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『剣と魔法』の世界で『数と魔術』を極めてみました  作者: 都鷲斗 翔
第0章 少し長めのプロローグ 〜魔王討伐戦〜
6/10

第3.33話

 配られたステータスプレートはスマートフォン、所謂スマホに酷似していた。

 ていうか、これを考えたの絶対地球人だろ、って感じのものだった。まぁ、これからはステータスプレートではなくスマホと呼ぼう。そっちの方がわかりやすいし。


「みんな、使い方はだいたいわかるのかな? みんなの世界の物をモチーフに作られたと聞いているけど」


 とりあえず、電源を入れてみた。

 電気とかはあるのだろうか。充電差し込み口は無かった。まぁ、異世界のものは大抵、魔力とかだったりで動いてるイメージだし、そんなところだろう。


 初期設定の画面が立ち上がる。



 名前を入力してください⤵︎



「一条レイ」と入力してっと



 ニックネームを入力してください⤵︎



 ニックネーム…………? そんなのもいるのだろうか?


「あぁ、ニックネームってのは、本名をあまり知られたくない人もいるからね。特に何もなければ、本名でもいいよ」


 ならニックネームは「レイ」にしておこう。


 そうして、名前、年齢、誕生日など、当たり障りのないことばかりを聞かれた後、魔力を流してください、というメッセージがでた。


「魔力を流すっていっても、指なんかをそこの丸い部分に当てるだけでいいよ。それで、自分の魔力が端末に認識されるから」


 要するに、指をホームボタンに当てろ、ってことか。指紋認証みたいな感じだな。


 画面にチェックマークが出た後、ホーム画面が開いた。


 見れば見るほどスマホにそっくりだった。

 時計、カレンダー、写真、設定、ヒント、マニュアルといったアプリのアイコンがいくつか表示されている。

 そのうちの一つ、ステータスというアプリを開くと、所謂、能力値が表示された。



   一条レイ (人間)

  レベル1

  職業:未定

  称号:〈数の使徒〉

  状態:正常

   HP :50/50

   MP:50/50

  筋力:E  敏速:E  体力:E

  魔力:E  知力:E  器用:E

  特殊(数):EX

  ユニークスキル:《数の使徒》レベル1……【計数】レベル1



 ん〜、あまりパッとしない。唯一高評価なのは、特殊(数):EX という部分か。ただ、スキルは【計数】、つまりは、数を数えるスキルってこと。詳しく見てみると……



 【計数】レベル1…………

         『数の使徒』としての第一歩は数を数えることから。

         地味なスキルに思えるかもだけど、一歩一歩頑張っていこう。



 ……ということらしい。これのどこが特殊:EXなんだろ、って感じだけど、レベル1だしこんなものなのかもしれない。もう一つ気になるのは〈数の使徒〉という称号か。



 〈数の使徒〉………………

         おめでとうこざいます。あなたは〈数の使徒〉に選ばれました。

         ぜひ、あなたの元いた世界の知識、知恵をもとに

         この世界をより良いものにしていってくださいね。

         困ったことがあったら、私を頼ってください。

                          by 知恵の女神 メティス



 ……もっと気になることが出てきた。知恵の女神さま——実在するのだろうか? あるいは、この端末を作ったのも、この女神さまだったりして。まぁ、そういうことは一旦置いといて、


「全員確認できたかな、まだの人がいたら、声をかけてほしい。……よし、大丈夫そうだね」


 騎士団長さんが確認の質問をしている。……まぁ、名前じゃなくて、役職で呼んでいる時点で、名前を覚えているのかは察してほしい。言い訳にはなるが、名前が長いし、おまけにカタカナだし。一回で覚えられるわけがないよね。付け加えると、四、五ヶ月、同じクラスで暮らしたクラスメイトの名前すら、一割も覚えていないのだから仕方がない。そう、仕方がないのだ。


「それじゃあ、全員、能力値のところに注目してくれ。見ての通り能力値は、筋力、体力、敏速、魔力、知力、器用、そして特殊項目の七つがある。それぞれ、SSSランクから、SSランク、Sランク、そして、Aランク、Bランクという風に続く。一番下がGランクで、全部で十段階って感じかな」


 G、F、E、D、C、B、A、S、SS、SSS。なるほど、ということは、十段階中の下から三番目か。……結構厳しいな。そして、EXランクは言われなかった。エクストラ、規格外という意味だったら、SSSランクの上でもおかしくないとは思うのだが、そんな都合の良い展開はないか。だいたい、数を数えるだけのスキルが規格外なわけないし。


