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SPY-A組  作者: ふぁじー
第1章 朧気な来訪者
8/9

1ー6 朧気な来訪者

デスナが近づき、シオンと代わる。

「さぁ、話してもらおうか。」

デスナが校長に顔を近づける。

「ミスト先生と地下室についてのカラクリを!!」


第6話 朧気な来訪者



「威勢よく私を捕まえたはいいものの、君たち何かを忘れていないかい?」

校長がシオンたちに問いかけるも、シオンたちは何も浮かばない、

「…まぁ良いだろう。私を捕まえただけでも及第点だ。この依頼の依頼主は誰だったか覚えているかな?」

「……あっ」

シオンは焦りの表情を見せる。

(依頼主は学校…つまり、校長ってことか!!なら、校長を無理やり捕まえる必要はなかったのか?地下室について、何も明かされていないから無理やり聞こうとしたけど、これが「依頼である」ということを利用すれば無理やり吐かせる必要はない…?)

「……えぇ。ここまでやってそれかよ…。」

シオンはため息をつく。

「まあいいじゃない、シオン。どんな形であれ、地下室の謎に迫ることができた。これが十分な成果になるはずよ。」

「…話は済んだかね?」

「あ、すみません。お願いします。」

シオンが謝り、校長の話を真剣に聞く体勢に入る。


「地下室にはね、君たちの資料があるんだ。」

「!?」

校長の衝撃の一言目に、6人はただ驚愕する。

「私が話せるのは、これだけだよ。あとは君たちで考察したまえ。」


「失礼しました。」

「本当に失礼だったね。なんちゃって、ははは」

「ははは…」

(笑えない…)

シオンたち6人は作り笑いを浮かべながら校長室を出る。

(えっ…ミスト先生…!?)

校長室を出たシオンとミスト先生の目がバッチリ合う。

「…おはようございます」

シオンは一瞬動揺したものの、ミスト先生に笑顔で挨拶をする、

「おはようございます。」


4月9日 ミスト先生スパイ疑惑調査2日目

昼休み グラウンド

「集まったか?」

スピードが声をかける。6人を揃えて、何かを話したいようだ。

(オレも話したいことがあったからちょうどいいな。)

「スピード君の話が終わったら、私も少しお話しいいかしら。」

ミサトが他の5人に話しかける。シオンとスピードがコクリと頷き、スピードに再び視線が集まる。

「本当は、今日の昼休み…ちょうどこのタイミングで仕掛けるべきだったが、話す時間がなかった。」

「だよな」

(オレらが昨日ヒカゲを見つけ、地下室の存在を知ったのは昼休みだった。ベタな動きをするならこの昼休みに仕掛けるべきだったんだ。)

「そんくらいならおれもわかってるよぉー」

リーフもスピードの発言に共感する。

「おぉ、説明する手間が省けて助かる。今日仕掛けられなかったのは仕方ない。」

「この遅れは正直校長室に突撃したアドを無駄にするレベルだな。どの班もきっと、地下室の事実にいずれ辿り着く。オレらはその事実に早くに辿り着けたのに…。」

「その通りだよ、シオン。今日動けていれば確実に他の班より1歩進んでいる状態をキープできたはずだったんだ。だが、やってしまったことを後悔しても仕方ない。明日仕掛けるプランを練ろうさって話だよ、俺は。」

スピードが話を終える。シオンは悔しそうな表情をしているが、スピードは笑顔を絶やさない。

(後悔するオレと、明日を考えてるスピード…オレとスピードの決定的な違いかもしれないな。)



4月10日 ミスト先生スパイ疑惑調査3日目

昼休み 職員室前

(昨日オレは、職員室のデスクの法則を見つけた。北側のデスクを使っている教員はクラスの担任をしている人、南側のデスクを使っている教員は教動教室などの先生。そしてクラスの担任をしている人は、昼休みに自身のクラスの監視をしないといけないため、必ず教室にいる。)

「んで、その法則は何に使えるんだ?」

べドロがシオンに聞く。

「お前、ここまで説明してわかんねぇの?」

「馬鹿で悪かったな!!」

「バカっ、声デケェよ。」

そこにデスナがやってくる。

「地下室は職員室は北側にあるから、クラスの担任をしていないミスト先生が他の教師の目を盗んで地下室に行くなら昼休みが最適…ってことだろ?」

「さすがだデスナ。その通り。ところでデスナ、カメラは持ってきてくれたか?」

「バッチリだ。」




キーンコーンカーンコーン。チャイムが鳴り響く。

「おいシオン!どーゆーことだよ!」

「今日は動くことができなかったってだけだろ。急ぐなよべドロ。」

「今おれたちが成果をあげられなきゃ今日は進捗0ってことだろ、2班は!!」

「俺たちがミスト先生の昼休みを監視してるだけでも、十分な進捗になってるとは思うけどな。」

デスナがベドロの発言に苦言を呈す。べドロは「?」の表情を浮かばせるが、何も言わずに教室へ戻っていく。


4月13日 ミスト先生スパイ疑惑調査6日目

昼休み

「なーシオン!もう6日目だぞ!明後日には試験終了だ、そろそろ別の可能性を疑ったらどーなんだよー!」

「おいべドロ…ちょっと静かにしろ。」

「はぁ?…!!」

べドロがイラッとした態度を一瞬出すが、すぐに状況の変化に気付く。

「ミスト先生が…地下室の方へ!!おいデスナ、写真とれ!!」

パシャリ。デスナが震える手でミスト先生の写真を撮る。

「撮っ…たぞ!!」

「べドロ、デスナお疲れ様だな。ずらかるぞ!!」

シオンたち3人はニヤリとした表情を浮かべ、大きなハイタッチをする。

ついに決定的瞬間を撮影した2班。


次回

1ー7 リザルト

8月3日(日) 公開予定

第1章 完結!

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