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この運命を天使《キミ》と共に  作者: 事故物件住まいの伽藍鳥
4章 激動の交武祭典篇

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番外編 ラメンにする?


 昨日行かなかったお店やスポットを巡り、それから一際大きな服屋へと入って行く。


―――入るとあちらこちらを見ていたぞ。


 「そ、その、ヒョウガ先輩。これに合うと思うかしら?」


 とアミリが手に取ったのは、フード付きのベージュのダッフルコートだ。


 「ああ、凄く似合ってるぞ! すごく可愛いな!」


 「そ、それじゃあ、リーフと私、どっちが可愛いの?」


 「何張り合ってるんだ? そんなのアミリに決まってるぞ!」


 それを聞いたアミリは面映(おもばゆ)かったのだろう。


―――そっぽを向いてから。


「あ、ありがとう」


ぼそりと呟いて。


「そ、それじゃあ、これを・・・・・・」


彼女は値段に目をやり、思わず絶句してしまい。


その光景を目にした彼は、アミリから取り上げ。


「ど、どういうつもりよ?」


 「ん・・・・・・!? どういうつもりってみての通りだぞ!」


 「そ、そんなこと分かってるわよ! 何で買おうとしてるのよ!」


 「そんなの決まってるぞ! こんな良いコート、他のお店にはないかもしれない! それにコート持ってないって言ってただろ。だからプレゼントしてやるぞ!」


彼の言う通りだ。確かに艇内で言っていた。


話しは潜水艇で、東の港に向う艇内に戻る。


 「ねえ、そう言えばさ、皆は冬物の上着持って来た? 私はベージュのカーディガンを持って来たんだけど」


 「アタシも持って来たんですの! 何せ帰るころには十一月も終わり位ですもの。因みにあたしが持って来たのは、青のセーターですの」


「ワタシは紫のブラウスを持ってきました。これで寒さは大丈夫です」


「ウチは黒色のブレザージャケットだよー」


「俺はグリーンのジャケットだ」


カナミが行き成り冬服の話題を持ちかけると、それぞれが持って来た物を伝えて。


 そんな中、ただ一人だけは文字通り―――蚊帳の外にホッぽり出される形になってしまい。


「わ、私は言えに冬物の服が無かったわよ!」


 「それは大変ですの! 絶対に帰りは寒いですのよ!」


 「ああ、確かにアーティナの言う通りだぞ! 誰かのを借りるか?」


 ―――そ、それはどうなのかしら? 誰かから借りるって。


と思ったアミリは。


 「わ、悪いわよ! 私が借りたら誰かが寒い思いさせるんだし。 その人を風邪ひかせちゃうかもしれないでしょ?」


 そう、借りたと仮説を立てた時の気遣いをし、借りないと言うので。


 「でもな、アミリ。そんな気遣いしてると多分、自分が風邪ひくぞ!」


「ヒョウガの言う通りだよ!」


「自分の体を最優先すべきですの!」


 「三人の言う通りです。トーハヴエーダが流行る時期ですので、気を付けないと」


「ウチもそう思うよー」


などと彼らが、自分の心配をしてと言うから。


「か、考えておくわよ!」


 ―――皆の心配のお陰もあって、止むを得ずそう決める。



そして現在に至る。


「し、仕方ないわね、お願いしてあげるわよ!」


「ん・・・・・・!? 了解」


 と言ってヒョウガが会計に向い、その内にアミリは外へ出て行く。


 少し経て、彼が店から店名であるア・ファラデーチェと書かれた紙袋をぶら下げていて。


カナミたちもアミリと一緒に待っていた。


 「んじゃあ、これだけ置いて来るぞ! 此処で待っててくれ。すぐ戻って来るから」


「あ、うん。分かった」


「も、戻ってきたらお昼ご飯にするんだからね」


「ん・・・・・・!? ああ、分かったぞ!」


