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ワンダーワールド   作者: はくりゅー
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悪夢の使い!マガデザン

ある日、アンドロイドであるはずのれなが夢を見た。何やら不思議な夢、そしてなぜ自分が夢を見たのかと混乱していると…

「…うーん」


れなは夢を見た。しかし早速謎が生じる。


彼女はアンドロイドだ。何故夢を見たのか。


そんな疑問を解く事もできず、彼女は夢の中の暗く、淀んだ空気のなかを一人歩いていた。


「どこまで続いてる…?」


歩いても歩いても、どこまでも暗闇が続くだけ。無限に続く暗黒のトンネルのようだ。


空を飛んでみたが、上には何か見えない天井があり、頭をぶつけてしまう。


だが、恐怖や絶望は感じなかった。むしろ何か安らぐものを感じたのだ。




道なり(?)に進んでいくとある発見をした。真っ暗な空間の奥底に、小さな白い光を見たのだ。


「…あれは!」


れなは走る。しかしいくら走ってもその光は離れていく。逃げていってるのだろうか。


でも、光はれなの視界から消えない。辿り着けないが、どんなに長く走ってても消えることも近づくこともない。


「…」


一旦足を止めてみる。…すると光は一瞬何かの形になったあとに消えてしまった。




「…はっ!」


夢から覚める。いつものように窓から朝日が差し込み、平和な朝を小鳥が告げる。れみは先に起きたらしく、ベッドにはいない。目を擦りながら一階に降りる。


「おはようれな」


博士が笑顔で待っていた。テーブルの上には味噌汁とご飯が置かれてある。


「おはようござまーす…」


れなはさっきの夢の異様な空気が体から離れていなかった。頭がボンヤリしていてものを考えるのも大変だ。




不思議な気分で朝を過ごした。その日の午後は葵というアンドロイド仲間に久しぶりに会いにいく約束をしていた。空を飛び、町の南に向かって飛んでいく。ふと下を見下ろすとベンチに座ってる人々が噴水を囲んで眠っている。皆どこか不安そうな寝顔だ。


ベンチだけではない。壁に寄りかかって寝てる人、マンホールから顔を出して寝てる人などどう見ても普通ではない。


「…なんだか嫌な予感がする。れみ、早く葵の所へ向かおう!」


嫌な予感は夢で見たあの不穏な空気に似ている。あの夢とこの状況は絶対に関係あると見たれなは新幹線より速く町を飛んでいく。れみを置いてきぼりにして。






ようやくついたそこはクリーム色の外壁の建物だった。人は少なく、数名の黒スーツの職員と思われる人たちがいる。その人たちもまた、眠っている。


そんな人たちのなか、緑にサイドテール髪の女性だけは起きていた。


「葵!」


れなの一声に反応する女性。彼女が葵だ。


れなとれみを見て手を振る葵。


緑の瞳に緑のワンピース…緑づくめだ。


降りたれなたちは葵に町の事を聞く。


「これ一体…何で皆寝てるの?」


「私にも分からないわ」


葵は澄んだ落ち着いた声で答えた。その回答はれなたちも予想はしていた。


それに、原因が分かっていれば葵はすぐ問題解決にうつるはず。葵を知るれなたちはそう考えた。だが葵は甘くなかった。


「そうだわ!寝てる人を起こして事情を聞こう!」


二人の顔が明るくなる。何でこんな簡単なことを思い付かなかったんだろう!


葵はれなとれみにとってこの上なく頼りになる仲間だった。こんな感じで突然アイデアを出してくれるのだ。早速近くに眠る職員に目をつけ、叩き起こそうとする。しかしつねっても軽く叩いてもびくともしない。


