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この運命を天使《キミ》と共に  作者: 事故物件住まいの伽藍鳥
4章 激動の交武祭典篇
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97話 鳴物師《オルガノル》

同時刻ーーーBブロック一回戦目。 

 チーム〈魚人〉VSチーム〈鳴物師(オルガノル)


 Bブロックの試合は、鮮やかな音色と共に始まった。



 ーーー鳴物師(オルガノル)とは、楽器を武器にして戦うチーム。


「武装展開」


「武装展開!」


両チームが一斉に武装を展開する。


 そして相手の出方を待つも、一向に来ないから。


「能力〈水底〉」


 山の麓が一瞬で水底へと変化する。


 「こうしないと本来の力が出せない」


 と言った男は、頭が鮫で、手足に鰭や水切りがある。そして全身が鱗で覆われた魚人。


 彼はリーダーーシャーラ。


 「全員、攻撃を仕掛に行くサメ」


『了解』


 シャーラの指示でそれぞれが動く。


 可成り離れた相手との距離の差を、物の数秒で縮める。


 そのスピードは、常人には目に捉えられない。


「魚人奥義〈破壊の爪(デストクロ)〉」


 その中の一人の鮫ーーーパティンが攻撃を繰り出す。


 皮膚や骨を軽く砕き散る程の凶器が、フルートを持つ少女を襲う。


がしかしーーー


「能力〈音色〉」


 迫り来る牙を、文字通り、フルートの音色で掻き消す。


「何!? んな馬鹿な」


「音色こそ最強の盾」


 有り得ないと言わんばかりな彼へ、音色の強さを示す。


 「何て強さダコ!? 今度はボクが行く。

       魚人奥義〈蛸大砲〉」


 と言って仕掛けたのは、魚人族の蛸ーーーミノ。


 彼女は口中から強力な活動力を放出し、太鼓を叩く少女へ発射した。


 そこへピアノを弾く少女が、太鼓を叩く少女の後ろから現れて。


「能力〈絶対音感(サナアブソルート)〉」


 すると太鼓から謎のエネルギーを発生。

大砲を弾き飛ばす。


 「冗談じゃないダコ~。どう言うこと」


「これこそが」


「ーーー音楽の力」



と二人が言うと。


  「さて、私が仕掛けに行くね」


 と言ったのは、バイオリンを持った少女ーーールシアだ。


「〈幻想曲〉」


 ーーールシアはバイオリンを弾く。


そして幻想曲を奏で始める。


 演奏を嫌でも聴かされた、イカの少女ーーースミスへ。


 文字通り、音楽が身体の中へ流れ込む。


 彼女の身体の中を、音楽が蝕んでいく。


「うぁぁぁ…何て強さゲソ」


 「ただ演奏してるだけなのに」


ーーー少女は薄く微笑んだ。


「次はアタシが行く」


そう言って、琵琶を鳴らす。


 「理解出来ん。何故音楽ごときに…」


 鯨ーーーナガロスはそう呟いていると。


 「ごわぁ…な、んなんだ、この痛み」


 琵琶を聴いているうちに、身体へ激痛か襲う。


「お···れの攻撃を食らえ!

             鮫奥義〈衝撃波(フルクインプル)〉」


ーーー爆音が鳴り響く。


 すると耳にした琵琶を鳴らす少女の、鼓膜を破れてしまう。


ジリジリと耳鳴りがし始める。


「···何て破壊力なの?」


「音の攻撃たからだ」


音の攻撃は効くようだ。



 「よし、それならこれはどうへび?

     〈音波(ソニック)〉」


 そう言うと海蛇のクロムが、音波を起こす。


 起きた音波で、ギターの少女を襲う。


「そんなんじゃ、効かないよ」


と言ってギターを弾き始める。


 そしてクロムの放った音波を、弾き飛ばす。


「何て技巧へび!?」


 「そんな音じゃ、幾らやっても通用しない」


 ーーー敵うはずがない。と少女へ言い聞かす。


 「形勢変更さめ。クロムとスミス、ミノは後衛を任す」


「了解へび」


「任せてゲソ」


「期待に応えるタコ」


 ジャーラの指示で、三人は動く。


 「後のナガロスとパディンは攻めるさめ」


「了解」


「勝とう」


残りは彼と共に攻めへ。



 「形勢を変えてきた。こちらも相手に合わせます」


 リーダーの少女ーーーコロンが指示を出す。


 前衛はバイオリン担当ーーールシアと、太鼓を叩く少女ーーーリサニー、フルート担当のリュナ。


「魚人奥義〈猛毒の牙〉」


「魚人奥義〈大口の丸呑み〉」


二人の魚人が仕掛けた。


 パディンの牙がみるみるうちに毒を浴びていく。

 その毒を浴びた牙で、相手に噛みつく。


 大きな鯨となったナガロスが、大きなお口を開く。


 「〈絶対音感〉」


 をくと、ルシア、サロ、リサニーの三人を結界で覆う。


そしてーーー防御力を上げる。


ーーー相手の攻撃を落とす。


「〈協奏曲〉」


「〈振動(ヴィブラシオン)〉」


サロが、協奏曲を奏でる。


リサニーが太鼓を叩く。


ーーーすると地面が揺れ動く。


 協奏曲を聴いたパディンとナガロスは、物理攻撃を食らう。


「何て威力なんだ!?」


 「はあはあ。何なんだ? あの曲は···」


 ーーー二人はその理由を知らない。


 何故なら、中間に入れたルシアがサポートして、攻撃力を高めているから。


 「まだまださめ。

      魚人奥義〈捕食〉」


 続いて魚人チームのジャーラが、仕掛けた。


 ターゲットをサロに絞り、彼女を捕食する。


 捕食されたサロは攻撃を食らった。


 ーーーにも拘らず、変わったところは一切無い。


それところか。


 「は? ぐぁぁぁッ… どう、言うことさめ?」


 「言いましたよね? 音色が身を滅ぼすと」


 捕食者のジャーラが、口から地を流していた。

 

 苦痛を噛み締めて吐き出した言葉を、もう一度繰り返す。


 本人は聞いた覚えがないようだが…


「これで終わりです。

          〈(モール)の旋律(メロディー)〉」


 今だに血は、止まる気配がしない。


 直前に奏でた演奏で、先とは別の部位からも血が流れ出す。


 流れ出した血は、止まること無く、軈て抜け落ちて行く。

そしてその場に崩れ落ちた。


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