 ただ、すごく気になるのが…………

「俺、筋力Sランクだったぜ」

「は? 俺は筋力SSSだからな。ドンマイ、俺の勝ち」

「はぁ、脳筋男子ばっかじゃん……ねぇねぇ見て、私めちゃくちゃ器用ステータス高いんだけど。SSSだって、ヤバくない? モモちゃんは?」

「ん〜私は、魔力と知力ってのが高いかなぁ。それでも、Sランクだから、さっちゃんよりは全然大したことないよ」

……………………

………………

…………

……


 これはちょっとヤバいんじゃないか? もちろん悪い意味で。話を聞いている限り、SSSランクのステータスを持つ人は最低でも八人。あまり自慢とかをしないタイプの人もいるから、三十一人中十人以上はSSSランクと見てもいいだろう。加えて、残りの人たちも、話を聞く限り、最低でもSランクの項目があるらしい。


 これはクラス転移で一人だけ能力が一般人レベルだった、とかいうパターンだったり。本来は三十人のはずが、三十一人になってしまって、残りの一人にはチート能力が与えられなかった、とか。


 微妙にありそうなのが怖い。


 そういや、僕って、クラスの中で、席が一番後ろの窓際の端だったなぁ。転移の魔法陣からはみ出してたから、とかありそう。


 …………ネガティブ思考はやめておこう。能力が低かったりしても困ることは……あるかもしれないけど、それでも、一般人レベルならまだ生活には困らないだろうし、もし、能力が低くて追放とかになっても、それはそれで、戦争とかに参加させられずに、自由にできるし…………流石にすぐに死ぬなんてことにはならないだろうし……


 そこまで考えるとあることに気がついた。この世界の人のステータスの平均がどのぐらいかはわからないが、仮にこのステータスが一般人レベルだと仮定すると、SSSランクは、まず間違いなく最強クラスだろう。一般人レベルのステータスの僕が、SSSランクの人の攻撃を受けたらどうなるか……即死だろうな。


 一番危険なのは、クラスメイトかもしれない。何せHPが50しかないのだ。これがどのぐらいかはわからないが、絶対に高くはないことはわかる。下手したら、SSSランクの人はHP5,000以上ある可能性だって少なくない。


 役立たずだと言われるぐらいならまだいいのだが、喧嘩になれば死ぬ。かといって、クラスメイトのご機嫌取りは御免だしな。


 まぁ、もしかしたら僕と同じくらいのステータスの人もいるかもしれない。三十一人もいるのだから可能性はゼロではないはずだ。


 とまぁ、クラスメイトたちが友達と会話している間、一人で考え事をしていたのだが、手に持っていたスマホの振動で遮られた。


 ヴゥゥゥゥ

 ピコン、ピコンピコン


 これをスマホじゃないとしたら、なんだというのか。

 振動がして、画面を開いたら通知が連続で四つほど来た。



 “技能レベル上昇のお知らせ”

   “ レベルアップの条件を満たしたため、

   技能【計数】のレベルが1→2に上昇しました”



 “スキルレベル上昇のお知らせ”

   “技能【計数】のレベルアップに伴い、

   ユニークスキル《数の使徒》のレベルが1→2に上昇しました”



 “新技能アンロックのお知らせ”

   “ユニークスキル《数の使徒》のレベルの上昇に伴い、

   新技能【足し算】を入手しました”



 “新技能アンロックのお知らせ”

   “ ユニークスキル《数の使徒》のレベルの上昇に伴い、

   新技能【引き算】を入手しました”













〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






 【計数】レベル1…………

         『数の使徒』としての第一歩は数を数えることから。

         地味なスキルに思えるかもだけど、一歩一歩頑張っていこう。

       ⚪︎技能詳細

         •数を数えることに対する正確性の向上(微)(常時発動)

         •数を数えることに対する速度の向上(微)(常時発動)

       ⚪︎レベルアップ条件

         •数を数えること、数を使って物事を考えることを、

          一定回数以上行うこと。



 【計数】レベル2…………

         『数の使徒』として一歩成長したね。

         まだまだ先は長いけど、この調子で頑張って。

       ⚪︎技能詳細

         •数を数えることに対する正確性の向上(小)(常時発動) (up⤴︎)

         •数を数えることに対する速度の向上(小)(常時発動) (up⤴︎)

         • ??? (new)

       ⚪︎レベルアップ条件

         ???



 【足し算】レベル1…………

          おめでとう。新しい技能のアンロックだね。

          たかが、足し算と侮るなかれ。

          使いこなせれば、きっと役に立つよ。

       ⚪︎技能詳細

         •足し算に対する正確性の向上(微)(常時発動)

         •足し算に対する速度の向上(微)(常時発動)

       ⚪︎レベルアップ条件

         ???



 【引き算】レベル1…………

          新しい技能のアンロック、二つ目だよ。

          引き算なんて楽勝かな?

          使いこなせるよう頑張っていこう。

       ⚪︎技能詳細

         •引き算に対する正確性の向上(微)(常時発動)

         •引き算に対する速度の向上(微)(常時発動)

       ⚪︎レベルアップ条件

         ???

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