 ヒョウガが紙袋を見せながら伝えると、カナミが承諾し、アミリがお腹が空いてるからと急かす。


 なので彼は、くるっと踵を返して、急ぎ足で選手ホテルへと向かう。


今日は昨日と違い、やけに人出が少ない。


 あると言えば、警備隊の巡回や捜査隊の人達が事件について調べたりしている位い。


恐らくは―――昨晩の事件が起因だろう。


 そして歩くことに三十分。選手ホテルに辿り着くと。


 フロントを抜け、エレベーターで二階に上がり、カナミたちの部屋に向う。


 ―――部屋に入り、アミリの荷物の所へそっと置く。


それが済み、先程別れたお店の前まで引き返す。


 計一時間ちょい経て、ア・ファラデーチェの前に辿り着き―――。


「それじゃあ、ご飯にしようですの!」


「何にしましょう」


 「そうだね。ドリアやグラタンは昨日食べたし、パンは朝食べたもんね」


 ヒョウガの到着を確認するや否、昼ご飯の話になり、


其々悩む。


「んじゃあ、もうラメンで良いか?」


 「ラーメンか。確かに少し冷え込むから好いね!」


「ウチもラーメン食べたいよー」


彼が皆に可否を問うと、カナミとサラが賛成し。


 ―――他の三人も、賛成だと言う風に頷いたので、決定し、早速ラーメン屋を探しているも、見つからない。


仕方なく反対側を探していると、漸く見つけた。


「んじゃあ、入るぞ!」


と言って、暖簾を潜って店内に入り込む。

 そして案内されたのは、両方共が木製の椅子の席で。


 席に着くと、早速置かれていたメニューに目を通す。


「んじゃあ、俺は醤油ラメンにするぞ!」


「それじゃあ、私は豚骨ラメンにしようかな」


 「う~ん、そ、それじゃあ、私は味噌ラメンにするわね!」


「では、アタシは塩ラメンにするですの!」


「それでしたら、ワタシは葱ラメンにします」


 「う~ん、じゃあ、ウチはトマトラメンにするよー」


 そそれぞれが注文するものが決まったようで、丁度水を持って来たウェートレスが注文を伺う。


そしてラーメンをそれぞれ頼む。


 そして待つこと何十分か経て、次々と運ばれてきて。


頼んだものが目の前に置かれ―――。


そしてそれぞれが食べ始める。


 「ふう~ふう~。ズズズズ。ん~ん。やっぱラメンと言えば、醤油ラーメンだ。凄く美味いぞ!」


 「ふう~ふう~。ズズズズ。ズズズズ。ん~ん。美味しい。豚骨は良いね!」


 「ふう~ふう~。ん~ん。観、味噌がよく麺めんと絡まっていて、コクが出ていて美味しいわよ!」


 「普通の塩ラメンですけど、美味しいですの!」


 「此方の葱ラメンも、ネギがたっぷりと入っていて、とても美味しいです」


 「トマトラメンもトマトの酸味が麺に合ってとても美味しいよー」


それぞれが食べた率直な感想を述べると。


ゴクゴク、


「ん~ん。醬油のスープが上手いぞ!」


ゴクゴク、


「ん~ん。豚骨のスープも美味しい」


ゴクゴク、


 「ん~ん。観、味噌にコクがあって、甘くて美味しいね」


「ん~ん、サッパリしていて美味しいですの!」


 「葱がスープととても相性が良くて、凄く美味しいです」


「ウチのとトマトのスープも美味しいよー」


とそれぞれがスープに下包みを打ち。


 そして残りを食べて行き―――あっと言う間になくなってしまい。水を飲んでから口拭いて、レジに向い、そこで会計を済ます。


 それから、ずっと真っ直ぐに行った所にあるコロシアム近くにある特訓場へと向かう。


 ―――さてと、今日はどれぐらいの人が特訓してるんだって・・・・・・て言わなくても分かるか。


 と、辿り着いて直ぐ中を覗き込んで、ヒョウガはそう心の中で思う。


 入り口を潜り抜け、中へ入り込むや、早速特訓を始める。


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