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悪役姫は想われる。

「……」


 ミリアリアが退出した後、女王クリスタニアは軽くため息をついた。


 これはどう判断したものか?


 前に見た時はもっと子供らしかったと思ったが、この数年で何があったのか妙に大人びた気がする。


 そして何より、自分の気迫に動じない子供というのは中々のものだとクリスタニアは評価した。


(確かに父上が慌てて連絡をよこした理由もわかる。だが褒章で望んだのは装飾品。これは今までの報告書から感じ取った優秀だがわがままな子供のミリアリアの印象に近い)


 だがその後のセリフは、思い切りがいいと一蹴出来ないものだった。


 この国はよくも悪くも初代女王の得意属性が光だったことから光属性を特別視する傾向にある。


 そして一部以外には秘匿された話であるが、その初代女王が闇の精霊神を封じ込めたという逸話から、闇の属性を忌み嫌う悪習もまた存在した。


 闇属性を色濃く受け継いだミリアリアは多くの苦難にさらされたことだろう。


 先ほどの発言はクリスタニアに対する皮肉とも、今後生来受け取ったものと共に歩むという決意表明ともとれる。


 色々な意味で大胆不敵な態度は大人だろうとそう簡単に取れるものではない腹が据わったものだった。


 子ども特有の蛮勇なのか、それとも何か思惑があってのあの態度なのか。


 どちらにしてもクリスタニアは面白いと感じた。


 そのくらいの反骨心など王位を獲るというのなら、基本でしかない。


 闇を抱いたまま頂点に上り詰めるなら、常識など鼻で笑って見せるほどの圧倒的な力が必要だ。


「……さて、玉座までたどり着くのはどのような者になるか」


 先が楽しみだと、いつの間にか笑っていたクリスタニアはすぐに表情を引き締め、公務へと戻っていった。



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