僕は嘘をつかない。
オオカミ少年という話を知っているか?この問いには少しだけ間違いがあるだろう。なぜなら、ほとんどの人がオオカミ少年という話を知っているからだ。ならばこう問うたほうがよいだろうか?オオカミ少年という話を知っているだろう?と…
オオカミ少年。彼は嘘つきだった。それ故にあのような結果を招いたのだろう。その点僕は誠実で率直で素直である。だが、僕は人にオオカミ少年と呼ばれる。その理由はなんの捻りもなく僕の名前の中にあるのだ。僕の名前は大神狼…おおがみ…おおがみ…おおかみ…おおかみ…こんな形で付けられた所謂あだ名というものである。僕はそれを特に気にしたことはない。
運命的な出会い…そんなものは存在しない。曲がり角で美少女にぶつかることもないし、謎の転校生が来ることもない。
世の中はライトノベルの世界じゃない。女の子と仲良くなれるわけでもなく、自分の無能さを痛感できるだけである。
単刀直入に言えばつまらない。楽しくない。
よくネットなどで二次元に行きたい!などと見かけるが、そこまでして自分を高めたいのか?ライトノベルの主人公になる努力はしたのか?つまり例え二次元に行っても僕たちはモテないだろう…そうこれが現実なのだ…
「はあ…大神…自由にレポート書けって確かに私は言ったよ?でも、これは流石にやりすぎだろ…」
白衣を身にまとった担任こと矢浜梨未がそう述べる。
「いやでも先生!僕的に結構レポート的にはまとまってるかなーとかなんとか…」
反論しようと思ったけど、きっと無理だろうね…目怖いし…
「ま、これはこれだが、お前に選ばせてやるよ…反省文か再度書き直して提出か、どっちがいい?」
矢浜の笑ってない目を見るのは怖いけど…とりあえず営業スマイルを貼り付けて、なるべく手短に
「両方で!」
あれ?なんか間違えた…両方…え…?
「ふーんそんなやる気あったのか…まあいい提出日は明後日だ。しっかり書いて来い!」
「いや、あのちょっとミスったっていうか!取り消しで!」
「無理だ!私はもう疲れた帰ってくれ」
そんな風に軽くなじられ職員室を半強制的に追われる形になった。
それにしてもなんでいきなり…
この小さな異変が僕の高校生活に大きな変化を与えるなんて思いもしなかった…




