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獣人連邦


「大仁田ァ!どうなっているんだ!」

「おう、二人とも出世だぞ、やったなぁ」

普段通りに大仁田は答えた。


 大仁田は同年の中尉だ。仲は師団中でもっとも良いが、別に学校が同じとかでは無い、むしろ第19師団に配置されてからの仲だ。


「良かったじゃないか、眼帯中尉、これで退役は先伸ばしだぞ」

「んなこたぁどうでもいいが…うん?二人とも?」


「あぁ、俺は第1旅団の第2連隊第1大隊第2中隊だ。お前は?」

「俺か?えぇっと…第2旅団の…第3連隊第2大隊第3中隊だ」

 面食らい質問に答える。

 そうか、旅団も連隊も違うがヤツが紹介したのはそういう意味か。道連れのつもりだろうが。


「しかしけったいな部隊名だな。人獣混成旅団か…まあ俺は人間だけの中隊だが」

「俺は…人獣混成中隊だ…」

 説明を受けたので理解はしてるものの、言葉を理解するのとそれを受け入れるのは違うらしい。


「貧乏くじを引いたな、獣人と人間の混成部隊だぞ」

「知ってる」

 最初は現実逃避に犬と戯れる部隊だと考えていたが説明を受けたら思っていた通りの部隊であった。


「アイツらを押さえられるのか?」

「いや、無理だろう」

アイツら…獣人は軍人に大きな爪痕を残していた。


「あの戦争の話を耳にタコが出来るほど聞いたからな。新聞でも読んだしな」

 大仁田は遠い目をしながら学生時代に思いを馳せた。


戦争…絵流布出兵だ。


 そもそもエルフ連邦は満州の野に位置する連邦国であり、多民族国家だ。


 異世界への道が出来る際、その周辺には様々な影響が出る。その一つに人間が変化すると言うものがあった。

 耳が長くなったり、他の哺乳類と合成してしまったり…その結果できた新たな人種が獣人となった。


 そして見た目や、女性には不思議な力…昔は人類種にもあったようで魔女等と呼ばれたようだが…迫害されるうちに定住地を見いだした。それが満州であり、そこに作られた国がエルフ連邦となったのだ。


 そんなエルフ連邦にシベリア出兵で懲りなかった日本陸軍上層部は出兵を行った。

 理由は在エルフ連邦人類種の保護だった。

 エルフ連邦首脳部の人類種が獣人種のクーデターを読み取って要請したとの噂も有る。


 そして日本軍は2個旅団、アメリカ軍は4個連隊、イギリス軍は1個連隊、フランス軍は1個大隊を出兵し、1個軍団を形成し、エルフ連邦に介入した。


結果は散々だった。


人類種で構成されたエルフ連邦軍は早々に軍事行動を停止したものの、現地の獣人族がゲリラ戦を展開したのだ。

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