「どうしよ、本気で殴ろうか?」


れなは拳を握るがれみが慌ててその手を押さえ込む。れなが人間を殴ろうものなら、その人間は骸骨も脳ミソも跡形もなく砕け散るだろう。


そこでまた葵の提案だ。


「うーん、ならこうすればいいわ」


葵はいつの間にかどこかから柄杓を持ってきた。水が注がれている。まさかと何かを予想したれみ。


「それっ」


葵は職員の耳に水をぶちまける。これにはさすがに飛び起き、激しい息切れを起こす。葵は容赦なく揺さぶる。容赦ない。




「…はあはあ、私は…何で寝ていたんでしょう?」


それを聞きたいのは今聞かれてるれなたちだ。葵は緑のサイドテールを風になびかせる。


「それを聞きたいのは私たち。どんな小さな事でもいいから何か聞かせてくれない」


葵は顔を近づける。職員はうーんと声を出して少し考えたあと、顔をあげた。


「…そういえば夢を見ました。何か…暗いトンネルのような場所を進んでいく…」


真っ先に反応するれな。そして葵を押し出し、事情聴取する。


「ちょ!それ、何か光が見えたりした!?」


「は、はい。見えました。何か…白い光が一瞬弾けて…」


れなは目を丸める。自分が見たのは確か、人型だったはず。しかし弾けることはなかった…。


れなは後ろに下がる。そんな異様な様子を心配そうに見つめるれみ。


「…まあいいや。ありがとう」






葵は頭をかく。


「…あの情報だけでどうこの事態を探るの?」


町の人々はまだ眠っており、不安な表情のままだ。耳を傾けると僅かにうなり声もあげている。何かにうなされているようだ。


今の状況から予想できるのは、悪夢だ。れなや職員はうなされなかったが、恐らくこれは悪夢を見ている。


「…そうだわ。今から私たちも寝ましょう!悪夢の中で、犯人を探すのよ!」


葵の提案がまた二人を納得させた。その手は考えなかったと二人は早速地べたに寝転がり、目をつぶる。


あまりに堂々とした寝方に職員はドン引きしていた。




「…」


気がつくとれなはあの暗闇の中に立っていた。昨日の夢と同じ、音も何もない不気味な空間だ。一歩足を踏み出すとコーンと音が響き渡る。昨日のとはどこか違っていた。


上を見ると暗闇ではなく、何か紫の光が植物のように揺れている。説明しがたい、文字通り謎の空間だ。やはり何より怪しいのはこの空間だった。


「…誰かいるの!?」


れなは叫びながら暗い道を進んでいく。声はエコーとなって響き、暗雲の彼方に消えていく。


歩いても歩いても暗雲のみが続く…のではなかった。今回は大きな発見をしたのだ。


「ん」


たどり着いた先には、沢山の石板が地面に突き刺さった、奇妙な広場だった。


白い霧が立ち上ぼり、墓地のようだった。


「…ここは?」


れなは一歩踏み出し、耳を済ませる。僅かに獣の声が聞こえてくる。声は段々とこちらに近づいてくるのを感じ…


「!?」


息を呑んで振り替える。すると異形の怪物が飛びかかってきた!


れなはジャンプでそれをかわしたが怪物は体勢を素早く立て直す。








「お前は…?」


れなは拳をつきだし、怪物を殴り付ける。だが怪物の体は頑丈で攻撃が通用しない。


怪物の口からは紫の光弾が吐き出され、れなを付け狙う。石板が破壊されていき、れなは素早くそれをかわしつづける。


「…やったな。くらえ!」


れなは片手をかまえ、オメガキャノンを発射した!怪物の顔にオメガキャノンがぶつかり、高いダメージを食らわす。怪物は再び飛びかかり、れなに噛みつこうとしてきた!


回し蹴りでそれを払いのけるれな。怪物は敵わないと見たのか一目散に逃げていった…。






次の瞬間、目が覚めた。回りを見渡すと眠っていた人々も目を覚ましており、呆然と空を見上げていた。




「…あれはなんだったんだろう」


気がかりな夢が忘れられなかった。どうやらあの怪物は「マガデザン」というらしく、人に悪夢を見せて喜ぶ悪質なモンスターだったそうだ。しかしあの夢はやはりどこも悪の気配を感じることはなかった。あの人のシルエットは一体…。


だが町の人々の意識は戻った。ともかく今回の事件は平和に解決したことを喜ぶれなだった…。




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