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一茜の歌集(にのまえあかねのうたノート)

一茜の歌集(にのまえあかねのうたノート) 夕顔

作者: 一 茜


それではいってみよー


雲珠桜(うずざくら)

鏡水(きょうすい)浸る

花がため

御風(みかぜ)な吹きそ

()乱さぬために



《私の真面目訳》

雲珠桜が鏡水に映っているが、水面が風で揺らいで桜が散ってしまってはいけないので、風よ吹かないでおくれ。もし風が吹いてしまったら、水面の桜も私の心も不安で揺れてしまうではないか。


《一応の解説》

雲珠桜(うずざくら)

謡曲『鞍馬天狗』の一部に出てくる。特定の場所の桜のことなのか、特定の品種の桜のことなのか詳しいことは不明。ここでは、唐鞍といって正式な行列などで馬を飾るための馬具があり、そのしりがいにつける、宝珠の形をした飾り金具を雲珠うずといい、それと形が似た桜のこと。という説を採用。


鏡水

鏡のように澄んで静かな水。「新漢語林」電子辞書を使うと、漢字で鏡水とかいた時に1つだけ候補として出てくる。死語なのかな……。でも、今回の和歌の根幹。


御風(みかぜ)

自然に古文で出てきそうだけど、茜の造語。風に敬語の意味をつけただけ。音の調子と字数を整えるために作りました。普段私たちが使っている言葉も結局は誰かが作ったもの。少しくらいいいよね。普段私たちが使っている言葉も結構明治の文豪が作ったものが多いし。

(漢文でこのように書いているときは『かぜにぎょす』と読んで、『風に乗る』という意味になります。)


()

心が宿る場所としての内臓。心では、心=腑 として使っています。「腑に落ちる」の「ふ」です。



(にのまえ)解説》


平安貴族さん、めちゃめちゃ桜好きです。冬は木に降り積もる雪を花と見間違え、春が近くなると蕾のふくらみに一喜一憂し、花が咲けばお祭りのオンパレード。散り始めたらまた色々はじまります。そんな彼らにも、自分好みの妃になるように子供の時から英才教育するという行いよりは共感できる茜ですが……。


この和歌は冬に作ったので、「何で茜ちゃんこの季節に桜なの?」と聞かれたので、「頭に桜が咲いたの」と自分でも意味不明な返答をしました。後から考えると茜は春に憧れていたようです。


そんなこんなで、今回は「桜が満開だけれどまだ散り始めていない時」をテーマにさせて頂きました。桜が木いっぱいに咲いて萼が花びらを一生懸命に支えているところに、水に映る桜にまで感情移入している貴族のイメージです。


水の表現をどうしようか本当に悩みました。茜の頭の辞書から同類語辞典から最終的に手探りに漢字を書いて電子辞書で見つけました。語彙力もっと欲しい。


最近あったことといえば、友達はうどんを食べていたらしいのですが、その時にうどんをこぼして隣に置いていたスマホにかかって、壊れたそうです。原因は水没だと言われたらしいです。皆さんも気をつけましょう。





毎週投稿したいです。


でも実は今、深刻なネタ切れだったりします。そう思ったら投稿してなかったものがあったので今日投稿しました。一応、次の和歌も出来ているので頑張って解説書きますね!

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