1話 入学式
5年振りのなろう復活です。
長い付き合いになりますがまた宜しくお願いしますm(_ _)m
―――太陽が照り付け、小鳥の囀りが聞こえる春のある朝。
街は朝日を浴びて輝いている。
「はああ~~。ん? もう朝か…今何時だ?」
と少年は大きな欠伸をし上体を起こす。
まだ寝惚けた目で、少年は時計に目を向けた。
「ん…? まだこんな時間か」
時計を見ると時刻は午前五時を指してた
――眠いし二度寝でもするか
迂闊にも二度寝してしまった。
眠い理由。それは昨日親友から借りた参考書が起因であろう。
この参考書を普通に読めば、まる一日かかるのだが、彼は徹夜で読み干してしまう。
三時間程が経過した頃。
階段を誰かが上ってくる音がし、少ししてぴたりと部屋の前で止まって…
ドアノブを捻って、部屋の扉が開け放たれた。
そこに居たのは少年の母だ。
「ヒョウガ、起きなさい。遅刻するわよ」
ヒョウガと呼ばれた少年は、強く揺すられること暫くして目を覚ます。
「不味い、寝過ごしちまった」
「ほら、早く下りてきなさい。始業式に本当に遅刻するわよ!」
起こしに来た母は、朝ご飯を知らせて階段を下っていく。
母の後を追い、ヒョウガも一階に向かい。
一階にたたるリビングルーム
――俺が大急ぎでパンにかぶり付く。
「そんな慌てて食べると体に悪いわよ」
「煩いな! それに急がないとヤバいから、そんなお節介とかいらないぞ。ご馳走様。んじゃあ行ってくるわ!」
「はいはい、行ってらっしゃい」
そして―――ヒョウガは家を飛び出して行った。
ヒョウガが学園に通う理由は新たな人間関係を築くため、世界の歴史に興味があり更に深く学びたいから。
そうすることによって成長することが出来るからだ。
―――母さんが、俺のこと心配してくれるのは嬉しいけど、今はそういう場合じゃないんだ。先言ったこと振り返ってみると、悪い事したな。母さん、呆れた顔してたな。次会ったときは謝ろう。
と心の中で反省していた。
この国──フィルディナ王国はある脅威から逃れるため、神々が国全体に結界を張り巡らせられてある。
その結界は強力で容易には壊すことが出来ない。
大空にはフェニックスが飛んでいた。
結界の外へは鳥は出ることが出来ない。
ヒョウガは学校のある北の方へ向かう。
向かう途中で通過を払い街を出た。
この国は十六の方位に分かれた都市で出来ていて、都市を出る度に通過を払わなくてならない。
学園へ向かう途中で反省の意を示した。
ちらりと、腕時計で時刻を見る。
「もう五分しかない。 間に合わせるためにもあれを使うか」
ヒョウガの言った`あれ´とは、能力のこと。そしてヒョウガが持つ能力は風だ。
能力は誰しもが産まれて直ぐに生命の女神から授けられるもの。
「暴風!!」
体の周りから、突如として荒れ狂う風が吹き荒れ…
―――周りを歩いていた仕事に向かう人、市場に向おうとしている小母様方、老婆や老翁、他にも、物があちこちに吹き飛ぶ。
おまけに木も強く揺らめく。
―――が、彼は気にすることなく、其の儘猛スピードで飛んで行った。
悪気はあるが、今は緊急を要する為致し方ない。
そしてまたも腕時計に目を向け、
「―――後三分か。学園着いたし、後は高等課棟まで風速で行くか。能力<風速>」
風速は、暴風よりも威力が弱い。
体の周りから風が吹き付けると、その風によりヒョウガは、一気に学園へ到着。
彼の通う学園の名は、北武装守護都市唯一の学園である、北武装守護学園【ノキアル】。
北武装守護学園【ノキアル】は、巨大学園であり他の学園とは規模が違う。
巨大学園内にあるレストランやコンビニ、本屋等は、通う生徒しか基本使用することが出来ない。
通う生徒が多い理由は、他の学園より最先端で幅広い講義を行うからだ。
高等課棟に急いで向かう。
高等課は中央にあり、入口から小等課、中等課と並んでいる。
自分のクラスを入口に貼られた表で確認し、クラスに向かった。
クラスの前に着き、自分の席を探し荷物を席の足元に置く。
置いて廊下に出たヒョウガに、誰かが声を掛けて来た。
声を掛けてきた青髪の彼は、ウズミ・エイトと言う。
ヒョウガの幼馴染みで親友だ。
「やあ、ヒョウガ。今日は珍しくギリギリの登校のようだね」
(エイトは俺より少し身長が低い)
「ああ、おはよ。それよりも、まだ行ってなかったのか?」
「それはだね、単純に先生が遅れてるからだよ」
「ああ、成程な。お、噂をすれば来たな!」
ヒョウガが振り向くと、ネクタイをした男性が大急ぎでやって来てーー。
「おっほん。学園が広すぎてな。迷ってしまった。さ、もう良いから全員並べよ」
先生は咳払いをし、遅れた理由を述べて皆に直ぐ並ぶように指示を出した。
そして全員が並び終えると、バトル施設一階の集会場へ向かう。
バトル施設とは、この学園に通う生徒が日々鍛練を疎かにしようと設けられた施設。
施設内はバリア空間となっていて怪我の心配なく戦える。
施設内は、規模が大きく、ミーティングルームだけでも結構な広さがあった。
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バトル施設一階にある集会場。
最後のクラスである彼の所が到着すし、始業式が開始された。
そこで一つ気になることがあった。それはと言う。
ステーきジの傍らに、見知らぬ男が学園長の定位置に佇んでいる。
――それだけではなく、先生を見渡して違いに気付く。
「おい、エイト。学園長、急に変わっちまったな。それに学園長秘書、後何人の先生まで!?」
「僕も分からないけど何かあったんだと思うよ」
それ以上話すと先生に怒られると踏み、黙り込んだ。
始業式の内容は、先生紹介が十、十五分程あり、その次に学園長の話しへ入った。
学園長の話も終わりを迎えた。