狼の面をし、暗い紫のマントをした男。


その男がゆっくりと口を開くと。


「これはあの人の指示だから」


少し時間を遡るのであった。


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