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序章

設定厨の妄想垂れ流し

 地獄のような夜だ。

「中隊本部との連絡が途絶!」

「大隊砲兵が壊滅との報あり!」

「小川小隊方面から敵が侵出してきています!」


 雪には血が舞い、悲鳴と砲撃の音が静かな筈の夜を彩っていく。

 一時間前に頼んだ砲撃は、一度目の弾着の後に行われた敵の対砲兵射撃で全滅したらしい。


「連隊に頼んだ増援は?」

「連隊本部から打電、『後方への撤退を開始する。第3中隊は防衛戦闘をしつつ後方へ退却する部隊の援護を行え』」

 どうやら連隊本部は後退のための予備も使い果たしたようだ。


「中隊長、命令を」

「我が掌握した兵力は?」

「3個歩兵小隊では谷家小隊が行動可能、オドネル小隊が第2中隊の残存兵力と合流し再編中、小川小隊は通信途絶」

 歩兵はまだ戦力を保っているらしい。いや、部隊としての体裁を保っているギリギリの所か。最前線の、しかも壊走中の部隊に所属している中ではまだマシだろうか。


「他の小隊は?」

「1個対戦車小隊・1個歩兵砲小隊のうち、対戦車小隊は全ての砲が破壊されたため残存人員はオドネル小隊に合流、歩兵砲小隊は2門が稼働健在、現在阻止砲撃を実施中」

 頼みの重火器部隊は壊滅していたか、対戦車砲は正直あっても無くても変わらない敵であったが…。


「先程接触した米軍の元中隊本部要員から聞いた話では米軍の展開している部隊は軒並み全滅らしいです」

 頼みの大隊主力、連隊主力は壊滅しているし、他国に頼ろうと思ったらどこも同じ状況らしい。


「中尉、この状況、どう思う?」

「駄目ですね。かなり絶望的です」

 ずいぶんとバッサリと切られてしまった。

「異国では死にたくないな」

「異国というか、異世界ですね。まあ自分にとっては半分故郷ですが…それでもまぁ、祖国に戻りたいであります」

 確かに、その通りだ。


 こんな異国の地で死にたくない。そんな気持ちと共に命令を下す。

「今より中隊は他部隊の援護にに入る」


「第3中隊、前へ!」

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