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しろのほう  作者: 焚(たき)
『好きだったはずの"ひとり"』
6/39

変化

先輩から目をつけられたが、

私は気に食わなかった。


何で後輩ってだけで下に見られなきゃいけないんだ?

何でこんな不細工に目をつけられないように

部活しなきゃいけないんだ?

私は間違ってない。

自分達は先輩なのに真面目にやらないのが悪いんだ。

1年早く産まれたくらいで調子にのっちゃって…

そんな事ばかり頭に浮かんだ。


部活をしている中で自分があの日した事を悔やんだ。

先輩が私の顔に向かってスマッシュを打ったり、

それを受ける私の顔を見て喜んだり。

私の練習メニューを増やしたり、

私に聞こえるように悪口を言ったり。

目をつけられるってこういうことなんだって

やられてやっと分かった。




私以外の人だって先輩の陰口を言ってる。

あの先輩がキモいとか、嫌いとか。

あのブサイクな先輩がイケメンの先輩に告白したとか

昔、部長が虐められてたらしいとか。

言いたいこと好き勝手言ってる。




何で私ばかり…

そんな事を思う日もあった。

でも先輩達に目をつけられたって

負けたくなかった。

怯んだりするところ見せたくなかった。

絶対続けてやるって思った。

私は何も間違ってないって思った。




3年生が部活を卒業してからも2年生は相変わらず

私を白い目で見ていたけど、もう慣れた。

気にならなかった。

そんなの思われてもどうでもよかった。


私がそれほど強気でいれたのはクラスで友達が沢山いたからだと思う。

私は1人じゃない。

みんながいる。

みんなが笑ってくれる。

そしたら私は嬉しい。

放課後友達と高架線下でお喋りしたり

好きな音楽聴いたり、

土日も遊んでゲームしたり、

毎日が楽しくって友達のみんなの事が大好きだった。




そんな日々の中で私がやる事は段々とエスカレートしていった。

クラスで嫌いな女子の名前を机に掘って馬鹿にしたり、床に先生同士の相合傘を書いたり、

先生に媚てる女子の自転車をパンクさせたり。


気づけば私は毎日のように先生に呼び出されていた。

放課後はいつも理科室で取り調べみたいに説教される。

今日は何の話だろうか。

私はいつのまにかそんな日々を楽しんでいた。

先生に反発するのが面白かったんだ。


私は自分が間違った事をしている状態に

何も気づいてなかった。


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