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この運命を天使《キミ》と共に  作者: 事故物件住まいの伽藍鳥
4章 激動の交武祭典篇
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98話 音楽の強さ

「リーダーが殺られた!? 全員、これ以上の犠牲を出すな」


『確実に勝ちを掴む』


『リーダーの仇を取るでゲソ』


 『相手の思い通りにはさせないへび』


『いざ行くダコ』


 パディンの指示でそれぞれが動く。


 攻めてくる二人の前に、フルートのリュナが立つ。


 彼女が技を発動するよりも早く、パディンとナガロスが発動。


「鮫奥義〈獰猛な鮫〉」


「鯨奥義〈咆哮(ゲブリュル)〉」


 水中に突如ーーー獰猛な鮫が姿を表す。


ナガロスは哮り叫ぶ。


 鮫の凶器と、咆哮が少女を襲う。


「〈音色(トーン)〉」


 リュナがフルートの音色で掻き消そうと試みるもーーー


 「ごあっ…痛い痛い。痛い…まだやれるッ」


「鯨奥義〈捕食〉」


 攻撃を食らった少女は、あちらこちらを深々と抉られてしまう。


 更に追い討ちをかけられ、その場に倒れ込む。


ーーー残り五人。


 「リュナの分も頑張って奏でましょ」


『ええ、そうしよ』


『そうですね』


『奏でよう』


『音色を届けるよ』


ーーーそう意気込む。


 その試合をコロシアム近くのモニターで見ていたヒョウガ達は。


 「海底楽園都市の代表も強いけど、あの鳴物師も負けじと強いね」


 「ん…! 確かに強いな。音楽って凄いな」


 「そ、そう? 確かに強いのは認めるけど、眠くなってくるわね」


 「それは音楽に関心がないだけですの」


 「凄いです。まだ一人だけしかお互いに殺られてません。どちらが勝つか楽しみです」


「うとうと…すぴ~すぴ~」


 とそれぞれが違った反応を見せる。


話は試合に戻る。


 後衛の二人は、メンバーの攻撃力と防御力を上げる。


 ーーー彼女達がこちらへ

と。


迫る彼女らとの距離を離す。


するとーーー


「〈協奏曲(コンセルト)〉!」


サロが協奏曲を奏でた。


「〈魂の響き(アームカネティス)〉」


鼓を叩いた少女が、魂の響きを鳴り響かす。


「ごあっ…痛」


「ぐぁぁぁ…痛い」


 二つの攻撃をくらい、二人の少女は全身に痛みが走った。


「後衛から潰すか」



「お供するへび」


「同じく行くダコ」


「決まりだ」


 そう言うと、三人は行動に移す。


後の二人は残りを狙う。


「また形勢を変えてきたね」


 『二人は痛みが取れてません。そう長くは持たないでしょ』


『じゃあ、次で決めちゃおう』


『断る理由がないですよ』


『それじゃあ、行こう』


 コロンが、仲間と連絡を取り合う。


後衛と対峙するナガロス、ミノ、スミス。


「行くへび! 

       魚人奥義〈毒噴射〉」


「攻撃行くダコ。

        蛸奥義〈黒染め〉」


 突如毒がクロムを包み込む。

そして相手へ噴射された。


ミノは墨を吐いた。


 ーーー吐かれた墨は、みるみるうちに地面を黒く侵食していく。


 侵食していく墨が、ルツの前で止まり…


 侵食していた地面を琵琶を鳴らすことで晴らしていく。


 毒を食らったはずのコロンは、何故か効いていない。


 「はあはあ。これでも食らえ!

    鯨奥義〈丸呑み〉」


 巨体なナガロスが、大きな口を開く。


 そしてターゲットを丸呑みにしようとして来た。


ーーーコロンはピアノを弾く。


 ーーーただそれだけで、彼は踠き苦しむ。


 「その巨体を砕きます。そして終わりです。

        〈終焉(フィーニス)の交響曲(シンフォニー)〉」



 ピアノの伴奏が突如始まった。


 それを聴いたナガロスは、何故か耳が潰れてしまう。


 交響曲に曲を変えると、彼の体を蝕んでいく。


 完全に蝕み尽くすと、身体の機能は既に停止していた。


ーーー残り四人。


 「まさかナガが殺られるなんて有り得ないへび」


「冗談じゃないだこ」


 その現実を前に気が立っていると。


「余所見してはいけませんよ」


と二人へ向けて言う。


パディン達は。


パディンとスミスが技を発動。


「行く!

     鮫奥義〈超音波〉 」


 「行くゲソ。

      烏賊奥義〈墨弾〉」


パディンは超音波を発した。


 超音波を浴び、サロは少なからずダメージを食らう。

ーーが、多少である。


 何故ならルシアからの援護があったから。


 スミスは口から大量に墨を吐く。


 吐かれた墨を彼女は爆弾に変えた。

 そして墨の爆弾を、リサニーへ投げ飛ばす。


 迫り来る墨爆弾を、太鼓を叩いて何と防ぎきってみせた。


「次はこっちの番だ」


「行きます」


 と二人が反撃に出ようとしていた。


後衛の二人の方は。


 ルシアの援護により、攻撃力と防御力を高めた二人が。


「〈月光〉」


「〈宵の篝火〉」


ーーーコロンはピアノを弾く。


そして月光を伴奏し始める。


 ルツもまた琵琶を鳴らし始める。


 ーーーこの二つの曲は、勿論ただの演奏ではない。


 この曲は破壊を(もた)らし、更には脳死へ(いざな)う。


 当然ながら演奏を聴いたミノとクロムは、体内を破壊されてしまう。


 「げほっ…ごほっ…! なん…て…いりょくだこ…」


 「ぐほっ…げほっ…! ……のう…が…」


 と二人は最後まで言いきる前に力尽きてしまった。



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