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ハオガオー  作者: リン・ハヤシ
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#1:その青年、ヤマト

ジオアースの東方に位置する島国「白陽はくよう」の西側に位置する「西都さいと」地方。 1年を通して温暖な気候と豊かな自然に恵まれ大陸に密接した土地である。 そしてここは 西都地方の中心都市である「博府はくふ」。白陽の中でも5本の指に入る人口密集地で、遥か昔から大陸との海上貿易によって栄えてきた歴史をもつ。

博府の中心地である「天山てんざん」地区には高層ビル群と商業施設が乱立し多くの人々が働き、営み暮らしている。 その天山地区のはずれにあるベッドタウンにある「アオゾラ商店街」。この一角の一軒家に青年と彼の相棒は住んでいる。


ヤマト:ユウ。ケン。早くメシ食べないと学校遅れるぞ。

ユウ:待ってよお兄ちゃん!! 今日の髪型どうするか悩んでんの!! 女子は毎日大変なんだよ!!

ケン:ヤマ兄ぃー!! 俺のお気に入りの靴下どこにったの!? あれがないと今日は俺はダメなんだって!!

ヤマト:ユウ。髪型も大事だけど朝メシも大事だからな。 ケン、いつも履いてる靴下だろ? 兄ちゃんが探しとくから先にメシ食べときな。

ニャゴ:やれやれ、いつもの朝だな。


よくある櫻井家の朝の光景。だがそこには父親と母親の姿はない。 彼らの両親である櫻井さくらい ごう櫻井さくらい 真衣まいは数年前の不慮の事故で他界してしまったからだ。


ヤマトこと櫻井さくらい 大和やまとはこの家を仕切る若干16歳の高校2年生である。 両親であるゴウとマイは2年前のとある事故によって他界し、13歳の中学生の妹であるユウ・櫻井さくらい ゆうと9歳の小学3年生であるケン・櫻井さくらい けん、そしてヤマトの相棒であるネコガゾルのニャゴと暮らしている。

両親が他界した後に桜井家の子供達全員が遠い地に住む親戚に引き取られそうになるが、幼いユウとケンが両親との思い出の詰まった我が家を離れたくないと3日3晩泣き喚いたために長男としての責任を感じてかヤマトはこの家に残ると決意し、幼い弟妹の面倒を自分が看ると親族に誓ったのであった。


その決意の後は、両親の貯金や保険金を切り崩しながら自身も学業の傍らに地元のアオゾラ商店街でアルバイトをするなどして高校生でありながら一家の大黒柱として、弟妹が不自由ない生活を送るために家計を支えている。その他にも、炊事・洗濯・掃除など櫻井家の家事の大半はヤマトが行っているため、青春時代真っ盛りでありながら同年代が遊びや恋愛、流行の物などに夢中になるなか、ヤマトは家族のためにそのほとんどを犠牲にしてきた。


ヤマトは自分の幸せが1番ではなく、家族の幸せを1番に考える男である。

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