#14 傲慢令嬢ベティ
バトルスペースCに向かうとちょっとした人混みが出来ていた状況にヤマトとニャゴはびっくりした。 初陣でありながら格上かつ悪評名高いガレットを劇的な一発KOで沈黙させたことがファンが出来た要因らしい。 老若男女が「次回も期待してるよ。」や「君たちの強さの秘密はなんなんだい?」と問い詰めてくるが、ヤマトは苦笑いでその人達に対応することしか出来なかった。
トビオ:おやおや。 人気者は違いますなぁ。
キクリン:2戦目にしてファンが出来るなんて流石だね。
ヤマト:おめぇら・・・・・・。 何しにきたんだよ?
何処から情報を聞きつけてきたのか。 ヤマトの幼馴染の魚住飛雄ことトビオと花園菊千代ことキクリンがその場に何故か居合わせていたのだ。 二人の冷やかし的な見学にヤマトは思わずため息をついてしまう。
ニャゴ:なんだ、トビオとキクリンか。 何しに来たんだおめぇら?
トビオ:なっ、なんだとはなんだ!!
キクリン:ヤマトとニャゴがインチキしないように偵察に来たんだよ。
ニャゴ:偵察だぁ? ちゃんと目ん玉かっぽじって俺たちの華麗なる勝利の瞬間を焼き付けるんだな!!
トビオ:へへっ。 まぐれの二連勝なんてあるもんか。
ニャゴ:なんだと!? もっかい言ってみやがれクルクル天パーが!!
トビオ:てめぇ!? 俺の一番気にしていることを!!
ニャゴとトビオの言い争いをやれやれと眺めるヤマトとキクリン。 その時、突然にざわつき始めたフロアにコツコツとヒールで闊歩する音が鳴り響く。
ベティ:あなた方が勝利し私たちが敗北するとは、なんと聞き捨てありませんね。
颯爽と現れた麗しき貴婦人。 見た目は20代半ばの女性であるだろうがいかにもお嬢様というようないで立ちはおそらく一般人に溢れたバトルスペースCのフロアには似つかわしくない。 ベティの両サイドには黒服のボディーガードらしき人物が仁王立ちをしている。
ベティ:ご紹介が遅れました。 私、ベティ。 ベティ・ミカヅキと申しますの。 皆さんもご存知のあのミカヅキコーポレーションの社長令嬢でありますのよ。 以後お見知りおきを。
ミカヅキコーポレーションはホーエント大陸の有名企業で、不動産売買で巨万の富を築く大企業。 その社長令嬢ともなると平民暮らしのヤマト達とは比べ物にならないほどの大金持ちだ。 続けざまにベティは下々の者を見下すように言い放つ。
ベティ:あなたがこの私の対戦相手のヤマト殿かしら?
ヤマト:はぁ、そうですが。
ベティ:前回は素晴らしい勝利をおさめたとか・・・・・・。 ですがすでに勝利を確信とはお気の早いことですわね。
ヤマト:いえ、そういうわけでは・・・・・・。
ベティ:前回はまぐれで勝利をおさめたことかもしれませんが、今回はこの私が御相手ではあなた方は万の一つも勝ち目がないですわ。
戦闘開始から勝利宣言とは。 立て続けに勝負相手に恵まれないなと肩を落とすヤマトであった。




